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【そそれぽ】第100回:MMORPG初心者が『ドラクエX』を2年以上プレイしたよ!前編 ― 皆が気にするネトゲ不安を解消してみる

インサイドをご覧の皆さま、こんにちは。そそそ こと 津久井箇人です。皆さんのゲームライフを充実させるゲームプレイレポート、第100回を迎えました【そそれぽ】のお時間です。

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  • 『ドラゴンクエストX 目覚めし五つの種族 オンライン』タイトルロゴ

◆「オンライン不安」を解消してみる



そんなわけで、上記のようなことも含めて、『ドラクエ』がオンライン化することに対する不安は少なくないと思います。ネット上でネガティブな意見が拡散されるのは、このあたりにも大きな原因がありそうな気がするのですが、なかなか声を大にしてネガティブ意見を否定する機会もありませんでした。この項目では、筆者の実体験に基づき、そんな「オンライン不安」をひとつずつ解消していきます。

■『ドラクエ』は1人でじっくりやりたいんだよ!
 → 基本1人でやってます。

むしろ筆者の場合、レベル上げなんかは1人じゃないと落ち着かないぐらいです。粛々と経験値とお金を稼ぐために、効率の良い敵との戦闘を繰り返す・・・これってすごく『ドラクエ』らしい“パターン”ですよね。レベル上げした分、装備を整えた分、“自分”が確実に強くなって、強敵にも少しずつ勝てるようになっていくという段階を踏むのが好きで、これまで『ドラクエ』シリーズをプレイしてきたような気がします。

もちろん『ドラクエX』においてもこの“段階”は例外ではありません。少なくとも『ドラクエ』シリーズでそういう部分を楽しんでいた筆者としては、ある意味では“作業的”なこういった部分までオンライン的なアプローチが必須だったら、正直戸惑っていたと思います。

10月18日現在の『ドラクエX』のレベル上限は80(年内に85まで解放予定)。ここまで上げれば、通常のボスクラスの敵には1人+サポート仲間(酒場で借りてAIで勝手に動いてくれるほかの冒険者)という組み合わせでもまず負けません。エンドコンテンツに近い強敵と呼ばれるようなボスでも、鍛え上げたプレイヤーキャラクターならば、工夫を凝らせばギリギリ勝てるぐらいのバランスになっています。もちろんMMORPGなので、強敵との対決などは人とパーティーを組んだ方が有利な場合がほとんどです。それでも多くの部分で1人でも挑戦できるギリギリのバランスを保っているので、「MMORPG」=「絶対に人と絡まなきゃいけない」という固定概念は一度忘れた方が良いと思います。

■ほかの人と関わりたくないよめんどくさいよ!
 → ほぼ気にしなくてOK。

周囲には、他のプレイヤーがネットの向こうで操作しているであろう冒険者たちがたくさんいます。そういう人たちの存在や目線そのものが不安であっても、直接絡む必要が出てくる場面は、ほとんどありません。更に周囲のチャットを完全にカットできる「チャット非表示」機能や、ひとりプレイを満喫していることを示すアイコン表示もあり、周囲からすれば、そこまでしている人に対してわざわざ絡みに行こうなんて発想には99.9%なりません。

万が一、何か絡むことが必要な場面があっても、大体「ジャンプ」を「ぽーん」と1回すればOK。「ジャンプ」ボタンはマジで万能です。ジャンプひとつが状況に応じて「オーケー」や「ありがとう」、「申し訳ない」の意味にもなります。これでコミュニケーションが成立しちゃうんだからホントに便利。ちょいって「ジャンプ」の仕様を入れようって決めた堀井雄二氏が天才すぎです。

■それならオンラインにする意味がないじゃん!
 → 常に変化する世界は楽しいです。

バザーで売られているもの価格や量、酒場に登録されているプレイヤーの職業などなど、そういった他のプレイヤーの冒険の影響を間接的に受けるのはオンラインゲームならでは。時流の変化から受けるオンライン独特の体験はかなり面白いです。そのときどきに流行りがあったりして、常に世界が変動しています。これだけでもオンラインであることの意味を十分に味わえると思います。

例えば、自分がバザーに出品したものは他の冒険者が買ってくれます。これまでの『ドラクエ』のように、店に売るぐらい気軽な感覚でOK。そこらへんで拾った「やくそう」ひとつでも、必要な人がいれば買ってくれます。相手は欲しいものが手に入り、自分はお金が手に入る、まさにWin-Winな関係。こういった見知らぬ誰かと直接は全く関わることく、間接的にやりとりすることで双方が恩恵を受けるというのは、MMORPGというジャンルだからこそのものです。

ただ、バザーで言えば、例えば株価のように流行り廃りによって値段が変動するので、“買い時”と“売り時”があります。あのとき買っておけばお得だった・・・あのとき売っておけばお得だった・・・そんな時流を読むのも楽しいです。新情報ひとつで、装備やアイテムの相場が一気に変わることもあります。本当にアイテムの売買だけで儲けを出すことのみを楽しんでいるプレイヤーもいるようですよ。

■月額がー!課金がー!
 → 月1000円で約3000時間楽しんでるので総じて安上がり。

筆者の場合、2年2か月で維持費として累計約26,000円を支払っている計算(無料期間があったのでもう少し安いはず)になります。仮に、1本のゲームを5,000円で買って100時間遊べるとすれば、3,000時間楽しもうと思ったら30本程度購入する必要があります。となると、150,000円程かかり、『ドラクエX』の3000時間と比べるとその差、約124,000円。つまるところ、ハマれば超安いということです。もちろんゲームをプレイする本体やソフトの代金を加味する場合、多少ズレて来ますが、『ドラクエX』に限らず、どんなゲームでも“ハマって長くプレイするほど相対的に安く感じる”という図式が成り立つワケです。

その点『ドラクエX』の場合、もしハマらなければ最初に必ずある無料期間内、月額プレイ料金が発生する前にやめてしまえば良いのです。そうすれば、普通のゲームを1本買ったのと同じです。特にリスクはありません。もちろんペナルティもありません。更に言えばPC版であれば製品版にデータ引き継ぎ可能な体験版もあります。

有料課金アイテムなどを購入して冒険の攻略そのものが有利になる要素はほとんどありません。あっても、かなり遠回しに、仲間モンスターの育成が少し楽になるとか、レアアイテムの入手確率が少し上がるとか、その程度。プレイ料金以外に余分な課金なんかしなくても全く問題ないです。したい人がすれば良いし、したいと思ったときにすれば良いのです。

◆◆◆ ◆◆◆ ◆◆◆

ここまでネガティブ要素の排除ばっかりしていますが、SNSをはじめとするネット上には、プレイもせずにオンライン化しただけで拒否反応を起こしてしまうシリーズファンは少なくないです。筆者も、そもそも「オンラインゲーム」を偏見の目で見ていたので、その心理はよ~く理解できます。でもやってみると(もちろんゲームによりけりでしょうが)、不安な部分の大半は恐怖心から来る妄想だったというのが、筆者なりのひとつの結論です。


◆その上で、ドラクエXをプレイしたくなる点を挙げてみる



ネガティブ要素を排除してきましたが、ポジティブな要素もたくさんあります。この項目では『ドラクエX』の特にポジティブな要素を取り上げてみたいと思います。

■俗にいう「相撲」は『ドラクエ』式コマンド戦闘の発展形
基本はコマンド選択式の戦闘ですが、プレイヤーキャラクターはバトルフィールド内を自由に移動することができます。その際、敵そのものを押したり、足止するために身体を張ったりできることが、ほかのゲームにない『ドラクエX』の戦闘の最大の特徴です。「戦士」など前衛が「魔法使い」などの後衛を守るという構図を、シンプルにキャラクターを動かすだけで体現でき、非常にわかりやすいです。操作も、要するに動いて押すだけなので超簡単です。「おもさ」のステータスも相まって、『ドラクエ』のコマンド戦闘を一歩深いものにしてくれました。

この「相撲」にはオンラインゲームとしてすごい技術が使われているのですが、説明は難しいので省略!オンラインで各プレイヤーの細かな操作の同期を取るためにものすんご~いデータ処理をしているらしいのですが、技術的なことは疎くてうまく説明できません(汗)。ひとつ言えるのは、今後こういった超技術とアイデアを活かしたゲームは『ドラクエ』規模のゲームでしか出せないかもしれないということです。

■グラフィックは『VIII』の発展形
広大な世界を8頭身のキャラクターが冒険を繰り広げたPS2の『VIII』から、2~3頭身のグラフィックにDSで発売した『IX』で失望してしまった人も少なからず多いと思います。そのあたり、どこまでも広がる美しい世界と8頭身のキャラクター(さまざまな種族)が、表情豊かに、活き活きと動き回る『X』のグラフィックは、『VIII』の正統進化系と言って差し支えないと思います。装備の見た目が反映される点は『IX』の要素なので、『VIII』をベースに『IX』の“いいとこ取り”して進化したといった感じです。

特に、プレイヤーキャラクターやモンスターの細かなモーションは全シリーズを通しても圧倒的に高い完成度を誇っています。来春発売予定のPS4/PS3のアクションRPG『ドラゴンクエストヒーローズ』のキャラクターも『X』のモーションをベースに開発しているそうで(ソースはニコニコ生放送「ドラゴンクエストX TV」での青海亮太プロデューサー・小笠原賢一プロデューサーの発言)、あんなに美麗なグラフィックを表現するPS4向けのゲームの、しかもアクションゲームで通用する『X』のキャラクターモーションは一見の価値あり。基本はコマンド入力式の戦闘にも関わらず、凝ったモーションとそれに見合ったエフェクトのおかげでプレイしていても非常に爽快です。

■Ver.2の物語は『ドラクエ』史に残るレベル
MMORPGと聞くと、シナリオやストーリーが単調になるイメージがありますが、そこは『ドラクエ』。物語はしっかり『ドラクエ』してます。笑いあり、涙ありの短編的ストーリーの連なりによって構成される連続的な物語は、近年の『ドラクエ』ナンバリングシリーズに近いものになっています。現時点でまだ完結していない「Ver.2」に広がる世界や物語に関して言えば、非常に『ドラクエ』らしくも“新しいもの”になっていて、オンライン/オフライン関係なく『ドラクエ』ファンにこそプレイしてほしいシナリオがガッツリと展開します。新しい“勇者像”を描くとともに、そこに関連するシナリオ群もまた素晴らしく、『ドラクエ』シリーズ史上に残る名シナリオと言ってしまうプレイヤーも多数いるほど。もちろん、物語をどう感じるかは人それぞれですが、筆者も「Ver.2」に関しては、シナリオの展開が非常に楽しみでプレイしています。

「Ver.3」以降も開発チームが「メインシナリオ」と呼んでいる大河的物語は描かれていくわけですが、「Ver.2」の展開を見ると、シナリオ・ストーリー面にも大きな期待を寄せたくなります。ネタバレに該当するので詳しくは語れませんが、プレイヤーキャラクターは非常に自由に、さまざまな世界を行き来できるような設定も持っているので、今後はこれまで以上に自由に、いろいろな世界を冒険して、我々にいろいろな風景や物語を見せてほしいと思います。

■シリーズの音楽、モンスター、キャラクターが多数登場
すぎやまこういち先生が作る音楽は、ゲーム中ほぼオーケストラ音源で流れます。『X』オリジナル楽曲はもちろん、歴代シリーズの名曲もさまざまな場面で多数流れてくるので、『ドラクエ』シリーズファンにはたまらんのです!“あの曲”で戦う過去の『ドラクエ』シリーズの強敵も、“あの曲”だからこそテンションが上がりまくりなのです!ミニゲームの釣り(超ハマります 笑)で流れる『VII』の戦闘曲とか、毎回本当に滾って困ります(笑)。

このほかにもゲストとしてシリーズのキャラクターがちょこちょこ登場しています。あくまでも筆者の個人的な印象ですが、開発陣はまだまだゲストを“出し惜しみしている”感がありますよね(笑)。最新の配信クエストでは、『III』でおなじみ、あの「カンダタ」なんかも登場したりして、ドタバタが繰り広げられています。今後も、まだまだいろいろなゲストが登場してくれると思いますよ!

◆◆◆ ◆◆◆ ◆◆◆

あえてナンバリングで出した意味はプレイした人にしかわからない

だから「ネトゲだから嫌だ」と思っている『ドラクエ』ファンの人は、Windows版の体験版だけでもぜひプレイしてほしいです。本当に勿体ないと思っています。筆者自身、そもそも「ネトゲ嫌い」でしたし、今も総じて「ネトゲ嫌い」は変わらないのですが、『ドラクエX』だけは安心してまったりとプレイすることができています。それも2年2か月もの期間に渡って。それって、けっこうすごいことだと自分でも驚いています。体験版なりをプレイした上で、肌に合わなかったらやめましょう。そのときにはSNSなりに文句やダメな部分を書き殴りましょう。「ネトゲ=ダメ」とプレイする前に判断を下したり、ネットのレビューをあてにしてプレイを敬遠してしまうのは本当に勿体ないと思っています。



さて、ここまででもかな~り長いのに、ここまでで前半終了です。なんと言っても今回は記念すべき100回目ですからネ!内容もたっぷりでお届けしたいと思います。後半は、筆者自身の『ドラクエX』の2年2か月を振り返っていきますよ!

それでは、後半へ続く!!


(C)2012-2014 ARMOR PROJECT/BIRD STUDIO/SQUARE ENIX All Rights Reserved.
(C)SUGIYAMA KOBO


■筆者プロフィール
津久井箇人 (つくいかずひと) a.k.a. そそそ
愛内里菜らに楽曲提供をし、VOCALOID音楽のクリエイターとしても有名な作・編曲家。ゲームを紹介するブログ記事が評価され、2011年からINSIDEでライター活動を開始。レトロゲームから最新ゲーム、戦略SLGから格ゲーまで、幅広いジャンルのゲームをプレイする。
Twitter:@sososo291
ブログ:sososo activity
《津久井箇人 a.k.a. そそそ》
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