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【特集】話題のホラーゲーム『夜廻』開発者を直撃 ― ところが関係者が失踪、消えた彼らを探しに夜の街へ…

昨今のゲーム業界は厳しい状況も相まって、ヒット作の続編やシリーズ作品などがリリースされる傾向も色濃くなっており、意欲的な挑戦というのが難しい時代になってきたとも言えます。

ソニー PSV
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◆『夜廻』が生まれたきっかけは、日本一ソフトウェアの挑戦心にあり



──どのような立場で本作に関わっているのか、まずは読者の方々に向けた自己紹介をお願いします。

溝上氏:ディレクターとして『夜廻』の開発に関わっている、溝上侑です。元々はデザイナーでして、(本タイトルの)イメージボードやゲームで実際に使用しているグラフィックなども手がけており、多岐に渡って携わっています。

──メインビジュアルも担当されているんですね。

溝上氏:おばけとかは別の方なんですが、例えばパッケージであったり、主人公のキャラクターデザインなどは私の方で作成を行っています。あと『夜廻』の企画そのものも、私が出したものでして。

──それでは、企画された方のイメージが直接的にグラフィックへ反映されている、と考えてよろしいのでしょうか?

溝上氏:デザイナーさんに伝える時も、私のイメージを絵に起こしているので、しっかりと伝わったと思います。私自身グラフィッカーなので、ゲームの絵作りなどのすり合わせはより上手くいったかなと。

──デザイナー同士という利点も、『夜廻』が持つ独特の雰囲気を活かす一助になっていたわけですね。ホラーゲームは今も数多くリリースされていますが、今は写実的なグラフィックも多い中で、この『夜廻』の方向性は実に特徴的だなと感じました。


溝上氏:本タイトルのコンセプトとして、“幼い頃に誰もが感じた、夜の恐怖”というのが最初にあり、これをどう伝えるかを考えました。そして、デフォルメされたグラフィックで幼さを表現し、そこから生まれる「かわいさ」と「怖さ」のギャップでコンセプトを伝えられるのではという発想に辿り着いたんです。

そもそも『夜廻』が生まれたきっかけというのは、社内で行っている企画募集だったんです。“日本一ソフトウェア 企画祭”と呼ばれているんですが、ここで選ばれた企画を商品化させようというもので、『htoL#NiQ-ホタルノニッキ-』もこの“企画祭”から生まれました。

──なるほど。日本一ソフトウェアさんが頻繁に行っている新規IPへの挑戦には、そういった背景も一因としてあったんですね。

溝上氏:この“企画祭”は、例えば営業職や管理職の方、また新人からベテランまで、誰でも応募ができるという、ユニークなものでして。アイディア勝負で出した企画だったので、インパクトのある絵作りをしたかったというのもありますね。

──この“企画祭”で『夜廻』が選ばれ、開発が始まったんですね。

溝上氏:私は年次も低く、まだまだ未熟なんですが、それでもこういった形で表に出させていただく機会やチャンスが誰にでもあるというのは、実に有り難いお話です。

──日本一ソフトウェアさんの意欲的な姿勢が、『夜廻』に繋がったと。こういう形で新しいモノが生み出されるのは、一ユーザーとしても嬉しい限りです。

溝上氏:新しいタイトルもどんどん作っていきたい、というのがウチの姿勢ですから。

──では、その“企画祭”に出すために、さきほど仰った“幼い頃に誰もが感じた、夜の恐怖”をモチーフにしようと思った理由はなんでしょうか。

溝上氏:コンセプトの“夜の恐怖”というのは、誰でも体験しているものだと思うんですよ。なので、非常に高い共感を得られるのではないかなと考えました。見た目とホラーのギャップでより驚いてもらい、“夜の恐怖”で共感していただければなと。

──なるほど、その2つの魅力で『夜廻』が描かれるわけですね。ちなみに開発するに当たって、苦労された点などはありましたか?


溝上氏:まだ経験が浅いこともあり、初めてのことが多くて大変でした。あとは、『夜廻』は俯瞰視点となっているので、ともすれば代わり映えが少なくなってしまうので、ビジュアル作りに苦心しました。画面一枚でどれだけ魅力的にできるかが勝負だ、と思って挑みました。

──ゲームの視点としては、ちょっと引いてる感じなので、“恐怖”の演出も大変そうですよね。

溝上氏:加えて、ゲーム中は基本的にずっと夜なので、こういった制限の中でどれだけ「画面から伝わる面白さ」を出せるのかが苦労しました。特に“夜”の表現は、時間をかけて構築しました。

──昨今のホラーゲームは、一人称やそれに近い視点のものが多いですよね。特にコンシューマでは。

溝上氏:ホラーの盛り上げ方という意味では、3Dと比べると2Dは、やり辛い面もやはりありますね。でも、だからこそ『夜廻』では何ができるのかと考え、色んな手法を盛り込んでみました。

──では、2Dで表現するホラーゲームとして、手応えのあるものに仕上がったと?

溝上氏:はい。逆に、2Dじゃないと表現できない一作になったと思います。2Dならではの面白さをぜひ味わって欲しいです。
次ページ:注目度の高い『夜廻』、その本質に迫る

《臥待 弦》

楽する為に努力する雑食系ライター 臥待 弦

世間のブームとズレた時間差でファミコンにハマり、主だった家庭用ゲーム機を遊び続けてきたフリーライター。ゲームブックやTRPGなどの沼にもどっぷり浸かった。ゲームのシナリオや漫画原作などの文字書き仕事を経て、今はゲーム記事の執筆に邁進中。「隠れた名作を、隠れていない名作に」が、ゲームライターとしての目標。隙あらば、あまり知られていない作品にスポットを当てたがる。仕事は幅広く募集中。

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