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【特集】『メダロット9』は“人・熟練度・完成度”の全てが整った最新作に!その魅力をプロデューサーに聴いた

ロケットカンパニーの齊藤裕プロデューサーに直撃インタビューを実施。『メダロット9』の開発秘話からゲーム面の最新情報まで伺ってきましたので、お見逃しなく。

任天堂 3DS
【特集】『メダロット9』は“人・熟練度・完成度”の全てが整った最新作に!その魅力をプロデューサーに聴いた
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1997年に、シリーズの原点とも言える1作目がゲームボーイにてリリースされ、以来ナンバリングのみならず、多彩なシリーズ展開を実施してきた『メダロット』シリーズ。またコミカライズやアニメ化、トレーディングカードゲームなど、ゲームの枠を越えた活躍や発展もは遂げてきました。

そして12月24日に、シリーズ最新作となる3DSソフト『メダロット9 カブトVer./クワガタVer.』がいよいよ登場。本作では、新たな主人公機の登場や、謎めく存在として描かれているメタビー/ロクショウ、そして「トランスパーツ」実装など、シリーズファンにとっても見逃せないポイントが多彩に用意されています。

そこで、魅力のひとつひとつを更に深く伺うべく、ロケットカンパニーの齊藤裕プロデューサーに直撃インタビューを実施しました。『メダロット9』の開発秘話からゲーム面の最新情報まで詳しく伺ってきましたので、お見逃しなく。

◆メダル固定なのに育成のバリエーションは増加! 新要素「トランスパーツ」にも迫れ




──本日はよろしくお願いします。まずは読者の方々に向けた、自己紹介をお願いします。

齊藤氏:ロケットカンパニーの『メダロット』シリーズに関しては、プロデューサー兼「何でも屋」みたいな感じで関わらせていただいております(笑)。

──何でも屋でもあるんですね(笑)。それでは、『メダロット9』が立ち上がった時の経緯やエピソードなどから教えてください。

齊藤氏:まず『メダロット』シリーズは、出来るだけ長く続けていきたいという想いがあるシリーズなんです。

──長い歴史を持つシリーズになりましたよね。その気持ちが、最新作の立ち上げにも繋がったわけですか。

齊藤氏:そして今回の『メダロット9』に関しては、割と好きにやらせてもらえたという印象を個人的に感じています。会社的なコンセプトはもちろんありますが、ゲームの内容に関しては任せてもらえるような形でした。なので、僕自身が信頼できるスタッフを集めることができましたし、思い描いたコンセプトに近いものに出来たかなと思います。

──早くも嬉しい発言、ありがとうございます。それだけ任せてもらえたというのは、ファンの応援もあり、また『メダロット』シリーズが築き上げてきた信頼のおかげでもあるわけですか?

齊藤氏:そうだと思います。開発スタッフともよく話すんですが、「今回は“整った”な」という印象が強いですね。

──色々なことが噛み合った、という意味ですか?

齊藤氏:具体的な例を挙げると、新しいハードでゲームを作る時はどうしてもライブラリー解析などに時間やコストを割く必要があるんですが、本作の製作に当たっては、開発チームが成熟して“3DSでの”経験や技術も揃っていたというのがひとつです。

他には……前作『8』で根幹となるロボトルの部分で大幅なシステム変更という冒険をしたんですが、その手応えが充分に得られたため、ロボトルに関しては納得のいくレベルの下地が固まっていた状態だったんです。なので、この土台をベースに、これまで出来なかったことにチャレンジすることが可能になった――といったこともあり、“整った”と感じました。



──先ほど伺った“任せてもらえる”というのも含め、確かに“整った”という印象を受けます。では本作は、3DSという舞台で熟成を迎えた『メダロット』でもあるんですね。

齊藤氏:そう考えていただければ。

──それでは、“整った”ことで生まれた本作の魅力についてお聞かせください。まずは新要素「トランスパーツ」に関して、実装に踏み切った経緯などを伺えますか?

齊藤氏:メダロットファンの方々にとっては“あるある”になると思うんですが、過去作において「メダロットというのはどういうゲームなのか」を短時間で伝えるため、プロモーションビデオ上では演出としてロボトルにパーツを換装するというシーンが結構ありまして。しかし実際のゲーム上ではそういったシステムはなく、「できねーじゃねーか」と冗談半分にツッコまれることもありまして(笑)。

──そう思われる一面があっても、これまでは実装してこなかったわけですね。

齊藤氏:『メダロット』のコンセプト的に、戦闘中にパーツを換えるのはルール違反なんじゃないかというイメージが強かったんです。実を言うと、一人プレイの時は戦闘前にセッティングが変更できるという仕様を導入する時にも、結構物議を醸したんですよ。ですが実際にやってみたところ、面白さをなんら損なうことはなかったため、導入しました。

そして今回の「トランスパーツ」に関しては、正直に言うと「やってみよう」という試みやチャレンジといった部分が大きいですね。さきほどお話ししたように、ロボトルの完成度は『8』でかなり高いレベルに至ったと思っています。ですが『8』をユーザーさんがどう遊ぶかは、やはり実際に遊んでもらわないと分からない部分もありまして。

──確かにそうですね。

齊藤氏:実際に『8』をプレイしていただいて「こんな遊び方をするのか」というのが分かったので、その反応をフィードバックしたものが『9』のロボトルになります。それはこの「トランスパーツ」に関しても同様で、ユーザーさんにどんな風に遊んでもらえるのか、今から楽しみにしています。……あ、念のために付け加えておきますが、「トランスパーツ」の仕様がないと『メダロット9』のロボトルが面白くないのかと言われれば、決してそんなことはないのでご安心ください(笑)。



──はい(笑)。なるほど、新たな挑戦の一環なんですね。

齊藤氏:ちなみに本作では、チャージゲージを溜めることで効果が上がるパーツなどもありますが、そういったパーツはゲージが溜まる前は性能が低めなんです。なので、最初は普通のパーツで戦いつつゲージを稼ぎ、溜まったらチャージ系のパーツに換装して高い効果の攻撃などを繰り出す・・・といった戦略も可能ですね。

──その戦い方は、効果もある上に格好いいですね(笑)。メジャーな戦略のひとつになりそうです。ちなみに「トランスパーツ」以外で、大きく変わった点などはありますか?


齊藤氏:本作で変わった部分のひとつは、ユーザーインターフェースですね。長い間『メダロット』に関わっていると客観的に見るというのが難しくなっている面もあるので、今回のユーザーインターフェースに関しては外部の専任スタッフをつけて、UIに関して意見をもらったりデザインをお願いしたりしました。そのため、かなりいい感じになったのではと思います。

また操作性に関しても、より直感的で分かりやすくなり、そしてこれまで遊んでいただいたユーザーさんが混乱することもないような形に持っていけていると思います。

──新要素にUIと、期待が高まる話が続きますが、続いて育成部分に移らせていただきます。今回、メダルが固定といった変化もあり、またメダリアによる組み合わせなどもありと、特徴的な変化を迎えているように思います。この辺りに関しても詳しくお聞かせください。

齊藤氏:まずは、メダロッターに対して1メダルにしたというコンセプトからお話いたします。メダロットというのは、単純に人間とロボットの話というだけではなく、もう一歩踏み込んだ関係性が根幹にあると僕は思っていまして、そこをしっかりと描きたいという想いが今回特にあったんです。



これまでも「メダロットは友達だ」とシリーズ通して伝えてきましたが、お互いの友情や関係に関してまだしっかり描き切れていないのかなと気になっていまして。例えば、メダルには個性があるとしておきながらも、システム面では次々と入れ替えて使わないメダルが出てきてしまうというのは、ちょっとどうなのかなと思ったんです。

──しまい込んだままの友達がいると考えると、確かに切ないですよね。

齊藤氏:イベントとシステムが剥離している状態でもゲームは成立しますが、なるべくならリンクした状態をしっかりと表現したいなと考えまして、今回はメダルを固定にしました。そのため、物語としてはもちろんゲーム性の上でも、パートナーとメダロットの関係は描けてるんじゃないかなと思います。

──なるほど。

齊藤氏:そういった経緯で今回メダロット1体につき1メダルとしましたが、そうなると育成面で不安に感じる方もいるのかなと思います。

──探検部5人のパートナー分、つまり5枚のメダルしかプレイヤー側に与えられないとしたら、育成の幅が狭まるんじゃないか・・・という心配ですね。

齊藤氏:はい。ネットなどでもそういった懸念を見受けますが、この点に関してはご安心ください。まず、ちょっとネタバレになってしまいますが、過去作ではオプション的な位置づけだった「メダリア」が、本作ではストーリー・ロボトルにおいて、ともに非常に重要な存在となります。



──育成における核となる部分が、本作ではメダリアに当たるわけですね。

齊藤氏:メダリアにカスタマイズ性を割り振ったことで、メダルのバリエーションというのは逆に増えています。具体的に言うと、メダリアは最大3つまで装備することが可能で、また形状や色も様々なものが用意されています。そして、ここが重要なポイントなのですが、同じ形状のメダリアを3つ付けるとメダルの「リーダー効果」が変わり、同じ色のメダリアを3つ揃えるとメダルの「ロボトルスタイル」とサブの「メダフォース」が変わります。

──それぞれが持つ個性にも、大きな影響を与えるほどの効果がありそうですね。

齊藤氏:ええ、育てたレベルはそのままに全く別の性質を持つメダルに変化させることも可能ですし、中にはメダルの性別が変わってしまうものもあります(笑)。

──性別まで変わるんですか!?(笑)

齊藤氏:探検部の5人のパートナーメダルは、男3:女2という比率なんですが、男から女へと変更すれば、女だけのチームを組んで戦うことも可能となります。こういった特性もあるので、「メダルの数が少ないから、カスタマイズの多様性が減ってしまうのでは」と不安になっているユーザーさんには、むしろ逆ですと強くお伝えしたいですね。むしろ、カスタマイズ性をここまで深くする必要あるのかな(笑)と思うくらいのところまで掘り下げています。



──そんなにですか。どれだけのボリュームが用意されているのか、軽くでも構わないので教えていただけますか?

齊藤氏:メダリアの種類ですが、効果が120種類あります。で、それぞれに対して、属性が7種類、形状が17種類、色が6種類、スキルが6種類あり、単純な考えかたですが、これらをかけ算したものがバリエーションとなります。

──かなりの数ですね!

齊藤氏:メダリア合成を使えば、これらの要素を変化させたり強化させたり、またスキルを最大99まで成長させたりすることもできますので、カスタマイズの醍醐味をじっくり楽しんでもらえるかなと。ただもちろん、カスタマイズにがっつり取り組まなくても遊べるようなバランス取りにしてあるので、手軽に楽しむこともできます。

──カスタマイズの幅に関しては、まったく不安がないわけですね。ありがとうございます!

次ページ:物語は、ひたすら楽しく! 魅力的なキャラやメダロットとの繋がりを描く
《臥待 弦》

楽する為に努力する雑食系ライター 臥待 弦

世間のブームとズレた時間差でファミコンにハマり、主だった家庭用ゲーム機を遊び続けてきたフリーライター。ゲームブックやTRPGなどの沼にもどっぷり浸かった。ゲームのシナリオや漫画原作などの文字書き仕事を経て、今はゲーム記事の執筆に邁進中。「隠れた名作を、隠れていない名作に」が、ゲームライターとしての目標。隙あらば、あまり知られていない作品にスポットを当てたがる。仕事は幅広く募集中。

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