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パブリッシャーシステムから作家性中心への移行の予兆、そして大規模口コミ・ジェネレータが際立ったE3 2015・・・中村彰憲「ゲームビジネス新潮流」第36回

筆者は今年、米国ロサンゼルスで6月16日~18日に開催された世界最大のビデオゲーム見本市、E3 2015に参加する機会に恵まれました。そこで今回のコラムでは、今回のE3の特徴とそこから示唆されたこれからの潮流について筆者なりの視点で言及していきます。

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パブリッシャーシステムから作家性中心への移行の予兆、そして大規模口コミ・ジェネレータが際立ったE3 2015・・・中村彰憲「ゲームビジネス新潮流」第36回
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VRデバイスについてはもうすこし時間が必要か?



2015年は開催以前からヘッドセット型VR/MRデバイスの動向が注目されていました。筆者もこの期間内にマイクロソフトの「HoloLens」、SCEの「Project Morpheus(プロジェクト モーフィアス)」、並びにOculus VRの「Oculus Rift」を体験することが出来ました。

Project Morpheus
Oculus Rift


一番製品としてのイメージが出来たのは2016年の第1クオーターにリリースを控える「Oculus Rift」でしょう。デバイスの軽量感、装着の心地易さに加え、眼前に広がる画面の解像度も2160×1200、フレームレートは90Hzとされているだけあり、DK2より明らかに画面に粗さが感じされませんでした。筆者が体験したのは『EVE: Valkyrie』。巨大な戦艦を掻い潜りながらドッグファイトをしているときは、Xbox One用コントローラの優れた操作感もあり自然にその世界の没入することが出来ました。

一方、「HoloLens」は、『Halo Guadians』のブリーフィングで体験。一般的にヘッドセットを装着すること自体に違和感を感じてしまうというのがこれらVRデバイスのネックなのですが、ここではブリーフィング用デバイスという位置づけだったこともありすんなり装着できました。さらにブリーフィングでは、これから、演習をおこなう基地の立体設計図を見ながらホログラフのコマンダーから解説を受けるというもの。まさに『スターウォーズジェダイの帰還』での第二デススター攻撃前のブリーフィングシーンを彷彿とさせる演出でした。プレイヤーが世界観の中に没入できる演出だっただけに、「HoloLens」の汎用的な活用法などを実感できるデモでした。テーマパーク運営会社が飛びつきたくなるのではと思うの程の完成度です。

「Project Morpheus(プロジェクト モーフィアス)」については、『BATTLE ZONE』をプレイ。まだ試作版であることもあり、解像度はDK2並であるものの、ゲーム自体は没入間を感じつつプレイが出来ました。おそらく製品版になればより高い解像度と安定したフレームレートでプレイできると思うのでおそらくゲーム体験自体は、「Oculus Rift」のそれとあまり変わらないのではという予感がしました。となると重要なのは、独占コンテンツということになります。「HoloLens」についてはゲームとは全く違った用途が考えられるだけにそれについても来年まで待つ必要がありそうです。いずれにしてもVR/MRデバイスについてはその真価は2016年に明らかになるのではというのが筆者の予感です。



インディーゲームへのサポートも万全の大手プラットフォームメーカー。個性あふれる作品がゲーマーを魅了する



クリエイターの個性については、SCEブースならびにマイクロソフトブースでも確認できました、双方のブースともインディークリエイターのブースがしっかりと用意され、そこでクリエイター自ら自身の作品を参加者に説明できるようにしていたのです。これらの中には異色作もあり、そこから新たなスターが生まれても不思議ではありません。

また、IndieCade ブースにも数多くのユニークな作品が展示されていましたが、ここで多くのユーザーを集めていたのが『塊魂』シリーズのディレクターである高橋慶太氏の最新作『Wattam』。なんと、プロデューサーをつとめるのが、Robin Hunicke氏。Thatgamecompanyで『Journey』をプロデュースした人です。こういったクリエイティブな作品の制作工程を見てきたプロデューサーだからこそ高橋氏の持つ「まったく新しい取組」を全面的にバックアップしていけるのでしょう。そしてここから更なるイノベーションが生み出されるのです。
《中村彰憲》
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