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【ガチレポ!】第10回 感染者が…くる!没入しすぎて息が止まりかけたシビアな大人向けサバイバルゲーム『The Last of Us』を怖がりがプレイ

みなさんこんにちは、Amiです。夏ですね、ホラーの季節です。皆さんホラーはお好きでしょうか。私はリアルでもゲームでもこういうのはめっきりダメで、ホラーゲームは体験版すら(怖すぎて)クリアできない事がままあります。

ソニー PS3
主人公ジョエル
  • 主人公ジョエル
  • ヒロインであり、相棒である少女エリー
  • 建つのは廃屋のような建物ばかり。こんなトイレ、怖いです
  • 聞き耳中は壁に隠れた敵も感知できる。じっくり進もう
  • 先に進めなくなったら、ハシゴなどの足場を探してみましょう
  • な、なんだこれは・・・
  • 暗闇から突然荒ぶる感染者が!!クリア断念が頭をよぎったシーンのひとつ
  • ガラクタを集めれば火炎瓶などが作れる。工作中も時間は流れたまま
みなさんこんにちは、Amiです。夏ですね、ホラーの季節です。皆さんホラーはお好きでしょうか。私はリアルでもゲームでもこういうのはめっきりダメで、ホラーゲームは体験版すら(怖すぎて)クリアできない事がままあります。

一言で怖いといっても、人によって怖さを感じる条件が違いますよね。暗さが怖いのか、雰囲気が怖いのか、はたまた音か、脅かされるのが怖いというのももちろんあります。なんとか耐性をつけようと苦心していた私ですが、それももう過去の話となるかもしれません。

というわけで、第10回目はホラー要素をバッチリ含んだ新作タイトル『The Last of Us』。脳に寄生する病原菌によるパンデミック後のアメリカを舞台に、自らの生存をかけて戦うサバイバルアクションアドベンチャーゲームの紹介です。


■複雑な人間関係が絡んだストーリー
物語の主人公となるのは、娘を亡くしてしまった中年の男ジョエルと、とある秘密を身に秘めた逞しい少女エリーです。

オープニングはまるで映画のワンシーン観ているような巧みな演出が見事。映像の美しさは言うまでもありませんが、キャラクターの顔立ち、表情、日本語吹き替えもナチュラルで、一瞬でゲームの世界に引き込まれてしまいました。

王道なストーリーの中に織り込まれるヒューマンドラマも見ものの一つです。最初は互いに対して素直になれないジョエルとエリーですが、危険な旅を共にするうちに関係性が少しずつ変化。複雑な感情変化が描かれ、2人の今後が気になってしまうストーリーとなっています。


■高い没入感を演出するリアリティ表現
本作の開発会社はあの大作ゲーム『アンチャーテッド』シリーズを手掛けたことで有名ですが、本作には『アンチャーテッド』にあるような高い身体能力をもったキャラクターは登場しません。
ジャンプ力も低いですし、手が届かないような高い段差に登る際は、ハシゴや何らかの足場を見つけてくる必要があるなど、総じてリアルで、よりシビア。しっとりとしたゲーム展開が特徴です。

地味で面倒そうに思うかもしれませんが、本作はグラフィックやイベントシーンなど見た目で感じるリアリティと、実際にキャラクターを動かして感じるゲームプレイのリアリティの度合いがほぼ同等で違和感がないのです。
イベント時と操作時で違う印象を受けるタイトルも多い中でこれは意外と新しく感じましたし、没入感という面においても一役買っているように感じます。


■女は強し!ヒロインと共に生き残れ
プレイヤーはジョエルを操作しながら、相棒のエリーとともにストーリーに沿ってシームレスなフィールドを探索していきます。フィールドでは、病原菌に感染してゾンビかクリーチャーのようになってしまった感染者たちや、軍の兵士、ならず者が登場。
銃、あたりに落ちているガラクタも有効活用しながら、戦ったり避けたりして進んでいきましょう。

また、プレイ中は「聞き耳」を立てることで周囲の敵がハイライト表示されるようになっています。マップ表示のない本作では聞き耳はかなり便利で、ありがたい機能としてお世話になるはず。ただし、聞き耳は音を聞いて居場所を探る能力なので、完全に息を潜めてじっとしている敵は表示されない事があるので気をつけてください。

エリーはヒロインでありながらも、しっかりと戦力として協力してくれる心強い存在です。普段は主人公のそばでひっそりと身を潜めて邪魔にならないようにしてくれますが、いざ戦闘に突入すると逞しい相棒へと早変わり。プレイヤーが敵に襲われていれば横からビンなどを投げて助けてくれますし、時にはアイテムを見つけてきてくれることも。ゲームが進めばさらに積極的に参戦してくれるようになります。


■緊張感たっぷりのゲームバランス
バトルはステルス要素の強いTPSタイプになっています。
正面から戦うも戦わず突破するもプレイヤーの自由ですが、敵の数に対していかんせん物資が少なく、主人公の身体能力も高くありません。体力の自動回復はなく、アイテムを使った回復にも時間がかかるため、一時に複数に攻め込まれると、全て同時に圧倒していくのは非常に難しく、死の危険が常につきまといます。

崩壊の一途をたどるこの世界では、必要な消耗品も全て現地調達でまかなうことになります。
銃の弾薬は貴重品で、多くても銃ごとに10発程度ですし、回復薬や火炎瓶等の攻撃アイテムは、周囲に落ちているガラクタを集めて自作することで入手できます。
もちろん、近くにおちているレンガなどの活用も忘れてはなりません。投げつければ相手を一定時間ひるませることができますし、その間に近接攻撃を仕掛ければ一撃で倒すこともできるのです。周囲に目を光らせ、活用できる物資はなるべく有効につかっていきましょう。


■噛まれれば即死!恐怖の敵対者たち
登場する敵は、プレイヤーを探知する手段と精度にそれぞれ違いがあります。
たとえば、初期の感染者「ランナー」であれば目視で周囲の様子を探りますし、中期の感染者「クリッカー」は目が見えず、音で周囲の状況を把握します。感染者たちは一度プレイヤーを発見すると、一気に騒ぎ出して集団で襲いかかってくるので要注意!

特にクリッカーは素手では倒せないうえに力も強く、ランナーに比べるとずっと恐ろしい存在です。本作では、感染者に1度でも噛み付かれてしまうとそこで即死してしまうので、囲まれた際の緊張感はかなりのもの。
人間の敵は視覚と聴覚両方を使って索敵し、武器を使って多角的に攻めてくるものの、感染者よりも比較的慎重なのが特徴的です。

このような敵の能力差が面白いところで、攻略法にも必然的に変化が生まれます。素早く逃げるべきなのか、息を殺して隠れるべきなのか。「待ち」と「攻め」、2層仕立てのスタイルが、プレイヤーに飽きさせない変化を与えています。


■雰囲気満点、ホラー演出にドキドキ
視覚的にじんわりとくる恐怖と、お化け屋敷的な、突然何かが現れる恐怖の両方が備わっていて、正直なところすごく怖いです。もし、最近怖くないと噂の某有名シリーズすら1人でプレイ出来ないというほどにビビリだという方(私です)は、しっかりと心の準備をお願いします。

まるでカリフラワーか何かのように弾けた頭部を揺らしながら、カタカタカタという耳に残るクリック音を響かせるクリッカー。明らかに顔色がおかしいのに異様に素早く動き、短い触手のようなものまで生えているランナー。しかも大抵、暗く浸水した廃墟の中や、胞子で煙って視界が限られるような場所に限って沢山出現するのです・・・。

全部倒した!と思っても、先に進むための仕掛けを作動させた途端大量に現れたりする事もあり、あまりにもキモコワ過ぎて、息をしていたかどうか忘れるくらいに緊張するシーンが何度もあり、ここだけの話、実は何度かクリアを諦めかけました・・・。

そのかわり、たまに訪れる明るく美しい屋外シーンではきっと癒されるはずです。どちらのシーンも雰囲気抜群なので、ホラーゲームの心の練習としていいかもしれません。

■難易度は最大で4段階から
難易度は4段階まであり、最初は初級~上級の3つが選べます。私はなぜか上級を選んでプレイしてしまったのですが、高いサバイバル感が得られる難しさになっていました。

ただ、理不尽だったり難しすぎるというような事はありません。チェックポイントも細かく、死んでしまってもほぼその場復活に近い感覚で再開することができます。不慣れな序盤こそ難しく感じたものの、難易度のテンポに慣れてしまえば、これが本作の基本バランスでいいのではと感じてくるほどなので、ある程度の緊張感をずっと味わっていたいという方はぜひチャレンジしてみるのをオススメします。


■気になる点は少しだけ。引き継ぎあり、じっくりやり込める大人向けタイトル
気になったところは一部ゲームデザインのわかりづらさです。ところどころで、物陰からステルスでこっそり倒したにも関わらず、遠く離れた場所にいる敵が騒ぎ出して大あらわになったり、聞き耳時に音を立てているハズの敵がハイライト表示されない時がポツポツ…。

通常とは勝手が違う反応であるために、これがバグであるのか、意図的なものであるのか、それとも私の勘違いなのかが曖昧で、取るべき手段がわかりづらかったところが少し気になります。形式から外れて臨機応変に対処するというのももちろん楽しくはあるのですが、それと気づかせるような工夫がもう少しあっても良かったのではと思いました。

そのほかは特にありません。周回プレイではジョエルの一部能力を引き継いだ状態で遊ぶこともできますし、収集系のやり込み要素も豊富です。マルチプレイも搭載されているので、長く楽しめる大人向けサバイバルゲームとなっています。


★こんな人にプッシュ★
・シビアな緊迫感をヒシヒシと感じたい人
・ホラー系演出に耐性があるor好きな人
・エリーが可愛いと思ってしまった人

★その他備考★
・出血や欠損などゴア表現が強いので、苦手な人は要注意

『The Last of Us』はPS3を対象に現在好評配信中。価格は5,980円(税込)です。なお、レーティングは18歳以上を対象とするZ指定の作品ですので、購入の際はお気を付けください。



(c) 2013 Sony Computer Entertainment America LLC. Created and developed by Naughty Dog, Inc.

■筆者プロフィール
Ami
元・ゲームグラフィッカーのボス戦好きなアマゾネス。超新米ライター。
ゲームは雑食で、国産から海外、RPGからFPSまでなんでも遊ぶ、食い散らかし系です。とりあえず、ゲームができればそれで幸せ。
ブログ:http://blog.livedoor.jp/xxxplus/
《Ami》
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