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【E3 2012】『Dead Space3』『シムシティ』など、定番タイトルが並んだEAプレスカンファレンス

「偉大なディベロッパー10社が、スペクタクルな10本のゲームを紹介します」。

ゲームビジネス 開発
「偉大なディベロッパー10社が、スペクタクルな10本のゲームを紹介します」。

CEOのジョン・リカチェロ氏による前置で始まったエレクトロニック・アーツ(EA)のショーケース(プレスカンファレンス)。紹介されたゲームは(厳密には10本以上ですが)大きく「傘下スタジオによるハードコア向けゲーム」「傘下スタジオによるスポーツ/ソーシャルゲーム」「協力企業ゲーム」の3種類に分かれていました。

このうちトップバッターを務めたのは 『Dead Space3』で、トリをつとめたのが『Crysis 3』 、たっぷり時間をとってデモプレイが行われたのが『Medal of Honor Warfighter』でした。またFacebookアプリの紹介はありましたが、携帯機向けゲームやWii U向けのタイトルは皆無でした。

不採算スタジオの閉鎖やカジュアルゲーム大手のPopcapを昨年7月に買収したかと思えば、今年4月には韓ネクソンによる買収疑惑が報じられるなど、なかなか経営がスッキリしない同社。しかし、やはりE3ならではでしょうか。会場では伝統的に同社が強いハイクオリティなハードコア向け、それもシリーズの定番タイトルに時間が費やされました。

会場はおなじみのオルフェウスシアターロビーではゾンビ軍団がお出迎えCEOのジョン・リカチェロ氏の登場で開始


人間に寄生するモンスターと戦うホラーシューティング『Dead Space3』(EA Redwood Shores)は、グロさもホラー感も倍増。新キャラクターのジョン・カーバーと共に、ナンバリングタイトルでは初めてとなる、CO-OPプレイが実装されました。もっとも一筋縄で終わるわけもなく、最後に巨大モンスターに飲み込まれ、胃液の中でもがくシーンで終了しました。あまりの残酷描写に日本での発売が見合わされているシリーズですが、ゲームの完成度は相変わらず高そうです。

2012年8月にリリースされる『Madden NFL 13』(EAティブロン)では、新開発インフィニティエンジンの搭載で、キャラクター間のインタラクションや衝突判定などが、さらにリアルなものになったと紹介。これまで複数のモードだった要素も、強化されたストーリーエンジンと共にキャリアモードに集約されることになりました。またケータイアプリと連動するFacebook版の『Madden NFL』もリリース予定とのことです。

CO-OPプレイが一押しの『Dead Space3』『Madden NFL 13』はFacebookにも対応


EA Maxisは2013年2月に発売予定のPC版新作『SimCity』の最新トレーラーを上映すると共に、Facebook版の『SimCity Social』を数週間以内ににリリースすると発表しました。『SimCity』は GDCでも講演された新シミュレーションエンジンをベースにゼロから開発。グラフィックも近年流行の「ジオラマ風」フィルターとなり、UIやシステムも整理されて、まさに原点回帰です。シリーズで初めてとなるマルチプレイヤー要素も盛り込まれ、幹線道路や鉄道、飛行機などで街同市が繋がるようなイメージになりそう。もちろん巨大生物(モンスター)も健在です。

一方で『SimCity Social』は、『シムズソーシャル』で勢いにのる同社の戦略タイトル。例によってUFOが登場するなどの要素もあるようです。Facebookの「街ゲー」といえば、ジンガの「シティビレ」が有名ですが、本家が満を持しての投入だけに、大いに期待できそうです。

『バトルフィールド3』(EA DICE)シリーズでは、それまでEAスポーツの顔だったピーター・モリニュー氏が登壇。新モードや新車両、新マップなどが加わった3本の拡張パックを順次投入していくと発表されました。6月に『Close Quarters』、今秋に『Armored Kill』、今冬に『End Game』がリリース予定です。さらに、これらの拡張パックに2週間早くアクセスできる権利を持つ『バトルフィールド・プレミアム』の販売が、今日(6月4日:現地時間)から始まることを明かしました。

グラフィックがジオラマ風になった『シムシティ』UIも刷新され、より直感的になった街ゲーの本家がいよいよFacebookに登場
多彩なアイコンなどもソーシャルならでは『バトルフィールド3』の拡張パックをいち早くゲット可能に『SWOR』で大規模アップデートが実施


運営中の『Star Wars:The Old Republic』(バイオウェア)では、レベルキャップの引き上げ、新種族、新ストーリーの実装といった大規模アップデートと共に、15レベルまで無料でプレイできるという施策を発表。

『Medal of Honor:Warfighter』(Danger Close)は2012年10月に発売予定です。2010年に発売され、新たに舞台を第二次世界大戦から現代戦に変えるなど、さまざまな仕切り直しが行われた前作『Medal of Honor』の続編。今作ではソマリアなど世界各地の紛争を解決するため、米SEALSや英SASなど世界10カ国の特殊部隊が登場します。ゲームエンジンは『バトルフィールド3』と同じFrostbite 2が使われています。バレットタイム的な周囲の時間を低下させる機能も盛り込まれるよう。デモプレイではラジコン無人戦車などの最新兵器も登場しました。

2012年9月にリリース予定の『FIFA13』(EAバンクーバスタジオ)は攻撃時のAIをさらに改良。パスやドリブルなどのボールコントロールもさることながら、より強力なフリーキックが放てるようになりました。ソーシャル要素を兼ね備えた「Football Club social network」も新たに搭載。iOS版とAndroid版も登場し、スマートフォンやタブレットからアクセス可能です。さらにiPhoneアプリも登場し、ゲーム内アイテムのオークションやフレンドリストなどの機能が盛り込まれる予定です。

他に全米で人気の総合格闘技「Ultimate Fighting Championship(UFC)」のライセンスをTHQから譲り受けたことが明らかになりました。THQは2009年まで独占的にゲームを投入する契約を結んでいましたが、今後は新たにEAスポーツのフランチャイズとしてシリーズ展開が行われていくことになります。

ラジコン戦車も登場する『MofO:WF』さらに改良が進んだ『FIFA13』タブレットやiPhoneアプリも登場し、本体と連携する
『Need for Speed』はオープンワールドに回帰クラッシュの爽快感が新たに加わった『Crysis 3』はジャングルと化したNYが舞台だ


公道をかっ飛ばす『Need for Speed Most Wanted』では、ディベロッパーがクライテリオンとなり、再びオープンワールドでのドライブゲームとなります。街中を流しながら、至る所でライバルとレースを開始し、賞金を稼いだり、パトカーとのチェイスが楽しめます。『バーンアウト』シリーズを送り出した同社だけに、派手なクラッシュシーンでカットインが入る演出なども健在です。

最後はオープンフィールドにおける自然描写に定評のあるクライエンジンを用いたシリーズ最新作『Crysis 3』のデモプレイで幕となりました。密林となったニューヨークを舞台に、アーチェリーを用いたヘリとの攻防や、エイリアンとの戦いなどがデモプレイされました。姿を消すフィーチャーも健在。2013年の2月に発売予定です。

昨年のEAプレスカンファレンスでは、『マスエフェクト3』『バトルフィールド3』という大作が発売間近でした。また後に大ヒットを記録することになるFacebookアプリの『シムズソーシャル』が異彩を放っていました。しかし今年はそこまでの話題作がなく、タイトル的にはおとなしい感じだったでしょうか。オリジナルIPが見られなかった点も残念でした。他社に比べてWii Uへの対応も慎重なようです。

その一方で『MADDEN』『FIFA』『SimCity』など、Facebookやタブレットなどと連携し、ソーシャル要素を巧みに盛り込もうとする新しい動きが見て取れました。この流れがFPSなどゴリゴリのハードコアゲームにも繋がっていくのでしょうか。タイトルもさることながら、今後の「プレイ体験の進化」が楽しみです。
《小野憲史》

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