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【GDC 2013 報告会】ゲームを通したテレビ番組のグローバル展開

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【GDC 2013 報告会】ゲームを通したテレビ番組のグローバル展開
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国際ゲーム開発者協会日本(IGDA日本)は4月13日に毎年、好例となっているGDC2013報告会を開催しました。本会合で、クルーズ株式会社の長谷川亮一氏はGDCで行われた3つのセッションの報告を行いました。

長谷川氏はセガやSCEなどでコンシューマ向けのゲーム開発に携わっていましたが、現在のクルーズでは主にソーシャルゲームの開発を行なっています。そのため、今回のGDCでは初めてソーシャルゲームという観点からセッションを周ったそうです。報告されたセッションは3つ。どのセッションも大量なデータをスライドで表示する内容だったそうです。

■ゲームを通したテレビ番組のグローバル展開

まずはBBCのデジタルエンタテイメント部門であるEVPによる「BBC, Cross-Media and Video Games」の報告です。BBCといえば、言わずと知れたイギリスの公共放送。クオリティの高いドキュメンタリーなどは日本でも人気ですが、昨今のインターネットの普及によって、BBCはテレビというメディアに限界を感じているそうです。そのため、今回のGDC参加によって、グローバル化しつつあるゲーム業界から学ぶ姿勢を見せているそうです。

とはいえ、BBCの制作する番組はすでに全世界で放映される人気が高いコンテンツが多いといいます。特に1977年から放送されている自動車番組『トップ・ギア』は、世界198カ国で放映され、YouTubeでは3億8700万の累計視聴数を誇る巨大IPです。そのような人気コンテンツの『トップ・ギア』をBBCはこれまで各国向けにローカライズする試みを行なってきました。

その中でもっとも成功した事例がゲームとのコラボレーションでした。『グランツーリスモ5』、『Forza Motorsport4』などのレースゲーム内で『トップ・ギア』のテストコースやサーキットを走れる企画が人気を博し、グローバル展開の足がかりになったそうです。また『ダンシング・ウィズ・ザ・スターズ』というセレブリティがダンスに挑戦する番組も、ゲームなどとタイアップすることで世界的な人気を確立してきたそうです。

このようにゲームは足がかりとしてグローバル化に成功してきたBBCですが、他にも様々な部分でゲーム業界に学ぶところが大きいといいます。例えば、権利関係のクリアランスに関してはテレビ業界よりもゲーム業界の方が、ノウハウが蓄積しており、それを利用することが見込めます。またスマートフォンやタブレットなどのモバイル端末が爆発的に普及している現在は、テレビを「ファーストスクリーン」、モバイルを「セカンドスクリーン」として捉えるゲーム業界の考え方は学ぶところが大きいそうです。

今後、コンテンツがますますインタラクティブになっていくことは間違いなく、「セカンドスクリーン」を活かしたユーザーのデータ分析など、ゲーム業界とテレビ業界がコラボレーションできる部分は非常に大きいそうです。またローカライズやユーザー動向の把握の点でもゲーム業界の方が進んでおり、それらの知見を今後はテレビ業界が取り入れていくべきだと、BBCは考えているようです。

■全世代がゲームをプレイする時代へ

次に報告されたのは、ビデオゲームのリサーチとコンサルタントを行なうEEDAR社のプロモーションのセッションです。EEDAR社は過去から現在に至るゲームに関するあらゆるデータベースを保有しており、その蓄積量はギネスに登録されているそうです。この「Awesome Video Game Data 2013」というこのセッションでは、彼らの持っているデータに基づき、現在のユーザーの動向などが報告されました。

まず彼らは現在のゲーム専用機を「第7世代」と捉え、ゲーム専用機としては最後の世代だとみなしています。実際に据え置き型のゲーム専用機を持つアメリカ家庭は、2010年には67%でしたが、2012年には49%に減少しているそうです。そして、ゲーム専用機に比べるとスマートフォンの売上が圧倒的に大きく、現在は専用機から汎用機への移行期間と彼らは考えているようです。

では一体だれがゲームで遊んでいるのでしょうか? 北米におけるゲーマーの平均年齢の調査によると、2000年代を通して平均年齢は上がる一方でありましたが、2012年に37歳から30歳と急激に下がりました。これもスマートフォンの影響によるものです。そして現在のゲームユーザーは18歳未満、18歳から49歳、50歳という層に等しく存在しており、すべての世代がゲームをやる時代になりつつあります。

またスマートフォンなどで、親の許可なしに子どもがゲームにお金を使っている事例についても調査されました。日本でも子どもによる高額課金が社会問題になっていますが、これは海外でも同じようです。

またユーザーの性別や年代の変化に関しては、現在、大人の女性ゲームユーザーが非常に伸びております。大人の女性はゲーム人口の3割を占め、17歳以下の男性ユーザーよりも多いそうです。そのためゲーム自体にも変化が必要であり、大人向けのストーリーを扱った内容のものなどが今後は期待されるといいます。

ゲームの売上については、現在は年間160億ドルで推移しており、リリース数は一見、現象しているように見えます。しかしながら、iPhoneのゲームアプリを含めると爆発的に増えていることが分かります。iPhoneの持っている人の実に37%の人が毎日ゲームをプレイしているそうで、今後もスマートフォンプラットフォームの拡大は間違いないでしょう。

以上のユーザーの動向をまとめると、ゲーマーの平均年齢が低下して、性別差もなくなり、すべての人がゲームを遊ぶ時代にますます近づいているといえます。実際に、人々のゲームに関する意識も変化しつつあり、かつては地下鉄などの公共の場でゲームをやることにためらいがあった人でもゲームをプレイするようになっていると長谷川氏は述べています。ただしモバイル端末でゲームを遊ぶ理由のほとんどは、暇つぶしや気分転換などカジュアルなものが大半を占めるようです。

■『Poptropica』に見る子ども向けMMOを運営するための取り組み

最後に報告されたのは、『Poptropica』という子ども向けのMMOカジュアルゲームについてです。イギリスの出版と教育を手がけるPearson PLCが運営している『Poptropica』は、日本では知名度がありませんが、アカウント数が5億、月間アクティブユーザーが800万という大人気のゲームです。

このような子ども向けのMMOを運営するため、『Poptropica』では、特定の宗教、国家、文化を想起させる要素を一切使用せず、架空の世界を舞台にしています。またCOPPS(Childrens Online Privacy Protection Act)という規定に沿ったゲームをデザインしているそうです。具体的には、実際の顔は使わないでアバターを使用する、露骨な課金を避けるなどという取り組みが行われているそうです。そのため、広告においてもアクセス字にクイズ形式で表示されるリサーチ形式を採用しているそうです。またサーバーに高負荷かかったときは、課金者を優先的にアクセスさせるなど、従来のソーシャルゲームと似たような取り組みもなされています。

長谷川氏は最後に「おまけ」と称して『September 12th』というゲームを紹介しました。内容に関しては実際に体験してもらったほうがいいとのことなので、説明されませんでしたが、タイトルからはシリアスなものであることが予想されます。
《今井晋》

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