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【TGS 2014】『ワールド エンド エクリプス』時代の先を見据えてきたプロデューサーにインタビュー!ユーザーの行動に応じたTRPG的な試みから、幅広く楽しめる仕組みまで

たった一匹の“暴帝”と全ての竜が千億の昼と夜に渡り激しい戦いを続け、その果てに竜の種族は滅びを迎え、また星の命も極限まで枯れ果ててしまいます。そんな世界を生き抜いてきた人類の「今」を描くのが、『ワールド エンド エクリプス』です。

ソニー PSV
【TGS 2014】『ワールド エンド エクリプス』時代の先を見据えてきたプロデューサーにインタビュー!ユーザーの行動に応じたTRPG的な試みから、幅広く楽しめる仕組みまで
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たった一匹の“暴帝”と全ての竜が千億の昼と夜に渡り激しい戦いを続け、その果てに竜の種族は滅びを迎え、また星の命も極限まで枯れ果ててしまい──そんな世界を生き抜いてきた人類の「今」を描くのが、『ワールド エンド エクリプス』です。

PC/iOS/Android/ PS Vita向けオンラインゲームとしてリリースを予定している本作は、穢れた大地を逃げ出した人類の、竜の骸の上を安息の地とすべく行う「開拓」と、襲い来る魔物を退ける「戦闘」の2点をゲーム性の中心に置き、独特の視点からなるオンライン要素の醍醐味を加える意欲的なタイトルです。

まだ発表されたばかりの本作ですが、それだけに本作の内容をより詳しく知りたい方も多いことでしょう。世界背景の一端を明かすプロローグムービーが東京ゲームショウで公開され話題を呼びましたが、本作のプロデユーサーを務める本山真二氏に直撃インタビューを敢行し、更なる本質へと迫ってみました。

セガに入社して12年を数える本山氏はこれまでも多彩なタイトルに関わってきており、至近のタイトルとしては『戦場のヴァルキュリア』シリーズなどが代表作となります。そして本作の元となる構想は、その入社当時に遡るほど以前から温め続けたアイデアとのこと。そんな開発秘話から本作の魅力、そして展望などを、快く本山氏が明かしてくれました。


──本作の構想をかなり以前から温めていたと伺いましたが、どれくらい前からでしょうか?

本山氏:セガに入社した当時ですね。(ゲーム業界的には)PS2が出てLAN接続も可能となり、これからはオンラインで繋がるのが当たり前だと言われつつあった頃に、本作の核となる着想を得ました。

──セガさんのオンライン関係で言えば、『ファンタシースターオンライン』でコンシューマーのオンラインゲームに注目が集まり始めた頃ですね。

本山氏:そうです。しかし当時はまだ、オンラインゲームの主戦場と言えばパソコンでした。またそのプレイスタイルも、パソコンの前でじっくりと腰を据え、長時間遊ぶというものが基本的でしたよね。そのスタイルを、例えば社会人で続けるのは、なかなか大変じゃないですか。

もちろんそうすることで得られる楽しさもありますが、「(オンラインゲームが)いつでもどこでもプレイできたらいいのになぁ」とか「家ではこのデバイスで、外ではこっちのデバイスで遊べたらいいのに」と思いまして、オンラインゲームをもっと身近に楽しめるようなアイデアを当時考えまして、それが本作のベースのひとつになっています。

あと、(同期型の)オンラインゲームを楽しむには、プレイする相手と同じ時間に繋がなければいけない面もあって、しかしいつも時間の都合がつくわけじゃない。少し間が空くと入りづらくなりますし、それでタイミングを逃すと更に繋げなくなってしまい、そのままやめてしまうこともあります。そういうことがないよう、非同期でも楽しめるような作り方はできないかなという構想も、最初の段階からありました。

──家と外でデバイスを切り替え、どこでも楽しめるオンラインゲームという構想を、12年も前に発想していたんですか!

本山氏:ユーザーさんのライフサイクルは変化してくるだろうなという直感はありまして。その変化の中で、どうしたらオンラインゲームを遊んでもらえるのかなと考えました。

──12年も前に想定していた未来が、今訪れています。まさに先見の明です。

本山氏:たまたま勘が当たっただけですけどね(笑)。それと、12年前にこの構想を形にしなくてよかったなと思っています。セガはよく、「10年早い」と言われますから(笑)。

──当時形にしていたら、どうなっていたと思いますか?

本山氏:うまくいかなかったでしょうね。環境面もそうですし、デバイスといった面でも。今が一番いい時期だと思います。


──オンラインゲームと一口に言っても月額課金制やパッケージ有料というスタイルもあります。本作が、基本無料というビジネスモデルを選んだ理由はなぜでしょうか?

本山氏:最初から基本無料と決めていたわけではありませんが、割りと早い段階からそのスタイルがいいのかなと考えていました。月額のスタイルは「腰を落ち着けて遊ぶゲーム」と相性がよいと思っています。そして本作のような「いつでもどこでも、遊びたい時に遊ぶ」というタイトルは、逆に言えば「遊びたくない時には遊ばなくていい」わけです。そして基本無料なら、「遊びたくない時」にユーザーさんへ負担を背負わせることはありませんから。

──確かに、例えば月額課金なら、遊んでも遊ばなくてもユーザーさんは一定額を支払うわけですしね。

本山氏:遊んだ分、楽しんだ分に応じられるような関係が築ければなと思います。


──第一報の段階では「竜同士の戦いにより星が枯れ果てる」とあったので、てっきり竜たちが無秩序に、もしくは複数の勢力に分かれて戦ったのかと思っていたのですが、実はたった一匹の「暴帝」がその他全ての竜に刃向かったんですね。

本山氏:どういう設定にしようかなというのはあったんですが、最初に考えたのは「街を作りたい」ということでした。しかし、街を作るゲームは沢山ありますし、何か変わった味付けをしたいと考えた時に、街を作る土台を竜の骸にしようと着想しました。そしてオンラインゲームとして遊ぶ場合、大勢のユーザーさんが繋ぐため、その骸は無数にないととても足りない。じゃあなんでそんなに骸があるんだと突き詰めた時に、よりインパクトのあるものを選び、今の形となりました。

──ゲーム性と設定を積み上げていった結果が、「人類が安住の地として、竜の骸の上に根を下ろす」という形に結実したわけですね。ちなみに今の大地はとても人類が住めない状況かと思いますが、どのような有様なんですか?

本山氏:赤い色の月から瘴気が降り注がれており、その汚染により動物が魔物化したり、モンスターがより凶暴化しています。今の大地はそういった危険もありますし、瘴気そのものの影響も受けるため、人が生きるのは厳しい環境です。ちなみに竜の骸には力が宿っているため、瘴気の影響を受けません。

──なるほど。竜の骸の上で生活するしかないわけですね。ちなみに、ユーザーひとりにつき竜の骸がひとつ、と考えていいのでしょうか。

本山氏:それもありますし、その骸の資源を掘り尽くしてしまったら、別の骸に引っ越しをしなければなりません。新たな骸を見つけ、そこを開拓し、新しい街を築き上げていくことになります。なお竜の骸にも大きさや形に違いがあり、始めは小さい骸からスタートし、徐々に大きな骸へと移ることになります。

──引っ越しできるんですね! では、開拓という内側の楽しさだけでなく、未知の世界で新たな骸を見つける外側の楽しさも味わえますね。

本山氏:そうですね、世界の拡がりというのも大事にしたいと思っています。


──「あなたはこの世界の成り立ちを目の当たりにする」との一文が公式サイトにありますが、世界の本質に迫るようなストーリーが本作の中で展開されるのでしょうか。

本山氏:はい。謎の多い世界なので、そこを描いていかねばと思います。

──大地はとても住めない世界ですし、印象深くもあり象徴的でもある「月」が頭上にありますから、いずれは「上」へと向かう展開などが起きるのかなとか、つい想像してしまいますね。

本山氏:その辺りは、ユーザーさんが妄想を膨らませてくれれば嬉しいですね。劇場型RPGとなる本作は、TRPG(テーブルトークRPG)におけるゲームマスターとプレイヤーの関係に則っている部分もありまして、ユーザーさんたちの行動や方向性をアクションとして捉え、その動きに対するリアクションとなる形でゲーム内に反映させていくつもりです。

──それも、リアルタイムに変化していけるオンラインゲームならではの遊び方ですね。自分の行動が、ささやかながらも世界に影響を及ぼせるというのも嬉しいですし。この他に、本作を開発するに当たって心がけた点などありますか?

本山氏:プラットフォームをできるだけ多くしたいという思いはありましたね。家でじっくり遊ぶにはPCで、外で遊ぶ時にはスマートフォン、そして両者の間に位置するPS Vitaという方向性で、それぞれのプラットフォームに対応すべく開発を進めています。スペックでいえばPCが最強ですが、PS Vitaやスマートフォンでも快適に楽しんでもらえるようにするつもりです。

──マルチプラットフォームでの展開は、当初から予定されていたんですか。

本山氏:自分の中では、始めのうちから決めていました。ただ会社の方からは、当時はまだ理解してもらえなかったところもありまして。なので「まずはPC向けに開発しますよ」と言っておいて、スマホやPS Vitaへの対応も考えつつ進めていました。

──確信犯的ですね(笑)。

本山氏:そうこうしていたら、後日会社から「スマホでも出せないか?」と言われたので、その時に「出来ますよ」と答えたことで一気に道が開けましたね(笑)。いずれそういう話が来るだろうなとは予想しておいたので、言われた時に作り直してロスを発生させるよりも、先回りして制作に当たっていました。会社に内緒でやっていたので、怒られるかなとも思ったですが、幸い怒られずに済みまして(笑)。

──この時もまた、先見の明だったわけですね。

本山氏:先見の明とは言っても外れることもありますが、ゲームの制作というのはどうしても時間がかかるものなので、リリースされる時期を予め見据えて考えています。

──作り始める時に求められているものではなく、作り終える時に求められているであろうものを想定する、と。

本山氏:はい、それは常に意識してますね。



──本作は基本無料のアイテム課金型ですが、どのような方向性の課金を考えているのでしょうか。

本山氏:現段階で話せることとしては、ざっくりとした説明になってしまいますが、たとえば武器の元となる竜鱗は購入できるようにする予定です。ですがそれは、あくまでオプションとして考えており、最上級の武器の元となる竜鱗は、ゲーム内でしか手に入らないようにするつもりです。

──最上級のものは買うことができない、と。

本山氏:ゲームをプレイし、その目標に向かって努力していただくことで手に入るものになります。楽しんで努力してもらう、または工夫して進んでもらいたいので、(最上級の入手に関しては)お金でゴールできるような形は考えていません。やはり、ゲームはゲームとして遊んで欲しいんですよね。ビジネスモデルが変わったからといって、何もかもを変える必要はありませんよね。「面白いものをプレイしてもらって何が悪いんだ」という気持ちです(笑)。

──しっかりと方向が定まった開発が進んでいるわけですね。そんな本作を、ユーザー側にどのような形で受け止めてもらえると嬉しいですか?

本山氏:先ほどお話したとおり、物語をある程度ユーザーさんたちのアクションに委ねていくつもりなので、こちらが用意するミッションなりシナリオなりに対して、「これはこういう風にしていこうぜ」と自主的に発言してくれたら嬉しいですね。

──それは、プレイヤー側がアプローチの手段をいくつか選べると思っていいんでしょうか。

本山氏:そうですね。まだ詳しいことは言えませんが、色んなアプローチを通して関わって欲しいと思っています。例えば、ユーザーさんが共有するようなシナリオについて、個々の方々が「どう行動したのか」「どのミッションをクリアしたのか」といったデータを集計して結果に反映させて世界が変わっていく、などをしていきたいなと。

──他のプレイヤーさんたちに声をかけることで、より大きく世界に影響を与えるといった遊び方もできそうですね。

本山氏:世界も変えていけますし、他のユーザーさんにも影響を与えていけるような形にできればなと考えています。オンラインゲームにはよくあることですが、そのゲームを始めたばかりの人が、その世界に影響を及ぼすのってどうしても難しいですよね。

──確かに。

本山氏:例えば、「○○というボスを倒せ」と言われても、始めたばかりでは倒せないんですよね(笑)。ですが、街を開拓して資材を手に入れることは可能ですし、その流れが世界に影響を及ぼす仕組みがあれば、始めたばかりの方でも「その時できる楽しさ」に面白味を見出してもらえるんじゃないかと思っています。

逆に言えば、最前線でボスと戦っている人たちだけがシナリオの決定権を握っているわけではない、というところに持っていきたいですね。もちろん、長く遊んでくださる方々が楽しめるコンテンツも大前提ですが、新たに始める方が楽しめる要素も考えています。世界の歴史を作るのは、強い人たちばかりではありませんから。



──今日は多彩なお話を聞かせてくださり、ありがとうございます。それでは最後になりますが、本作を待ち望んでいる方々に、メッセージをお伝えください。

本山氏:本作は完全新作として立ち上げるタイトルとして、根本的なところからユーザーさんのモチベーションを刺激することはできないかとの発想からスタートしています。様々なプラットフォームで遊べたり歴史に影響を及ぼせるなど、様々な要素を今詰め込んでいるので、まずはクローズドβテストに応募していただいてこの世界を直接体験していただき、その魅力に触れてもらえるとありがたく思います。

──今後の続報を、楽しみにお待ちしています。

『ワールド エンド エクリプス』は、今冬サービス開始予定。価格は、基本無料のアイテム課金制です。

(C) SEGA
《臥待 弦》

楽する為に努力する雑食系ライター 臥待 弦

世間のブームとズレた時間差でファミコンにハマり、主だった家庭用ゲーム機を遊び続けてきたフリーライター。ゲームブックやTRPGなどの沼にもどっぷり浸かった。ゲームのシナリオや漫画原作などの文字書き仕事を経て、今はゲーム記事の執筆に邁進中。「隠れた名作を、隠れていない名作に」が、ゲームライターとしての目標。隙あらば、あまり知られていない作品にスポットを当てたがる。仕事は幅広く募集中。

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