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PS Vitaの躍進に「レッツ貢献」なるか? 『フリーダムウォーズ』悲喜こもごも

初週約19万本という好スタートを切ったPS Vita『フリーダムウォーズ』。ところが、プレイしているユーザーからは「難しすぎる」と悲鳴が飛び出し……? PS Vitaを代表する一作となれるか、「共闘学園」期待のルーキーに迫ります。

ソニー PSV
本作はTPSとしての一面をもっと前面に出してよかったのでは……などと思いながら、筆者はやっとコード4まで上がりました
  • 本作はTPSとしての一面をもっと前面に出してよかったのでは……などと思いながら、筆者はやっとコード4まで上がりました
  • プレイヤーたち咎人が持つ力、荊による多彩なアクションも魅力の1つ。攻撃、防御、移動とその用途はさまざまです
  • 「シビリアン(市民)奪還ボランティア」では、敵を倒すのは二の次。共闘ゲームの先駆者である『モンハン』で例えるなら、卵運搬クエストといったところでしょうか
  • 5種類から選べる操作系統も、本作がハンティングアクションとは毛色が異なるゲームであることを示しています。「シュータータイプ」で銃を使えば、TPSを遊んでいる気分に
  • 名前こそ変更不可ですが、ゲーム開始後も主人公&アクセサリの見た目を性別の段階からクリエイトし直せるのはうれしいところ。たまに性別を変えたりすると新鮮な気持ちが味わえます
  • 「レッツ貢献!」なる名言を生み出した作中のマスコットキャラ、プロパくん。音声合成ソフトウェアが声を当てているので、独特のイントネーションがまた耳に残ります
ソニー・コンピュータエンタテインメントジャパンアジア(SCEJA)から6月26日に発売されたPS Vita『フリーダムウォーズ』が、初週約19万本という大変上々な滑り出しを見せました。ですが、いざ発売されると「ゲーム後半が理不尽なくらい難しい」との声が多数のユーザーから上がり、ポータルサイト内のオフィシャルブログでは発売5日後にして吉澤純一プロデューサーが「難易度の調整を検討する」と発表する事態に。PS Vita期待の新作は本体の普及に「レッツ貢献!」できるのでしょうか?

◆「共闘学園」期待のルーキー


PSPとの互換がないPS Vitaの普及を促進させるためにSCEJAが打った手は協力プレイができるアクションゲーム、"共闘ゲーム"の魅力を前面に出すことでした。そうしてリリースされた『討鬼伝』や『ソウルサクリファイス』は、どちらも約20万本と見事な売り上げ。その後も共闘ゲームは続々リリースされ、これらのタイトルはPS Vitaの共闘ゲームの楽しさを伝えるHP「共闘学園」でフォローされています。その学園に最近名を連ねたのが、SCEJA自らが満を持して贈る『フリーダムウォーズ』です。

本作は頭脳労働で人類に貢献できない者は生きているだけで罪を背負う「咎人」となるというディストピアを描くSFモノ。そんな世界設定や、剣や槍を手にしてのハンティングアクションライクな接近戦、銃火器によるTPSライクな中~遠距離戦、そして攻守だけでなく高速移動手段としても活躍する多彩な「荊」アクションを使い分けての戦闘が楽しく、体験版で高評価を獲得(※期間限定であったため現在は配信終了)。そしてついに発売日をむかえ、前述した見事な売り上げにつながりました。

◆共闘ゲーム≠ハンティングアクション


ところがいざ製品版が出ると「ソロで遊んでいるとゲーム後半がとにかく難しい」と冒頭で述べた通りの悲鳴が続出。体験版では分からなかった一面が、発売前の高評価に水を差す形となってしまいました。ですが、ネット上の反応を見ていると「難しい」という一方で「考えてプレイすればクリアできる難度」という声も見られます。これは個々の腕前の差もあるのかもしれませんが、本作を「ハンティングアクション」としてとらえているか、「近接戦闘もできるTPS」としてとらえているか、というところにも理由があるように思えます。

人同士の争いを描く本作では、敵方にもプレイヤーと同じ攻撃手段を持つ「咎人」が多数登場します。彼らは銃火器で武装していることも多いので、そういう時はこちらも銃に持ち替えて応戦するか、仲間に適宜指示を出して処理を任せる……などで対処をする必要があります。ハンティングアクションだと思うとついつい自分1人で突出してしまいがちですが、実は本作は多対多の集団戦をするTPSという趣きも強く、共闘ゲームとしてプッシュした結果、そうしたイメージが伝わりづらくなってしまったのではないか、と思います。作中で印象的なセリフに「レッツ貢献!」というものがありますが、まさにこの言葉の通り、独力で勝利を引き寄せようとするのではなく、チームの一員として勝利に「貢献」した方が、難関ボランティアは達成しやすくなるかもしれません。

とはいえ、ほかにも荒削りな感が否めないところも散見され、ネット上ではそうしたところへの修正・見直しを求める声も見られます。開発スタッフが難易度だけでなくそうした声もどこまで拾ってくれるかで、今後の評価が定まっていくことでしょう。最初からダイヤモンドが出てくればそれが一番ですが、本作も磨けば光る原石であるという印象です。今後PS Vitaを代表する一作となってくれるか、「レッツ注視!」といきましょう。

(C) 2014 Sony Computer Entertainment Inc.
《蚩尤》

汎用性あるザク系ライター(が目標) 蚩尤

1979年生まれのファミコン直撃世代。スマホゲームもインディーズも大型タイトルも遊びますが、自分と組ませてしまって申し訳ないという気持ちやエイミングのドヘタさなどからチーム制のPvPやFPS、バトロワが不得手です。寄る年波…! ゲームの紹介記事に企画記事・ビジネス寄りの記事のほか、アニメなど他業種の記事もやれそうだと判断した案件はなんでも請けています。任天堂『ガールズモード』シリーズの新作待機勢。

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