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「プレステ クラシック」は名作揃いだけど、俺が遊びたいのは“この20本”─筆者独断&厳選の「俺クラシック」はこれだ!【特集】

スーパーファミコンやメガドライブ、PCエンジンなどが1988~1990年にかけて登場し、多くのゲームファンを魅了。ゲーム市場が大いに盛り上がりました。

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◆恋愛やシミュレーション系からはこちらの3本!


■『ネクストキング ~恋の千年王国~』

ゲームクリエイターとして知られている桝田省治氏は、プレステ時代にも様々な作品に携わっており、前述の『リンダキューブアゲイン』などの代表作を持っています。しかし、当時の作品から「真・俺クラシック」にピックアップするならば、筆者としては『ネクストキング ~恋の千年王国~』をイチオシします。

本作に登場する12人のヒロインは、一緒に冒険へ出かけるパートナーでもあり、次の王を決める投票権を持つ有権者でもあります。王の候補は、4人の王子。プレイヤーはその一人となり、ヒロインたちの好感度を上げながら、王座の獲得を目指します。

好きな子とのエンディングを目指すのはもちろんですが、王に選ばれるためには票の確保も重要。そのため本作では、数多くのヒロインと関係を深める“浮気プレイ”が許されています。いや、王位に就くには必須とも言えるので、むしろ推奨と言ってもいいのかも。「王になるためだから仕方ない」という大義名分のもと、ライバルを蹴落としながら、数多くのヒロインから愛を勝ち取る──それこそが本作の醍醐味なのです。

対戦プレイも盛り上がりますが、ヒロインたちとより親密になれるストーリーモードでは、1年間に渡る“恋の戦い”が待ち受けており、上手く立ち回れば最大11股も可能(フラグの関係で、12人同時が不可能なのがちょっと残念)。個性的なヒロインの内面に踏み込みながら、ボードゲーム形式で展開するスゴロクバトルを制し、恋も王位も手に入れる欲張りなプレイが楽しめる『ネクストキング ~恋の千年王国~』。二兎を追うくらいの気概がなければ、一兎すら手に入らないのでしょう。愛を、惜しみなく奪い合いましょう!

■『キャプテン・ラヴ』

恋愛要素のあるADVと言えば、魅力的なヒロインが複数おり、彼女たちとのコミュニケーションを通じてどのキャラに絞るかを決め、結ばれるエンディングを目指す──というスタイルが多いもの。しかし本作は、ゲームデザインの時点で、多数の恋愛ゲームとは一線を画す特徴を備えています。

本作におけるメインヒロインは、永堀愛美ただひとり。しかも、ゲーム序盤で彼女との関係は大きく進展します。そして愛美とのエンディングを迎えるためには、次々に現れる魅力的なサブヒロインを振りまくらなければならないのです。

恋愛系ADVにしては珍しく、話数形式でゲームが進行。そして、各話にひとりずつサブヒロインが登場します。サブヒロインの彼女たちは、いずれの主人公に惹かれますし、そんな彼女たちがプレイヤーの目に可愛く映らないわけがありません。もちろんサブヒロインを選ぶこともできますが、それは同時に愛美との関係が終わる道でもあり、ゲーム自体もその時点で終了。先の話に進むには、サブヒロインの誘惑に勝ち続けなければなりません。

“多くのヒロインの中から一人を選ぶ”と言えば他の恋愛ゲームと変わりませんが、深い関係になる直前まで親密になりながらも、そこで押しとどまる勇気を持たなければいけないゲームは、かなり稀有。しかもその決断は、ゲーム中に何度も押し寄せて来るのです。

また本作の特徴として、“愛の共産化”を目指す「ラブラブ党」の存在も重要なポイント。愛とは全ての人々に向けて平等に与えられるべきと考えている彼らの主張は、かなり極端でもありますが、心情的にまったく理解できないわけでもありません。

主張が異なる彼らと主人公のやりとりには、真実の愛について考えさせられる場面もあり、存在の奇抜に反して心に突き刺さる言葉を投げかけることもしばしば。ちなみに彼らとの戦いは、「論撃バトルシステム」という、いわば口喧嘩で決着をつけます。愛を語るのに、暴力は不必要! その姿勢もまた、奇妙ながらも説得力があります。

多彩に交錯する“愛”と向き合い、その真実を模索していく『キャプテン・ラヴ』。一途を貫くもよし、途中で新たな愛に走るも良し。一般的な恋愛ゲームと比べるといい意味で“ゲーム的”であり、印象的な問いかけも多く、記憶に残るパワフルさを持った作品でした。

■『ヒロインドリーム』

『ときメモ』の台頭をきっかけに、家庭用ゲーム機にも美少女を題材としたゲームが大きなブームとなりました。それはプレステにおいても例外ではなく、魅力溢れる作品が次々と登場。その中で筆者の心に一番強く残った作品が、この『ヒロインドリーム』です。

美少女をメインに据えた作品には大きく2通りあり、恋愛関係を主軸に置くものと、育成系SLGに分かれます。スタイルは少々特殊でしたが、上記の『キャプテン・ラヴ』は前者に当てはまりますし、後者は当時ならば『プリンセスメーカー』や『卒業 ~Graduation~』など、今ならば『アイドルマスター』シリーズなども該当するでしょう。

本作は、典型的な育成系SLGとなっており、主人公とヒロインの関係性も「芸能系の高等学校でアイドルを目指す彼女と、そのディレクター」という間柄。目立った恋愛要素はなく、エンディングも彼女の進路を描くものとなっています。ここまでは大きく目立つ要素がありませんが、実際にプレイしてみると、長所と短所が一体化した個性がたちまち浮き彫りに。

まず、直接育成できる対象は、舞木静ただひとり。パッケージには彼女を含めた5人の女の子が並んでいるものの、他の4人はライバルという立場です。また、主人公は「ディレクター」の立場で静と接触することはなく、レッスンなどの指示を与えるだけ。そして登場人物は全てボイスありですが、なんとセリフのテキスト表示は一切なし。実際に「聞く」以外に、発言内容を知る方法はありません。

このように書き連ねると「なんてゲームだ!」と感じる方も少なくないでしょう。これらの要素を欠点と捉えることもできます。しかし、ただ不便であったり足かせなわけではなく、このスタイルだからこそ引き出せる魅力があるのもまた事実なのです。

まず育成対象を絞ることで、静自身の内面、ライバルとの関係性などを明確に描くことに成功。ライバルといってもギスギスとした関係ではないので、そのやりとりに和むこともありますし、友人だからこその衝突もまた青春の味。物語の中核を静に絞ることで、一度のプレイだけでも5人全員の魅力を存分に感じられます。

プレイヤーはディレクターという立場なので、厳しいレッスンを課すことも。まだ若い静はそれを不満に思うこともありますが、まだ知り合って間もない目上の者に、その心情を吐露できるかと言えば難しいところ。そんな微妙な心境を汲み取ってか、主人公は「謎の占い師」という立場で静や他の4人と接点を持ちます。その結果、ディレクターという立場ではきっと知ることができなかった“彼女たちが持つ素の感情や本質”などに触れることができ、より強い関心や興味をプレイヤーに抱かせてくれます。

登場人物のセリフはボイスのみ。そのため、発言の内容をしっかり把握するにはスキップが許されません。昨今のADV事情を考えると、まずあり得ない仕様と言えるでしょう。どんどん先に進みたい人や、プレイ時間が限られているユーザーにとっては、不便さが目立つシステムに他なりません。

しかし、音声とテキストが一セットだと、「メッセージウィンドウ内に表示できる分量でセリフが一度区切られる」という制約がつきまといます。テキストのオート進行が出来るゲームでも、ただ自動で進むだけで、セリフ自体が区切られている事実に変わりはありません。

ですが本作は、メッセージウィンドウから解き放たれたことで、長さに縛られないセリフが可能に。また、区切りがないので音声をひとつずつ録音する必要もなく、キャラ同士が会話するシーンなどを一括で表現することができます。会話と会話の「間」が、テキスト送り待ちの時間ではなく、プロの声優陣による「表現」になるので、その臨場感は抜群! 相手のセリフにかぶせて話す場面や、複数人が同時に喋る賑やかなシーンも、声優陣の「間」がダイレクトなので感情の流れも実に自然です。

改めて記しますが、これらの特徴は欠点と見ることもできます。全面的に素晴らしく、普遍的であるとは言えません。ですが、手抜きやいい加減な仕様ではなく、取捨選択の末として導入した挑戦であることも間違いないでしょう。長所と短所を併せ持ち、それを魅力へと繋げる意欲的な姿勢こそが、本作を輝かせています。完璧ではなく、個性を選んだ『ヒロインドリーム』。忘れることができない作品のひとつです。

◆幻の一作だからこそ、収録という形で遊びたかった…!



ここまでの「真・俺クラシック」はいずれも、筆者が実際に購入して遊んだものばかり。ですが、この『serial experiments lain』だけは例外で、遊ぶことが出来なかったタイトルからのチョイスです。

本作は、雑誌連載やアニメなどのメディアミックス展開の一環としてリリース。現実とインターネットの交錯を、岩倉玲音という少女を通じて描いたこのシリーズは、時代に先駆けた題材や踏み込んだ描写などで話題となり、それぞれの作品が注目を集めました。

ゲームという形で登場した『serial experiments lain』は、断片的な音声ファイルや映像ファイルをもとに、玲音の過去や心理に迫るというもの。一見して分かりやすいゲームではなく、取り扱う題材もかなりハードなので、当時から人を選ぶ作品でした。しかしその一方で、アニメ版とも非常に密接しており、このシリーズ全てを理解するためには欠かせない存在でもあります。

発売以前から惹かれていたものの、当時の筆者は懐に余裕がなかったため、「いずれ買おう」と先送りに。ですがその判断は完全に裏目となり、気がつけば定価の数倍もするプレミア価格に突入。発売から20年が経っても市場価値が下がることはなく、今に至っております。中古相場は変動しやすいので一概には言えませんが、ざっと定価の5倍から10倍ほどのプレミアがついているので、おいそれと手が出せない状態。

そんな幻の作品だからこそ、「プレステ クラシック」に収録して欲しかった! しかし知名度・内容的に難しいだろうとも感じているので、せめて「真・俺クラシック」にチョイスさせていただきます。『スターフォックス2』が日の目を見たように、どうか『serial experiments lain』にもチャンスを! せめてゲームアーカイブス化とか! 非常に難しいとは思いますが、どうか…。



ゲーム記事という視点を踏まえた「俺クラシック」と、空振りもしくはホームラン(概ね前者と予想)の二択しかない「真・俺クラシック」、いかがだったでしょうか。後半は、読者も振り切る勢いで駆け抜けてみましたが、それでも「俺はもっと先に行くぜ!」と更に個性的なタイトルが頭に浮かんだ方も多いことでしょう。

「プレステ クラシック」の発売から約1ヶ月が経ち、市場的には落ち着きを見せていますが、改めてSNSなどで盛り上がれば、第2弾・第3弾が動き出すかもしれません。ゲームファンそれぞれが抱いている「俺クラシック」を実現させるべく、イチオシ作品などをTwitterなどで呟いてみてはいかがでしょうか。最新ゲームも遊びたいけど、昔のゲームも遊びたい! そんなワガママが叶う2019年になりますように。

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