スマートフォンの高スペック化と共に、ソーシャルゲームのリッチコンテンツ化が進行中です。これに伴い、Unity上でのソーシャルゲーム開発事例も増加しています。しかし、多くのソーシャルゲームプロバイダーはフィーチャーフォンでFlashベースのコンテンツ開発を続けてきました。そのためFlashコンテンツ開発資産の転用が難しく、これがスマホ対応のボトルネックとなっています。
今回公開されたLWFは、このボトルネックを解消する一助となるものです。本ツールを使用すると、Adobe Flash上で生成したSWFデータからアニメーションデータを取り出し、独自フォーマットのLWFフォーマットに変換できます。生成されたLWFファイルはUnityやHTML5で再生することが可能です。
坂本氏は『どうぶつフレンズ』も、このLightweight SWFを用いて開発されたと紹介しました。本アプリは街作りをテーマとしたソーシャルゲームで、キャラクターや背景などが細かいところまでリッチにアニメーションする点が特徴です。これらのキャラクターはすべてFlashのアニメーションデータとして作成され、Lightweight SWFでLWFファイルにコンバートされた後に、Unity上で再生されています。
また▽実行時の画像サイズ変更▽テクスチャーシート対応▽ゲームに便利なAPIの提供▽HTML5版専用機能として、埋め込みJavaScript対応(グリー・エディターズブログより:http://labs.gree.jp/blog/2012/10/6003/)といった、ゲーム開発に便利な機能も搭載されました。一方でシェイプ・マスク・アクションスクリプトなどの機能は搭載しておらず、2Dゲームの開発コストを下げることに注力されています。
坂本氏は講演中にLightweight SWFをgithub(ソフトウェア開発プロジェクトのための共有ウェブサービス)上で、オープンソースとして提供すると発言し、その場でアップロードを開始。会場から驚きを持って迎えられました。たしかに「今日から発売です」というスタイルはありましたが、「今から共有します」というのは、前代未聞のプレゼンだったといえるでしょう。
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