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【E3 2014】未来の大作へ向け布石を放つエレクトロニック・アーツ プレスカンファレンス現地レポ

エレクトロニック・アーツは現地時間の6月9日の午前12時から、ロサンゼルスのShrine AuditoriumにてE3 2014へ向けたプレスカンファレンスを実施しました。

ソニー PS4

エレクトロニック・アーツは現地時間の6月9日の午前12時から、ロサンゼルスのShrine AuditoriumにてE3 2014へ向けたプレスカンファレンスを実施しました。日本標準時では午前4時からということで、Microsoftのメディアブリーフィングに続き目をこすりながら見ていたユーザーも居ると思われますが、今回は改めてブースから直で見たEAカンファレンスの模様をお伝えします。

会場となったShrine Auditoriumは過去に火災で1度建て直されたものの100年以上の歴史を持ち、かつてアカデミー授賞式の会場として使用されていたこともあるロサンゼルスの巨大イベント会場。プレスカンファレンスでは1階に丸形テーブルが敷き詰められピザやコークなどの軽食が無料提供され、また2階からも立ち見ができるなど、カンファレンスでは珍しくちょっとした会食パーティーのようなスタイルが採用されていました。(なおSCEのカンファレンス開催前には昨年に続き盛大な飲食パーティーが催されたが、これは会場内ではなく前のスペースで実施された)




■開幕は『Star Wars Battlefront』の開発映像

まず先陣を切ったのは昨年のE3で発表されて以降、特に表立った情報が出ていなかった『Star Wars Battlefront』新作の開発舞台裏を追う映像。1人のトールパーとして戦い時にはジェダイの強力な力を振るう大規模マルチプレイヤー対戦ゲームの最新作は、『Battlefield』で知られるEA DICEが開発を担当しています。DICEは『Star Wars』の広大なユニバースを知りつくすため、『Star Wars』の資料をスタジオに招き入れるだけでなく、さらに映画オリジナルの撮影舞台を自ら来訪。環境の資料としてだけでなく、ある種の感情が換気されたとも映像中にて伝えています。ゲームの製作はDICEに加え本家本元である映画シリーズを手掛けてきた業界のベテランLucas Filmと共同で制作が進められているとのこと。映像内にて登場した数点の心踊る初期モデリング映像を除けば、残念ながら今回もまともなゲームフッテージは登場なかった『Star Wars Battlefront』ですが、一方で改めて2015年の春に最新情報を届けることが告知されました。「Do.Or do not. There is no try.」。

若きCEOのAndrew Willson氏が登壇し、同社が新世代へ向け創造性や革新と新たなアイディアをもたらすとコメント。その担い手の1つであるスタジオBioWareの『Dragon Age: Inquisition』と新規IPの登場を予告します。Microsoftのメディアブリーフィングから続けての登場となった『Dragon Age: Inquisition』は、女性演奏手による弦楽器の荘厳な演奏と共に同作の舞台となる広大なオープンワールドから多様なロケーションが披露。また次々と操作キャラクターを変更し様々なスキルを駆使してHigh Dragonと戦う戦闘シーンや、個性豊かなパーティーメンバーのリストが公開されました。BioWareが自ら開発中と伝えていた『Mass Effect』新作がついに公の場に登場し、前作のシェパード3部作を脱却する新たなヒーローとユニバースが強調されたほか、"コンセプト的なプロトタイプ"の映像が登場。また『Mass Effect』シリーズを指揮してきたCasey Hudson氏が改めて広大なワールドを有する新規IPを開発中であると伝え、スタジオ全体で3本のタイトルが同時進行していることを明らかにしました。

■期待の新作たちとやはり目玉の『Battlefield』

『The Sims 4』のゲームプレイ解説に続き『UFC』のブルース・リー対戦映像。また『NFL 15』や『Madden NFL 15』および『FIFA 15』とお馴染みのEAスポーツの面々が並ぶ中で、根強いファンが居るスタジオの新規IPと待ち望まれたシリーズ新作がそれぞれ登場しています。『Burnout』シリーズを手がけたことで知られるCriterion Gamesは、エクストリームなレーシングやスポーツを予感させる謎の新規IPを披露。ハッシュタグの「#BEYODCARS」を見るに車に限らないオープンワールドエクストリームスポーツゲームを期待してしまうところですが、残念ながらタイトル名など含めその詳細は語られていません。また先日よりティーザーイメージが登場するなど動きのあった『Mirror's Edge 2』がついに登場。クールな衣装を着飾ったフェイスのアートワークと、コンセプト段階のプロトタイプが披露されています。

ほかにも『Battlefield 4』のマップ「Paracel Storm」でのゴルフプレイを披露し会場を沸かせた『PGA Tour』や、昨年からすでに1年以上のテストが実施されているMOBA『Blackgate』の開発舞台裏映像が登場したものの、やはり会場に居た人々の反応や発表内容を見ても今回Electronic Artsプレスカンファレンスの目玉となったのが『Battlefield Hardline』。『Dead Sapce』のVisceral Gamesとシリーズを手がけてきたDICEが開発する同作は、国家間の戦いを描いてきた過去作とは全く異なる警察と犯罪者の戦いを描いたシリーズ内でも異色の作品。6分間のマルチプレイヤーデモでは、ここ近年の『Battlefield』シリーズのシステムやメカニックをベースにしたゲームプレイと、様々なガジェットが登場し目まぐるしく展開が変わっていくハイテンポハイスピードな事件劇が描かれました。同作についてはまた別の記事でも詳しくお伝えする予定ですが、筆者が個人的に気に入ったのはジップラインを使用した移動とタンクローリーの自爆シーン。最後の捕縛シーンでは会場が大いに湧き上がり、続いて登場したドーナツのジョークシーンがその勢いに飲まれたほどでした。





なお同作ではPC/PS4向けクローズドベータの受付開始が発表され、また会場内では1階スペースの垂れ幕で隠されたスペースに実はPS4向け『Battlefield Hardline』デモが存在したというサプライズも。イベント終了後はプレイを求める人々が押し寄せ、ものの数分で席が埋まっていました。

■プロトタイプ公開が続く新作たち、来年以降の布石に

『Battlefiled Hardline』や『Dragon Age Inquisition』、『The Sims 4』やEAスポーツタイトルといった2014年発売のタイトル、加えて新作たちを披露していったElectronic Arts。一見例年通りの枠にはまったプレスカンファレンスながらも、新作が発売日未定かつまだ開発初期であると伺えるものばかりだったという傾向は興味深い点として残ります。開幕の『Star Wars Battlefront』に始まり、『Mass Effect』やCriterion Gamesの新作および『Mirror's Edge 2』はいずれも"Conceptual Prototype"や開発初期であることが伝えられているのです。

ひとまず開発が順調に進んだとしても、これら期待の新作たちは少なくとも2015年後半以降の登場が予想されるところですが、この次世代機が登場してから2年以降という微妙な時期に、エレクトロニック・アーツがどのプラットフォームへこれら未来へ続くであろう大作を投入するのかはまた興味深いところとなります。悪く言えば新作たちはまだ始まったばかりで何もお見せできるものがない、良く言えば未来へ向け大爆発を起こす可能性がある布石をいくつも放ったとの印象を受けた、EAのE3 2014プレスカンファレンスでした。
《Game*Spark》
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