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【RETRO51】「須田剛一×佐藤大=ゲーム第一世代」による「ノーコン・キッド」特濃対談

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【RETRO51】「須田剛一×佐藤大=ゲーム第一世代」による「ノーコン・キッド」特濃対談
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ゲームデザイナー須田剛一とレトロゲームを探訪する連載企画「RETRO51」。過去の企画では、閉店してしまった老舗ゲームセンター渋谷会館を訪れたり、『源平討魔伝』や『アウトフォクシーズ』といったレトロゲームを紹介してきました。

新年一発目となる今回は、2月4日にDVD Box/Blu-ray Boxが発売をむかえたテレビ東京のドラマ『ノーコン・キッド~ぼくらのゲーム史~』の原案・脚本を担当された佐藤大氏との対談です。アニメ『交響詩篇エウレカセブン』の脚本などで知られる佐藤氏ですが、過去には田尻智氏が結成した伝説的なゲーム系同人サークル「ゲームフリーク」にも所属。近年ではカプコンの『エクストルーパーズ』のシナリオを担当するなど、ゲーム業界にも縁が深い人物です。

『ノーコン・キッド~ぼくらのゲーム史~』で描かれた、90年代クラブカルチャーとゲームの関わり、こだわりにこだわった基盤、スコアボード、ポスター、そして有名プレイヤーたち。テレビ東京の五箇公貴プロデューサーにも同席いただき、「須田剛一×佐藤大」という組み合わせだからこそできたコアな対談をお届けします!

ゲーム好きにとって夢のような企画



インサイド:
この対談のきっかけは須田さんがドラマの主役と同年代で、佐藤大さんとぜひとも話をしたいということでした。

須田:
そうなんです。主役の渡辺礼治(演・田中圭)くんと同年代なんです。

インサイド:
佐藤大さんは69年、須田さんは68年生まれですよね。そして主役の3人、渡辺礼治、高野文美(演・波留)、木戸明信(演・浜野謙太)の三人も68年。これは佐藤さんがご自身と同じ年代を取り上げたということですか?

佐藤:
そうなっちゃいまいしたね。「ぼくらのゲーム史」と書いた以上、本当はもっと昔のことも扱いたかったんですが。

須田:
もともとどういった経緯でこの企画はスタートしたのですか?



佐藤:
10年くらい前からゲームセンターを舞台にした青春モノの映画を作りたかったんです。79年から84年までの話で、風営法で24時間のゲームセンターが終わる日を映画のエンディングにするという企画でした。それで映画会社やテレビの人に企画の話をしていたのですが、誰も興味を持ってくれませんでした(笑)。

でもその10年間でにわかに『ゲームセンターCX』という番組が人気を集め、ようやくゲームに注目してくれる人が出てきたんです。そこでテレ東の五箇さんを紹介されました。さらに『ゲームセンターCX』のブレーンを務める酒井健作さんも紹介され、最初はみんなでひたすらネタ出しをしていました。

五箇:
僕もテレ東の中では深夜番組でサブカル的なものを手がけてきました。なので企画をいただいたときは「もうやるしかないでしょ」と思いました。というのも僕もゲームが大好きなんです。最初に買ったのがぴゅう太でしたね。

須田:
ぴゅう太~(笑)。なつかしいですね。

五箇:
実家も商売をやっていたので、PC-98の8インチディスクの脱衣麻雀などがありました。ゲームセンターにも通っていましたので、この企画は夢のようだと思いました。

ゲームだけではない!90年代カルチャーが込められた作品



インサイド:
では、まず須田さんから『ノーコン・キッド』の感想を伺いたいと思います。

須田:
最初からとても面白かったです。同タイミングでテレビ東京さんでは『東京トイボックス』のドラマも始まり、ゲームを題材とした作品が次々と出てきました。『東京トイボックス』にはガンホーグループが協力していますが、『ノーコン・キッド』を見たらもう面白くて止まらなくなりましたね。佐藤さんが関わっていることもあり、ゲームへの愛が半端ない。また舞台となる「ゲームセンターわたなべ」がまさに僕らの世代のゲーセンなんですよ。

佐藤:
ありがとうございます。須田さんみたいな人に嫌われたら終わりだと思っていたので、何よりです(笑)。

須田:
愛が満ち溢れていましたね。特に第6話で礼治くんがマリオになってクラブイベントにスーパーファミコンを届けるエピソード。あれはアガりましたね!「俺もこうやってお姫様を助けたい!」と思いました。実際に佐藤さんがああいったイベントをやっていたのかなと思いました。

佐藤:
波留ちゃんみたいなお姫様はいなかったです(笑)。ただ90年代初期に「東京ゲーマーズナイトグルーヴ」というイベントをやっていました。当時、音楽を担当したまりんこと砂原良徳さんとも一緒に遊んでいました。僕はそのころ田尻智さんが始めたゲームフリークでライターをやっていましたが、田尻さんとまりんと三人でゲームの基盤を探しに行ったりしていましたね。あの当時、基盤で遊ぶというのが仲間たちの間で流行っていたんですよ。このRETRO51の企画にも似ていますね(笑)。

須田:
RETRO51の先祖ですね(笑)。基盤で遊ぶのは恍惚となります。

佐藤:
そうですね。「東京ゲーマーズナイトグルーヴ」はそれをクラブに持ち込んで遊ぶといったイベントでしたね。基盤をコントロールボックスに直接挿して、むき出しのまま使っていましたが、それがまたカッコよかったですね。

須田:
むき出し、イイですね~!



佐藤:
あの回には当時のクラバーたちを呼んで、僕とまりんも当時のステレオタイプというユニットで1カットだけ出演しています。ドラマ内のイベントロゴも電気グルーヴやWIREでVJをやっている和田一基さんに頼みました。

須田:
贅沢ですね。これはDVDを買うしかない。

インサイド:
ゲームだけではなく、90年代のカルチャーへのオマージュでもあるんですね。

佐藤:
そうですね。当時のクラバーたちも、衣装を貸してくれたり、ブレーンになってくれたり協力してもらっています。

トータルのアートディレクションを手掛けているのは、草野剛くんです。彼も当時のイベントで知り合いました。まだ学生でしたが、Nendo Graphicsというグループでゲームをモチーフにしたグッズを作っていたんですが、今回は公式でそういったデザインをしてもらいました。本人も喜んで参加してくれて、DVDのジャケットや番組のアイキャッチ、主役3人のドット絵なども草野くんが担当しています。

「ゲームも役者!」ビンテージゲームを「出演」させる苦労



佐藤:
基盤にこだわっているのは、もともとゲームセンターを描きたくて始めた企画だからです。出来る限り、本物の筐体と本物の基盤でやりたかったからです。

須田:
『ゼビウス』はオリジナルのものを使っているんですよね?

佐藤:
そうですね。あれはモニタも昔のナムコの純正です。そのため撮影中に煙が出るといったトラブルも頻発しました。30年もののレストアカーを走らせているようなもので、なかには撮影中にお亡くなりになる筐体や基盤もありました。ドラマ中に「故障中」という張り紙が貼ってある筐体は、本当に故障したものです(笑)。

須田:
そういったトラブルもまたリアリティを作っていますね。

五箇:
30分くらい撮影が止まると、現場からは「なんだよ」っていう声が出てきます。そういった不満の声が、ドラマ内のゲームを手配しているbar 16SHOTSの安倍理一郎さんやUNDERSELLの大塚ギチさんに集中して、最初は険悪な雰囲気になってしまいました。でも次第にスタッフにも「古い機械はそういうものだ」っていうことが理解されていきました。

佐藤:
当然、役者をもっと撮ってくれという声はあるんですが、企画の段階から「ゲームも役者です!」と声を大にして言ってきました。それこそもう往年の大女優。

須田:
なるほど。メインキャストと同列にそれぞれのゲームがあったわけですね。

五箇:
欲を言えば、もっとゲームを出したかったです。監督によってはやはりドラマを撮りたがります。でもそういった姿勢を尊重しながらも、なるべくゲームに焦点を当ててもらいました。結果としては、バラエティがある感じに仕上がったと思います。

須田:
確かに毎回、異なる監督の個性が出ていました。

佐藤:
監督によって、こだわる部分は様々でしたが、僕が出したいゲームはすべて出せました。最初の回に『ゼビウス』を、加えて『スーパーマリオブラザーズ』と『バーチャファイター2』は必ず出したいと思っていました。

任天堂からマリオの許可が出たときは、嬉しくて真夜中に監督の石田雄介さんに電話しました。脚本は完成していましたが、許可が降りなかったら作りなおす必要がありました。いちおう代理の台本も用意していましたが。

インサイド:
大女優の出演が決定する前に脚本を二通り書いておくみたいな話ですね(笑)。



須田:
マリオが登場したことはとても大きいです。というのは、ディズニーの『シュガー・ラッシュ』にもマリオは登場しないからです。ある意味『ノーコン・キッド』はディズニーを超えたと言えますよ!

佐藤:
いやいや(笑)。でも『シュガー・ラッシュ』はすごく悔しかったですよ。なぜなら、あの作品もゲームへの愛情がすごく伝わってくるじゃないですか。「日本ではどうしてこういう作品は作れないのか!」というのが本当に悔しくて。

須田:
そうなんですよ!僕も日本でゲームを題材にした映像作品が登場しないのは、まだまだ力が足りないのかなと思っていたんです。そこに『ノーコン・キッド』が登場したので、すごく嬉しかったです。あのマリオを口説き落としたわけですし。

五箇:
もともと佐藤さんは「アーケードだけでやりたい」と言っていて、そこに酒井健作さんが「絶対コンシューマも入れるべきだ」と主張したのです。結果、マリオやドラクエなど超有名作にもスポットが当たりました。でも中には『キメラビースト』などマニアックなタイトルも登場させ、僕らの意図を伝えようとしました。

佐藤:
『トリオ・ザ・パンチ』が普通に動いているときは、感動しましたよ(笑)。あれはbar 16SHOTS安倍さんのチョイスです。他にもゲームセンターのミカドさんやナツゲーミュージアムさんたちにも協力してもらいました。

想像以上のこだわり!本物のゲームプレイにスコアボードからポスターまで



佐藤:
「ゲームも役者」であるのと同様、当時のプレイヤーにも出演してもらっています。

須田:
本物のプレイヤーのプレイを撮影したということですか?

佐藤:
そうですね。例えば、『ゼビウス』のソルをブラスターでバババと破壊したり、『ファンタジーゾーン』でラスボスまで辿り着いたり、役者の方はできないわけですよ。そのため16SHOTSに当時のゲーマーの方を手配してもらいました。

須田:
そうなんですか!

インサイド:
まるでスタントマンみたいな仕事ですね。実際にネット上の資料などにも登場したプレイヤーの名前がクレジットされていて、ちょっと感動しました。『バーチャファイター2』の回のプレイヤーはすごく豪華ですよね。

佐藤:
あの回は有名プレイヤーがたくさん出演しています。新宿ジャッキー、池袋サラたちなど。ドラマの中の「三天王」という設定も当時の「バーチャ四天王」が元ネタですね。『鉄拳』クリエイターの原田勝弘さんもサングラスをかけてこっそり映っています。

五箇:
あれは原田さんの実話にもとづいています。バーチャファイターがすごく盛り上がっていた頃、『鉄拳』にはなかなか人が集まりませんでした。そんな中、原田さんはアーケードの隅で一人で『鉄拳』をやっていたそうです。

佐藤:
だから原田さんはサングラスの下で泣きながらプレイしているんですよ(笑)。

インサイド:
あとコンシューマの『トゥルー・ラブストーリー』にもプレイヤーがいるんですよね。

佐藤:
そうですね(笑)。他にも『ドラゴンクエスト2』もロンダルキアへの洞窟の手前までプレイヤーにやってもらっています。『パックマン』は安全地帯に入るテクニックがドラマの中で使われていますが、あれはちょっと間違えると死んでしまうんですよ。そういった演出も本物のプレイヤーがいて成立するわけです。

インサイド:
本当にスタントマンのような存在ですね。ゲームプレイのスタントマンが今後、登場してきたら面白いですね。

佐藤:
ドラマでゲームが登場するといっても、普通はオープニング画面とかその程度です。『ゲームセンターCX』では有野課長という天性のヘタウマゲーマーを見守るのが面白いのですが、『ノーコン・キッド』はスーパーゲーマーの話なのです。そこで当時のゲーマーに協力してもらいまいた。

須田:
元トップアスリートを集結させた感じですね。

佐藤:
そうなんですよ。しかもみんな40歳以上だったりするので、体が温まるまで時間がかかるんですよ。「おかしいなー俺、昔できたのになー」って(笑)。バーチャのプレイヤーたちもノッてくるまで時間がかかりましたが、少しずつ当時の技が出せるようになりました。

須田:
ガチのバトルになったりしなかったんですか?

佐藤:
やっていましたよ。トッププレイヤーの同窓会みたいな雰囲気になりましたね。

インサイド:
今後は逆に役者が本気でゲームをマスターして「ノースタントで撮りました」というのも見てみたいですね。

佐藤:
そうですね。役者陣もプレイヤーにいろいろ教えてもらい上達していました。実際にスタントマンなしでやったシーンもあります。波留ちゃんも『パックマン』の最後のシーンは自分でプレイしています。田中圭くんも最終的に『バーチャファイター2』はクリアしていました。KID役の浜野謙太くんが一番ゲームが下手なんですよ。スーパーゲーマーという設定なのに、三人の中で一番下手(笑)。バーチャもボコボコにされています。DVD中には役者陣が実際にゲームをしている映像も収録されています。ちなみにドラマに出てきたスコアボードもよく見るとちょっとずつうまくなったりしているんですよ。

須田:
本当ですか?



佐藤:
最初は全クリしたくらいのスコアが、次の回ではカンストしてたり。あれも当時のハイスコアを安倍さんたちが思い出して書いていったんです。「所沢のスコアラーだったらこのくらいかな」と。新宿のキャロットやスポット21だったらもっとハイスコアだったんですが、時代と場所に合わせてスコアボードを書き換えました。

インサイド:
大リーグマニアが監修するハリウッド映画の時代考証みたいですね。

佐藤:
そうですよ。実際にそういうことを気にする人も見るじゃないですか。

インサイド:
「この時代にはまだ攻略法が確立していなかったから、このスコアはありえない」とかいうツッコミですね。

須田:
想像以上のこだわりですね。

佐藤:
あとはポスター。高木夏美さんという方から借りて、それを撮影して印刷したものを使用しています。『シティコネクション』や『ディグダグ』、『アルカノイド』のポスターなんかは僕らも当時欲しかったやつです。だから最初見た時はみんなはしゃいでいました。ワンカットしか映っていないものもBlu-rayやDVDで確認して欲しいです。

五箇:
ブックレットにはポスターの図版があるのでそちらも見ていただければ。

須田:
本当ですか。これはもう買うしかないですね。

インサイド:
資料的な価値も高そうですね。

「ゲーセン」というオルタナティブな社交場



佐藤:
あと普通の人にはどうでもいいことかもしれないですが、当時のシューターと格闘ゲーマーという対立はどうしても描きたかった。格闘ゲームの大ブームでシューターが疎外感を感じたり、ゲームセンターの雰囲気が変わっていったり。

インサイド:
僕はシューティングが好きなんで、あのエピソードは非常に印象的です。ただ一般の方には理解されるのかまったくわからないですね(笑)。普通の人にとってはゲーセンにいるやつなんてみんな一緒だと思うじゃないですか。

佐藤:
そうなんですよね。撮影現場の人にも伝わらなかった。

須田:
でも明らかにシューターと格闘ゲーマーは種族が異なっていますよね。格闘ゲームが登場して半年くらいで、急にゲームセンターの雰囲気が変わっていきました。

インサイド:
ちなみにお二人はどっち派だったんですか?

須田:
僕はどっちかといえばシューター派でしたね。完全に下手くそシューター。

佐藤:
僕もそうですよ。下手くそシューターでした。

須田:
金を入れまくってコンティニューでクリアしていました。ドラマでKIDがやっているみたいに筐体にコインを積んで。

佐藤:
あのエピソードも自分の体験に基づいています。フィルムケースにコインを入れてカシャカシャとして積み上げる。どうしてもフィルムケースじゃないと嫌だった。

須田:
あれは本当に東京で流行っていたんですか?

佐藤:
東京ではなく、埼玉の田舎の方でした。僕は狭山市出身で暴走族なんかが遠征に来る地域のゲーセンに通っていました。あのフィルムケースでコインを積むのは、当時の僕がやったら怒られていましたね。「連コするな」って。でも不良がやっているのを見て憧れていました。

須田:
あれはなぜかかっこいいですよね。僕は地方出身で長野市なのであの文化はなかったです。ただ長野にも攻略ノートの文化はあって、ドラマのように『ドルアーガの塔』の攻略もどんどん書き足されていきました。後は、小学生の頃たまにヤンキーがお金をくれましたね。見ているだけの子どもに「なんだお前やりたいのか」って。ああいうヤンキーはかっこよかったな~。

インサイド:
今と比べてゲームセンターは大人の場所というイメージが強かったと聞きますが、子どもにとってゲームセンターにいる大人はかっこいいものだったんですか?

佐藤:
かっこよかったですよね。

須田:
うまい人はヒーローでしたよ。



佐藤:
いわば、ただの不良とオタクの交差点だったわけです。

須田:
そうですね!絶対同じ空間に居合わせない人が同居している場所。クラスなんかではまったく別の人種でもゲームセンターでは交流するみたいな。

佐藤:
教室では絶対話しかけてこない不良が「そこにアイテムが出るんだ」とか口にするんです。そう言われるのがうれしくて。だからこそゲームを頑張っていました。

インサイド:
なるほど。学校とは異なったコミュニケーションがゲームセンターではあり得たわけですね。

佐藤:
その通りです。その後、ゲームはいろんなかたちで悪者にされて、弾圧されてきました。でも僕はこのドラマを通じて、ゲームを良いものとして、ゲームを通して友達ができることを描きたかったんです。そもそも自分がそういう人生を送ってきて、四十過ぎたわけなんです。でも、それがダメなことなのかというのとそうじゃない。

須田:
素晴らしい!やっぱり肯定したいですよね。

佐藤:
当時は東京にも足を運びました。町田にキャバレーの跡地にできたキャッスルというゲームセンターはすごかったです。『ゼビウス』の頃は本当に噂が噂を呼んでいました。その時にいっしょに遊んでいた奴らがゲームフリークのメンバーになったんです。なので、その頃の人間関係はドラマの三人にかぶりますね。波留ちゃんみたいな女の子はいませんでしたが(笑)。

須田:
女の子は本当にいなかったんですよね。

佐藤:
いなかった(笑)。いたとしても中森明菜みたいな雰囲気の子が……。

須田:
彼氏の横でタバコ吸っている感じですよね。ピリッとして近寄れない。半径2メートルくらいの危険ゾーンに入るとカツアゲされるみたいな。

佐藤:
「飛んでみろ」って(笑)。なので最初の脚本には女の子は登場しませんでした。でもさすがにドラマということで女の子も登場させました。他にも当初の脚本とは変わった部分はいろいろありましたが、最終的にテーマが絞り込まれたと思います。

須田:
そうですね。閉ざされた空間だけに密度が濃い人間関係が描かれていると思います。

佐藤:
ありがとうございます。結果論ですが、本当に「ゲーセンが主役」のドラマになったと思います。ゲームセンターわたなべを取り壊す時は泣きそうになりました。撮影は1ヶ月半くらいだったんですが、まるで30年一緒に過ごしたゲーセンが潰れるような気持ちです。

須田:
もったいなく感じますよね。そのままテレ東さんに営業して頂きたいです(笑)。

「ゲーム第一世代」と現在



佐藤:
ドラマではいろいろと省略してしまいましたが、この後のゲームの歴史にも弾幕シューティングやFPSといった様々な盛り上がりがありました。それらもぜひとも扱いたかった。

インサイド:
ちなみに同世代のお二人なんですが、ゲームの歴史的に「何世代」に当たると思いますか?僕は81年生まれなので「ファミコン-スーファミ世代」だと思っています。そうすると佐藤さんと須田さんは「ビデオゲーム第一世代」に当たるのではないかと。

須田:
それは間違いなく第一世代ですね。

佐藤:
新しいものが出てきた時、すべて一つずつ喜んでいましたからね。それこそLSIゲームの頃から。

須田:
丸い形をしたパックマンとか。

佐藤:
コンシューマゲーム以前の5インチディスクとかゲームウォッチとかすべて体験してきました。

須田:
全部大好物ですよ。男の子のスイーツです!

佐藤:
そうですね(笑)。それらのゲームを通過して、現在はFPSを楽しんでいます。今は死ぬほど洋ゲーが好きなんです。だからGame*Sparkは大好きですよ。最新の洋ゲーの情報が載っていますから。取材のオファー来た時、うれしかったくらい。

インサイド:
それはどうもありがとうございます。

須田:
今はFPSをプレイするんですか?

佐藤:
去年一番プレイしたのは『Far Cry 3: Blood Dragon』。『Far Cry 3 』ももちろん大好きです。あとはもうRockstar GamesやGearbox Softwareには就職したいくらい好き。アメリカのアニメフェスに呼ばれた時は頼み込んで、発売前の『Borderlands2』をプレイさせてもらい、テキサスのGearbox Softwareに行ってきました。今は『Titanfall』をプレイしたくたまらないです。制作陣が『Call of Duty 4: Modern Warfare』のチームと聞いていますが、そうやってクリエイターを追っかけてゲームをやるのが好きですね。

須田:
好きなミュージシャンと同じですよね。

佐藤:
そうそう!

須田:
業界人としてうれしいです。

インサイド:
普通にコアなゲーマーですね(笑)。

佐藤:
でもシューターがFPSにハマってヘッドショットを決めるのは正統進化だと思います。だからKIDは最終回ではバリバリのPCゲーマーになっていて、3面モニタで『Battlefield 4』とかプレイしているというのもやりたかったんですけど。

須田:
ではそれを続編でお願いします(笑)。そして、またRETRO51にもゲストで登場してください!

インサイド:
そうですね。ぜひともまたご一緒にお話させてください。今日はありがとうございました!
《今井晋》

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