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『セガカラ』と『源平大戦絵巻』の開発者が示す、ソーシャルメディア時代におけるユーザーとの関わり方・・・中村彰憲「ゲームビジネス新潮流」第24回

ソーシャルメディア全盛の時代と言われますが、ゲーム開発者はユーザーとどのように接していけば良いのでしょうか? セガの3名の開発者が自身の経験を明らかにします。

ゲームビジネス 開発
 
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更に、汎用機向けゲームを展開するうえで重要なのがプロモーション。開発規模も予算も限られているプロジェクトのディレクター、プロデューサとして、自分たちは出来る限りの事を全てやってきたとデュラ氏。自らゲームをモチーフとしたキャラクターを演じることを皮切りに、主題歌も作曲。ギターも同僚の中でギターが出来る人にお願いし、自らビデオカメラを持って撮影、編集し、動画共有サイトにアップしています(新小田夢童、まさかのカラオケ界に殴り込みの巻)。

自ら体を張ってプロモーション


「『大戦絵巻』シリーズは自分の子供。全部かわいい。どれ一つとして劣っているモノはないです」と自らの作品に対する思いを伝えつつ、「自分のエゴは無くし、如何にして「この子供たち」をアピールするべきかを常に考える事、このまま魂削ってもいいんだ、という意気込みでやる」ことがプロモーションでは重要と情熱的に語りました。

虚無僧を演じる新小田プロデューサも、ここまで自らの体を張って作品展開をする理由として、「ディレクターの頑張り」を挙げました。「隣で1週間も徹夜をしてモノ作りに励んでいる姿を見ていると、その思いに応えなければという気持ちが自ずとモチベーションになる」とのこと。また、キャラクターを演じ続ける事については、「仮面をかぶるという事に対してネガティブなイメージがありますが仮面をかぶるのは社会人として当たり前。だから仮面をかぶることはいいことだと思います。皆さんも、自分なりのスイッチを入れる方法を考えた方がいい。それが分かると、どんなに疲れていても気持ちを切り替える事が出来る。これを恥ずかしいとか中途半端にやっているほうが格好悪い。」とプロデューサとしての見識を示しました。

■ソーシャルメディア台頭の時代に必要とされるクリエイター像

今回は、セガでスマートフォン、タブレット端末向けゲームやコンテンツを開発している3名の方々による講演でしたが、それぞれ如何にコミュニティを意識しているかというのを改めて実感出来ました。また自身が開発したものを信じ、チームが持っているあらゆるリソースを活用して認知度を高めようとする3人にゲーム開発者としてのプロ意識を垣間見ることが出来ました。このように自らの声を積極的に受け手に発信していく事は、作り手と受け手の間の距離が比較的に狭まりつつあるソーシャルメディア台頭の時代には欠かせないのかもしれません。
《中村彰憲》
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