人生にゲームをプラスするメディア

中古市場から見えてくる「2017年の注目ソフト」─発売から1年経過するも高い人気を誇る2作品とは【特集】

2018年に入り、早くも2ヶ月が過ぎました。今年はまだ10ヶ月ほど残っているものの、1月に発売された『モンスターハンター:ワールド』は、売り上げ・人気ともに2018年を代表する1本として数えられてもおかしくない活躍ぶりを見せています。

その他 特集
中古市場から見えてくる「2017年の注目ソフト」─発売から1年経過するも高い人気を誇る2作品とは【特集】
  • 中古市場から見えてくる「2017年の注目ソフト」─発売から1年経過するも高い人気を誇る2作品とは【特集】
  • 中古市場から見えてくる「2017年の注目ソフト」─発売から1年経過するも高い人気を誇る2作品とは【特集】
  • 中古市場から見えてくる「2017年の注目ソフト」─発売から1年経過するも高い人気を誇る2作品とは【特集】
  • 中古市場から見えてくる「2017年の注目ソフト」─発売から1年経過するも高い人気を誇る2作品とは【特集】
  • 中古市場から見えてくる「2017年の注目ソフト」─発売から1年経過するも高い人気を誇る2作品とは【特集】
  • 中古市場から見えてくる「2017年の注目ソフト」─発売から1年経過するも高い人気を誇る2作品とは【特集】
  • 中古市場から見えてくる「2017年の注目ソフト」─発売から1年経過するも高い人気を誇る2作品とは【特集】
  • 中古市場から見えてくる「2017年の注目ソフト」─発売から1年経過するも高い人気を誇る2作品とは【特集】

◆“中古市場”から見る2017年の注目ソフト・後編



どちらの中古価格も高値を保っており、5,000円台を下回ることはほとんどないまま、発売から1年を迎えました。ちなみに『ニーア オートマタ』は、Steam版との合計ですが、世界出荷およびダウンロード本数が200万本に。『ゼルダの伝説 BotW』は、1月に発表された第3四半期決算の資料によれば、スイッチ版だけでも全世界670万本を達成(ダウンロード版含む)。これだけの売れ行きを見せたタイトルが、1年を経過しても5,000円台を中古相場で維持しており、その人気は非常にパワフルと言えるでしょう。

この状況を、「需要と供給のバランスが高いレベルで釣り合っている」とまとめることはできますが、1年が経過してもなお強い訴求力を持つ理由の一端をここで推察したいと思います。まず『ニーア オートマタ』は、個性的な作品を数多く生み出したヨコオタロウ氏の手腕が存分に発揮されており、設定や物語は人を選ぶ面こそあれ、相性の合うユーザーを数多く魅了する力を持っています。


また、ヨコオタロウ氏の代表作として知られている『ドラッグオンドラグーン』シリーズとも設定面で関連があり、発売前から注目度も高い一作でした。もちろん、『ニーア ゲシュタルト/レプリカント』の後継作なので、前作ファンからの期待も集めています。そして、『ニーア オートマタ』の開発をプラチナゲームズが手がけたのも、大きなポイントでしょう。

『ドラッグオンドラグーン』シリーズや『ニーア ゲシュタルト/レプリカント』もコアなゲーマーを中心に人気を博しましたが、アクション面についてはあと一歩及ばない印象もあり、その点についてはファンの間で様々な要望が出ていたほど。ですが本作は、『ベヨネッタ』などでアクションに定評のあるプラチナゲームズが開発しており、テンポの良さと爽快感を両立するゲーム性を実現しました。


また、ファンが長年望んできたアクション面が強化されてゲーム性が向上したことで、物語への没入度も増しました。それは、ヨコオタロウ氏が描く個性的なキャラクターや心を揺り動かす物語をより力強く感じられることでもあります。これまでも充分に魅力的だった要素が、『ニーア オートマタ』でより伝わりやすくなり、大きく開花したのです。

『ドラクエ』のような国民的な作品ではないからこそ流行り廃りに左右されず、また個性的であるがゆえに類似作品が見当たらず、更にクオリティも高いとくれば、ユーザーから長く求められる結果となるのは自然な流れと言えるでしょう。


そして、『ゼルダの伝説 BotW』は、言うまでもないほど高い人気を誇るシリーズの最新作。それだけでも話題性は充分ですが、広大な空間とどこまでも登り到達できる高さを合わせ持つ“オープンエアー”をはじめ、これまでの過去作にはなかった要素を多数用意。シリーズ初体験のユーザーだけでなく、『ゼルダの伝説』ファンにも新たな刺激を提供し、世界的なヒットに結びつきました。

シリーズ人気が高いので、『ゼルダの伝説 BotW』が支持されるのも当然だろう。そう思われる方も多いでしょうし、この意見も無論間違いではありませんが、今回の事例として注目したいのは、ニンテンドースイッチと同時発売という点。つまり、本体の普及がこれからという状態だったことです。

ソフトの売れ行きは、直接的にはソフト自体の評価や、ブランドやシリーズに対する信頼感などで大きく左右しますが、対応ハードの普及度合いも重要です。ハード所持者は購入対象者とも言えるので、多いに越したことはありません。ハードの台数以上にソフトが売れる道理はなく、普及台数が多いのは大事な条件のひとつ。

『ゼルダの伝説 BotW』にはWii U版もあり、約一ヶ月で108万本を販売しました。これだけでもかなりの数ですが、普及が始まったばかりのスイッチ版の方が遥かに売れており、同じ期間で276万本を販売。発売されたばかりの新ハードでこれだけ本数を伸ばしたのは、多くのユーザーの予想を超える結果でした。ちなみに2017年末までの段階で、スイッチ版『ゼルダの伝説 BotW』は670万本を売り上げています。


また、中古価格が安定して高値を維持している背景のひとつとして、スイッチの普及状況も一因でしょう。スイッチが普及するに従い新たなユーザーが生まれ続けるため、長期的に新ユーザーの購入候補となります。そのため中古市場でも売れ続け、高値安定という結果を招いたものと思われます。

攻略順も縛らず、いきなりラスボスに挑むことも可能な『ゼルダの伝説 BotW』。ゲームとしてのルールやプレイ体験も一新し、ユーザーの期待に応えるどころか上回る仕上がりで登場したため、こちらも高い人気を獲得して然るべき1本です。

今後、更にスイッチが普及すれば、潜在的だった購入者が更に増えるので、『ゼルダの伝説 BotW』の伸びしろはまだまだ残されています。PS4の普及はある程度落ち着いてはいますが、今年の1月に発売された『モンスターハンター:ワールド』がPS4本体を牽引して更なる層を掘り起こしたので、『モンハン:ワールド』をプレイし終えて新たなタイトルを探すユーザーが『ニーア オートマタ』に流れる可能性は充分あります。現時点でも高い人気を誇っていますが、今後の展開も実に楽しみな2作品です。


2017年のソフトと言えば、『スプラトゥーン2』や『マリオカート8 デラックス』などもあり、こちらも中古市場で高値安定ですが、前作からの延長線上にあるため、現状の人気も順当な推移ともとれます。『ニーア オートマタ』と『ゼルダの伝説 BotW』は、新たな挑戦であったり体制を大きく変えて挑んだタイトルだったので、だからこそより注目したい作品でもあります。

発売から1年を超えてなお厚い支持を集める作品に敬意を払うと共に、あらゆる面白いゲームに祝福を贈りたいと思います。そして、2018年も素晴らしいゲームが市場に現れますように。



【関連記事】
恐ろしくも美しい“魔女”が活躍するゲーム8選! アクションにRPG、SLGとジャンルも多彩な活躍ぶり【特集】
URL:https://www.inside-games.jp/article/2018/03/07/113182.html

【特集】失敗が“思い出”になる『ファイアーエムブレム』─筆者が「ファルシオン」を入手できなかった理由とその結末!
URL:https://www.inside-games.jp/article/2017/11/27/111175.html

『ゼルダの伝説 BotW』3月3日で一周年! 歩んだ軌跡や発売後の展開を辿る
URL:https://www.inside-games.jp/article/2018/03/04/113135.html

【特集】ミニスーファミの収録ソフト、バーチャルコンソールでも遊べるの? 全部揃えたらいくら?
URL:https://www.inside-games.jp/article/2017/06/28/108175.html

【特集】年末なので大掃除! ゲーマーの押入を漁ったら何が出てくる?─歴代ハードや思い出のソフトたち、レアソフトも掘り出し
URL:https://www.inside-games.jp/article/2017/12/31/111962.html
《臥待 弦》
【注目の記事】[PR]

編集部おすすめの記事

特集

その他 アクセスランキング

  1. 『FF7 リバース』ユフィの“引き締まったお腹”が破壊力抜群!人気イラストレーター「はんくり」先生がファンアートを投稿

    『FF7 リバース』ユフィの“引き締まったお腹”が破壊力抜群!人気イラストレーター「はんくり」先生がファンアートを投稿

  2. 1位はキラ…ではない!『ガンダムSEED』人気投票の最終結果発表―アスランのMSで一番人気は「ズゴック」に

  3. 【特集】ゲームを遊びながら食べるのにピッタリなお菓子11選、最強の“ゲームおやつ”は…!

アクセスランキングをもっと見る