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カプコン、平成28年3月期第2四半期決算を発表 ― 家庭用ゲーム機タイトルが振るわず純利益は前年比減

カプコンは、平成28年3月期第2四半期決算〔日本基準〕(連結)を発表しました。

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カプコンは、平成28年3月期第2四半期決算〔日本基準〕(連結)を発表しました。

経済状況については、雇用環境や公共投資は堅調に推移したものの、中国経済の減速等に伴う輸出の減少や個人消費の低迷などによって景気が踊り場状態になっていると指摘。ゲームコンテンツ市場では、家庭用ゲームの成熟化傾向が続く中で、スマートフォンを主体としたモバイルゲームが熾烈な顧客争奪戦に入り、シェアが代わる代わる反転して明暗を分けつつも、勢力拡大により全体の市場規模が押し上げられていると分析しています。このような状況の中で、同社は市場動向に対応したプロモーション活動や開発、販売と密接に連携したマーケティング展開を推し進め、開発コストの低減や開発期間の短縮を図るため、外部委託の削減による内作比率の向上などによって、開発プロセスや収益管理の改善に取り組みました。

また、『デビル メイ クライ』と『戦国BASARA』のコラボレーション「舞台 戦国BASARA vs Devil May Cry」は、ユーザー層以外にも話題となり両タイトルの認知度向上に寄与。さらに、甲府市と『戦国BASARA』のキャラクターなどを使ったスタンプラリーや、「埼玉県立歴史と民俗の博物館」にて同キャラクターを起用した特別展「戦国図鑑-Cool Basara Style-」を共催するなど、地方自治体とのさまざまな協働により、同社の企業イメージや知名度を高めることができたとしています。

これらの結果、平成28年3月期第2四半期の連結業績は以下のようになりました。


◆平成28年3月期第2四半期の連結業績


【期間】平成27年4月1日~平成27年9月30日
※()内%表示は、対前年同四半期増減率

■売上高:316億3800万円(22.1%)
■営業利益:28億4400万円(△35.1%)
■経常利益:28億9100万円(△36.3%)
■親会社株主に帰属する四半期純利益:19億5100万円(△34.4%)

◆◆◆ ◆◆◆ ◆◆◆

セグメント別に見ると、デジタルコンテンツ事業では、PS4/PS3ソフト『戦国BASARA4 皇』が定着したブランド力から底堅い売行きを示しましたが、ニンテンドー3DSソフト『大逆転裁判 -成歩堂龍ノ介の冒險-』は、軟調に推移。一方で、リピート販売やダウンロード版が海外を中心に健闘しています。オンラインゲームは、PS4/PS3/PCソフト『ドラゴンズドグマ オンライン」』が好調なスタートを切ったほか、モバイルコンテンツではiOS/Androidアプリ『モンスターハンター エクスプロア』が配信開始されています。

アミューズメント施設事業では、市場停滞が続く中で、中高年者を対象にゲームの無料体験ができるゲームセンターツアーやサービスデーの実施に加え、低年齢者向けに「あそび王国ぴぃかぁぶぅ」や「キッズコーナー」の設置などの集客展開により客層の拡大に努めました。しかし、目玉機種の不足やスマートフォンなどユーザー層が重なる娯楽の分散化などにより弱含みに展開したとしています。当該期間は、1店舗出店、1店舗閉鎖により、施設数は33店舗となっています。

アミューズメント機器事業では、パチスロ機部門において、『バイオハザード6』が安定したファン層に支えられ、順調に販売台数を伸ばしたことにより売上高を押し上げて収益を下支えしたほか、9月に『アスラズ ラース』を発売しています。一方、業務用機器部門においては、『ルイージマンション アーケード』や、業務用として同社初となる音楽ゲーム『クロスビーツレヴ』を投入しています。


◆平成28年3月期第2四半期連結累計期間のセグメント別売上高


【期間】平成27年4月1日~平成27年9月30日
※()内は、セグメント損益

■デジタルコンテンツ:123億400万円(15億3300万円)
■アミューズメント施設:44億500万円(3億5500万円)
■アミューズメント機器:121億3200万円(25億5100万円)
■その他(キャラクターコンテンツ事業など):7億9500万円(2億5300万円)
■調整額:(△18億5000万円)
■四半期連結損益計算書計上額:316億3800万円(28億4400万円)

◆◆◆ ◆◆◆ ◆◆◆

当期の主力タイトルであるニンテンドー3DSソフト『モンスターハンタークロス』は「東京ゲームショウ2015」に出展した試遊コーナーに行列ができるなど来場者の注目を集め、11月28日の発売に向けて弾みがついているとしており、第3四半期にどのように影響を及ぼすか注目されます。
《津久井箇人 a.k.a. そそそ》
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