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【E3 2015】スクエニの『Life is Strange』は“女子高生”の自分探し+超能力ADVだった

スクウェア・エニックスが章立てのデジタル配信で展開している『Life is Strange』を体験。自分探しをしている女子高生が超能力を使えるようになったというラノベ的展開です。

ソニー PS4
【E3 2015】スクエニの『Life is Strange』は“女子高生”の自分探し+超能力ADVだった
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いったい誰がキーマンなのか外部からは知るよしもありませんが(きっと誰かすごくこのジャンルが好きなプロデューサーがいるに違いない!)、二年続けて印象的なアドベンチャーゲームをE3に出展したスクウェア・エニックス。昨年の『MURDERED 魂の呼ぶ声』もゲームデザインとストーリー体験が絶妙にクロスした秀作でしたが、今年出展された『Life is Strange』も、それとはまったく違うアプローチで挑んでいます。

主人公は海辺の田舎町アルカディアベイで写真科に通う女子高生のマックス。先生から期待を寄せられるなど、才能はあるはずなのに自分に自信が持てず、無駄にグルグルしてしまいがちです。そんな彼女がなぜか「時を巻き戻す力」を習得してしまったところから物語はスタートします。「今こそエブリデイヒーローになる時」って、あんたに必要なのは写真の勉強やろ~。早く課題を提出しろ~! 



ゲームは3Dアドベンチャーで、ストーリーは謎の失踪を遂げた親友レイチェル・エンバーと、町に潜む陰謀の解明が縦糸。久しぶりに再会した幼なじみのクロエとの友情や、ドラッグに中絶といった校内の人間模様を横糸に進行します。なかでも髪を青く染め、タトゥーを入れてドラッグをキメる一方、内面の弱さを隠しきれないクロエはもう一人の主人公。レイチェルとも親友だったクロエは、マックスと二人で捜索に乗り出します。

実はマックスの超能力も、女子トイレで自己嫌悪に陥っていたときに偶然、理事長の息子ネイサンとクロエの口論を目撃。もみあううちにクロエがネイサンの拳銃で撃たれるシーンで発動するのですね。時を巻き戻したマックスは先生からの質問に完璧に対応して女子トイレに急行(誤った選択肢を選んでも、何度でも回答しなおせる)。機転をきかして非常ベルを鳴らし、クロエの逃走を間接的に助けることで、銃撃を「なかったこと」にしてしまいます。





もっとも、そんなに急に事態は進展しません。その後もイヤミなお嬢様(クロエの才能に嫉妬している感じ)にペンキ爆弾で仕返ししたり、彼氏の寝取り疑惑でもめる友人同士のトラブルを解消したり、小さなことからコツコツと((C)西川きよし)という感じで、チュートリアルを絡ませながら淡々と進みます。その後、先生にチクったことでネイサンに絡まれるマックスですが、間一髪でクロエの自動車に救われ、物語が本格的に進み始めるのでした。



このように本作の特徴はアドベンチャーゲームにありがちな「選択肢をやり直す」行為と、「時を巻き戻す」システムをうまく融合させ、それを中心にすべてが構成されている(ように見える)ところです。しかも時間を巻き戻せるのは直近まで(具体的にはセーブポイントまで)で、後になってからずっと前の選択結果が影響を与えることも。ゲーム的な都合とストーリー体験がうまくマッチしています。

これを象徴しているのが、全5章を1章ずつデジタル配信していくという、スクエニとしても初めてとなる連続ドラマ形式です。プラットフォームはPS4・Xbox One・PS3・Xbox 360・PCで、現在まで3章が配信済み。定期的なスパンをあけながら配信され、前の選択肢が気になっても、もう戻れない・・・。この「時を戻せるといっても、決して万能ではない」感じが流通形式から担保されるという、非常に実験的なゲームとなっています。

グラフィックも油絵調のテイストで、BGMもノスタルジックと、30-40代のプレイヤーに向けて郷愁をかきたてさせるのに十分な作り。マックスの外見もそばかす・痩せぎす・ダサめのファッションと、どこにでもいる女の子という感じです。映画『アメリカン・グラフティ』や、ドラマ『ビバリーヒルズ高校白書』の世界観に、少しだけSF風味をトッピングしたという感じでしょうか。すみません、わりと直球ストライクな内容で、ツボでした。



本作の開発はフランスのディベロッパー、Dontnod Entertainment。フランス人が作ったアメリカが舞台のアドベンチャーゲームという、ちょっと変わった作りになっています。実はこの会社、デビュー作の『Remember Me』でも女性主人公のアクションアドベンチャーを作り、パブリッシャー探しに難航したという逸話もあるほど(カプコンから発売、日本では未発売)。今回も懲りずに女性主人公で、きっとこだわりがあるのでしょう。

もっとも女子高生の自分探しに超能力をトッピングなんて、それ何てラノベというくらい日本ではありふれた設定ですよね。メタスコアも第1章が75点、第2章が78点、第3章が80点と右肩上がりで、すでに欧米圏では非常に高く評価されているシリーズです。もっとも最大の難点は日本語版が未定ということ。少なくとも国内のゲーム翻訳者が飛びつくこと必至の題材ですので、ぜひ同社におかれましては日本語ローカライズを期待してやみません。
《小野憲史》
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