至極当然な事実ですが、ゲームというのは人間が作っているものです。そしてさらに当然ながら、それらは作り手の意思や癖や経験が反映されているもの。同じ開発者のバイオグラフィーを注意深く追っていくと、以前に携わった作品のエッセンスが残っているはずです。そこで今回は名作からインディーまで、ちょっと意外な「ゲーム開発者の経歴」を紹介。「あのゲームを作った人はこんなゲームも作っている」というハードコアゲーマー知識をお届けします。
●ATBバトルの進化系は『モンスターハンター:ワールド』から? 『ファイナルファンタジー7 リメイク』『リバース』のバトル・デザイナー
記録的な大絶賛を受けている『ファイナルファンタジー7』のリメイク2作目『ファイナルファンタジー7 リバース』。そして、その前作の『ファイナルファンタジー7 リメイク』のどちらにもクレジットされているのが、バトル・ディレクターの遠藤皓貴氏。彼は『FF7 リメイク』の公式サイトに寄せたコメントの中で「個人的な経験として、これまでアクションゲームを作ることが多かった」と語っています。
では、彼が今まで作ってきたのはどんなゲームなのでしょうか? 同じ名前で検索すると『モンスターハンター:ワールド』のプランナーとしてメディアのインタビューを受けている記事がヒットしました。
お名前や本人のコメントの大意から、恐らく同氏が『FF7リメイク』以降のバトル・ディレクションを担当しているのだと思われます。そう考えると、コマンドと3Dアクションが融合した本作のバトルシステムに納得感が出てきますね。
似たケースとして『ファイナルファンタジー16』のコンバット・ディレクターを鈴木良太氏が担当していますが、同氏もカプコンで『デビル メイ クライ5』などに携わっておりました。これを知ってからだと、クライヴにダンテの影がダブりませんか?
●正反対の作風に方向転換をした開発スタジオ……『シーズン ~未来への手紙~』の開発者はバトロワを作っていた!?
自転車で野原を往く雰囲気たっぷりのロードムービー風アドベンチャーゲーム『シーズン ~未来への手紙~』。終わりかけの世界で、日記を作ったり、音を録ったりしながら時間を過ごすとても穏やかなゲームですが、実は同じスタジオの前作がバトルロイヤルゲームだということ、ご存じでしたか?
本作はカナダのScavengers Studioが制作・販売した作品なのですが(名前はたしかに物騒)彼らの前作が『Darwin Project』という基本無料のバトロワゲーム。なんと正式リリースから四か月で開発終了という悲しい事態になってしまったようですが、今でもダウンロードして遊ぶことは可能です。
バトロワからADVという急な方針転換にびっくりですね。彼らはいったい次は何に挑戦するのでしょうか?
●『Papers, Please』と『オブラディン号の帰還』を作った男、Lucas Pope……彼の新作はPlaydateに!
架空の国家の入国審査官になるゲーム『Papers, Please』や、長い航海から戻って来た船の乗組員たちの死因を探るミステリーADV『Return of the Obra Dinn』といったユニークなゲームを作り続けている奇才Lucas Pope氏も、非常に作家性の強いクリエイターです。
彼の新作は「Playdate」というクランクの付いた小型ゲーム機で遊べます。その名も『Mars After Midnight』。火星の公民館でイベントに来るお客さんを捌くゲームで、そこだけ聞くと一作目と似ていますね。相変わらず舞台はユニークですが。
そんなLucas Pope氏の出身はアメリカですが、現在は埼玉県に住んでらっしゃるそうです。もしかしたらインディー・ゲームのイベントなどで、こっそりすれ違ってるかも?
以上、「あのゲームを作った人はこんなゲームも作っている!?」でした。こういう観点から、ゲーム業界を見てみるのはなかなかユニークだったのではないでしょうか? 他にも「この人を忘れちゃいかんぞ、取り上げてくれ」という意見がありましたら、是非ともコメントでお聞かせください!