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【プレイレビュー】 関西弁にドキッ!2Pプレイが熱い、劇場ゲーム『パペッティア』 ― その世界観とハサミアクションは必見

ソニー PS3

ピカリナ
  • ピカリナ
  • クウタロウ
  • ムーンベアキング
  • インヤン
  • 頭がないと死んでしまいます
  • 調理場
  • ピカリナが捕まっています
  • ハサミでツタを切って、先に進みます
ソニー・コンピュータエンタテインメントジャパンアジアが9月に発売を予定している、プレイステーション3ソフト『パペッティア』のプレイレポと、プロデューサーである水谷 崇氏、シニアゲームデザイナーの佐藤 一信氏、クリエイティブディレクターのギャビン ムーア氏のインタビューを併せてお届けします。

本作は、文楽等からインスパイアを受け、「テレビに劇場を持ってくる」というコンセプトで作られたゲームです。画面には舞台が映っており、常にナレーションが響き渡る中、実際の劇のように出し物が回転したり、切り替わったりして進行していくプラットフォーム型のアクションゲームです。

プレイヤーは「ムーンベアキング(悪者、月の国の王)」によって魂を抜かれ、頭がないと死んでしまう人形となった少年「クウタロウ」を操り、ゲームを進めていきます。ヘッド(頭)はライフ替わりとなっており、複数所持と切り替えが可能で、特定の場所で特定のヘッドを装備してアクションを起こすと、ステージからリアクションが帰ってきます。なお、ヘッドがない状態が一定時間続くか、ステージから落下するとミスとなり少し前からやり直しです。

それではさっそくゲームをスタート、まずは捕まっている城からの脱出を試みます。その手助けをしてくれる相棒として怠け者のネコ「インヤン」がいるのですが、本作は2人での協力プレイに対応しているので、1人が「クウタロウ」もう1人が「インヤン」を操ることもできます。なお、常に2人で遊ぶことができ、1P側でも「インヤン」を操ることが可能です。2P側の役割として、攻撃や障害物に対する当り判定がないため、敵を妨害したり、ダメージを受けるオブジェクトの排除、コインの回収などが挙げられます。コインの回収に関しては、1Pに還元されるのではなく、2Pが所持してそれを1Pに渡すことで初めて意味を成します。ただし、このコインを1Pに渡さずばら撒いたりすることもでき、いわゆる「いたずら」 というコミュニケーション要素も入っています。他にも「クウタロウ」のヘッドを奪ったり、逆に敵からヘッドを取ってきて「クウタロウ」にあげることもできます。

チュートリアルの途中で、大きな中華鍋がコンロの火で熱されている調理場に辿りつきました。ここは、2P側が「インヤン」を操作してコンロの火を消すか、タイミングを見てジャンプすることにより先に進むことができます。

調理場を抜けると、らせん状の階段を上っていくのですが、石などが転がってきて、これに当たると頭が転げ落ちてしまい、自分で取るか、2P側が「インヤン」を操作して拾うかして自分の頭に付ける必要があります。途中にはボーナスステージの隠し入口があったりと、目を見張る場面が多く、2Pも飽きない工夫が施されていました。

先に進むと、「その汚い手をおはなし!」と言う謎の女の子が「ムーンベアキング」に捕まっている場面に遭遇。その女の子は、どこかに連れて行かれてしまいました。その後、本作のキーアイテムであるハサミの「カリバス」を発見。「カリバス」は敵や物を切ることができる武器で、ツタを切って道を切り拓いたり、敵の体を切ったり、煙を切って上に登るなど、本作に欠かせないアクション要素が詰まっている武器です。この「切る」行動が気持ちよく、切る対象がなくても「チョキチョキ」としている自分がいました。

「切ってないで先に進んでください」と言う目で見てくるカメラマンがいるので先に進むと、さっきの捕まっていた女の子が再び登場。痺れを切らしたのか関西弁になっていました。

クウタロウの脱出に気が付いた「ムーンベアキング」は兵士を投入、こちらも応戦して頭を切っていきます。この兵士は「クウタロウ」と同じで子どもの魂が入っており、倒すことで解放されます。全て倒すとボスが出現し、ボスのマントを「カリバス」で切り刻んで撃破。このステージの体験は終了し、インタビューに移ります。


―――以前はどのようなゲームを作っていたのでしょうか。

ギャビン:私は『SIREN』シリーズなどを作っていました。

―――ずいぶんと作風が違うようですが……。

ギャビン:今まではホラーで、リアルで、バイオレンスなゲームを作っていたので、逆にファンタジーなゲームを作ろうと思いました。ファンタジーなので、なんでもできますし。

―――ではまずは、2人プレイをこのような仕様にした理由を教えてください。

佐藤:子どもがゲームで遊んでいる時に、よく飽きて何処かにいっちゃったりするじゃないですか。そんな時、モードを切り替えなくてもいいようにするためです。

ギャビン:私もよく息子と一緒にゲームをやるのですが、「ゲームに飽きると何処かに行ってしまいます。私のゲームプレイはそれで終わってしまうんです。逆に「お父さん、ここ手伝って」という時もモードを切り替えが必要で、その後「今度はまた1人でやるね」という時には、また切り替えが必要じゃないですか。なので、いつでも参加できて、いつでも辞められるようにしました。

―――2人プレイだと、だいぶ難易度が下がったという印象ですが、高難易度モードがあるのでしょうか。

佐藤:本作は難易度設定がなく、難しい場合は誰か他の人に助けてもらって難易度を調整します。

―――最後の方に登場した女の子が関西弁でしたが……。

佐藤:関西弁は結構チャレンジでしたよ。

ギャビン:これは私のチョイスです。はじめは反対する人も多かったのですが「NONO!関西弁がいいよ!!」と押し通しました。

水谷:関西人の僕も最初は反対だったのですが、実際に収録したものを聴いたらすごくマッチしていました。

―――「カリバス」を手に入れ、ボスを倒した「クウタロウ」ですが、今後はどうなるのでしょうか。

ギャビン:さきほどプレイしていただいたチュートリアルステージではお城が舞台でしたが、今後は外にも出て、もっと壮大になっていきますよ。「ドキドキする、ワクワクする、もっと進みたい、もっと先を見たい」と思っていただける工夫をしています。

―――ではボリュームもかなりありそうですね。

佐藤:クリアだけで10~12時間くらいです。

ギャビン:ヘッドは100個ほどあるのでやりこみ要素もあります。

佐藤:それでは、そろそろ次のステージにいきましょうか。

―――別のステージもプレイさせていただけるんですね。

佐藤:はい。ここは、ボス手前の一番盛り上がるところで、いわゆる乗り物ステージなのですが、普通はこの前にいくつかの乗り物ステージをクリアしているので、今回はそうとう難しいと思いますよ。

―――……え?

佐藤:大丈夫ですよ、私がサポートするので。

ギャビン:信じちゃだめですよ、彼はわざと手を抜いたりします(笑)。

水谷:しないですよ(笑)。ただ、このステージは2Pがコースの障害物を動かすことができるのですが、操っているのは人間なので、100%は信用しないでください。


ということでスタートした乗り物ステージ。サポートキャラが「インヤン」からさきほど囚われていた女の子「ピカリナ」に変わり、「クウタロウ」はヒーローヘッドという特殊ヘッドを入手した状態で始まります。

ヒーローヘッドは、通常のヘッドとは異なり、一度手に入れると消えることはなく、ガードや爆弾を投げたりすることができるようになります。ゲームを進めていくと徐々に手に入り、それを駆使しないと先に進めない仕掛けも。

さて、このステージでは「ミスターピンク」というフラミンゴのキャラクターに乗り、ボスである「ドラゴン将軍」の元まで行くことが目的です。コースには障害物がゴロゴロあり、これにぶつかるとミス。プレイヤーはジャンプするか、2Pに手伝ってもらうかして先に進むのですが、佐藤氏がまさかの障害物スルーを起こし、ヘッドが転げ落ちてしまいました。佐藤氏「わざとじゃないです!」と言っていましたが、実際は……どうなのでしょうか。何にしろ、場は盛り上がっていたので、協力プレイはこういった意図があることが分かりました。

ヘッドが残り1つまで削られながらもボスの元に到着することに成功。巨大な「ドラゴン将軍」の攻撃をかわしつつ、煙を「カリバス」で切って上に登ったり、ヒーローヘッドの爆弾などを駆使して攻撃していきます。

こういった攻略要素の他にも、ナレーションやキャラクターボイスが魅力的な本作ですが、ボス中は

ドラゴン将軍:「おのれらぁぁああ!!!!いいぃかげんにせぇやぁああ!!!!!」
ピカリナ:「なめたらアカンで!」
ナレーション:「ドラゴンから吐かれる火の玉を避け、刃の様な鱗を掻い潜り、雲の上で戦い続けました!!」

という様に結構カオスなことになっていました。

途中でピカリナが「クウタロ、あんたは 月のヒーローなんやで!あんたなら出来る!頑張るんや!!」、「やればできるやん!」と励ましてくれるのが大阪出身だけにグッと来ました。

ボス戦では、QTEも挟むものの2PプレイヤーもQTEに参加可能で、ここでも協力してゲームを進めることができます。そしてボス「ドラゴン将軍」を倒し、今回の体験は終了しました。


―――構歯ごたえのあるステージでしたね。

ギャビン:本作は面白いストーリーの上に、しっかりとしたアクションが魅力な作品です。みなさんは『パペッティア』は子供向けのゲームだと思っているかもしれません。それは違います。これは幅広い人が楽しめるゲームです。

佐藤:子供でも分かるシンプルさはあるのですが、細かなところは大人がクスッとできる内容になっていて、「モンティ・パイソン」などの影響も受けていて悪ふざけもふんだんに盛り込んでいます。

―――アクションの肝となる「切る」という発想はどういったところから出てきたのでしょうか。

ギャビン:「切る」という発想は企画当初からあったものの、「剣もいいよね」という意見もありました。ですが、ハサミの「チョキチョキ」というリズムは、剣では表現できないのと、ハサミって誰でも使ったことがあると思うので、今の形になりました。

―――「ヘッド」システムについてはどうでしょうか。

佐藤:主人公が木の人形であるということに意味を持たせるところから始まりました。理由がないなら人間でいいじゃないですか。そこで「人形だから頭が落ちたり、変えられたら面白いよね。」となって、さらに頭が転がって拾って復活できるシステムなら、ライフシステム的にも面白いじゃないですか。そして「そのヘッドがたくさんあったらいいよね。でも何か役割が欲しい。」というところから、魔法がかかっているという設定になり、各場所でアクションが起こせるようになりました。

―――では、本作で苦労した点を教えてください。

ギャビン:最初のアイデアを周りに「これは魔法の世界、貴方は人形でハサミを持っていて、頭が落ちると死んでしまいます!」と説明してもみんな「ん?」と理解してくれませんでした。その後コンセプトムービーを作って見せて「わぁ!すごいね!!でも分からない。」と言われ、「もう、とりあえず作って。」と(笑)。

佐藤:作り方に前例がないタイトルだったので、その辺りが大変でした。後は、本作はかなりアナログな手法で作っているんですよ。

―――アナログですか。

佐藤:簡単な例でいうと、本作ではまったくモーションキャプチャーを使っていません。

水谷:かなりの作業量ですね(笑)。

ギャビン:さらにモーションは、使いまわしてないです。

佐藤:開発陣は、今までモーションキャプチャーをバリバリ使ってきた連中なので、逆に腕の見せ所で、新鮮な気持ちで作っていますね。

水谷:現場のグラフィッカーなんかに聞くと、「自分が舞台の大道具さんだったり美術さんだったらどうするだろう」と考えながら作っていると言っていました。例えば泡のシーンでは、普通だと「リアルなCG」で表現すると思うのですが、本作だと泡風船の様に表現している箇所もあります。

―――となると、そうとう開発期間も長いのではないでしょうか。

水谷:4年ぐらいですかね。

―――他にアナログなところはありますか。

ギャビン:応援の演出ですね。まず採用の理由として、例えば仕事が終わってちょっとゲームがしたいと。そこでボスを倒して「イェエエ!」と後ろを振り向くとみんな寝ていたり、そもそも誰もいなかったりすることって多いじゃないですか。そんなときにゲームから歓声が上がるといいなと。

佐藤:これは、それぞれの場面で違ったリアクションを返してくるので、アナログな手法でスクリプターが頑張りました。

ギャビン:イメージは、ハンドメイドで日本独特の拘りがふんだんに盛り込まれている作品です。

水谷:この密度でどの程度できるのか不安でしたが、やりたいことをやりつくした結果大ボリュームになってしまいましたね。

―――:このクオリティーがずっと続くんですもんね。

水谷:これだけ濃いゲームプレイはそうできないと思いますよ。

―――それでは最後に、読者に向けてコメントをお願いします。

ギャビン:みなさんぜひ『パペッティア』をやってみて下さい。外から見ていると少し違って見えるかもしれませんが、実際に触ってみると様々なことに驚き、笑えますのでぜひともプレイしてみてください。

佐藤:難易度はないのですが、1人では歯ごたえがあり、2人でやると 難易度が下がるので、幅広い人が遊べてクリアもできるゲームとなっています。

水谷:SCE JAPANスタジオが自信をもってお送りする作品ですので、ぜひ遊んでみてください。

―――本日はありがとうございました。

今回は、佐藤氏が2Pでいろいろとサポートしてくれたものの、道中で苦戦することがあり、1人でプレイすると歯ごたえのある難易度のゲームとなりそうです。また、画面上の表現がすごいのと、
ピカリナの関西弁がめちゃくちゃ可愛いのが、クリアまで続くことに興奮しました。

難易度も2Pプレイの参加により、自由に調節でき、いつでも参加/脱退が可能なシステムは、より協力プレイを活発化されることでしょう。この『パペッティア』、ぜひとも2人でワイワイ言いながらプレイしてみて下さい。

『パペッティア』は、2013年9月に発売予定で価格は未定です。

(C)Sony Computer Entertainment Inc.
《栗本 浩大》

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