「GDC PLAY」会場にはインディ(独立系)ディベロッパーが開発したインディゲームがずらり。ほとんどが3Dゲーム(ポリゴンを利用したゲーム)で、中にはハイエンドなゲーム機向けの表現に迫るものもあります。一方「3Dの歴史」展のゲームは、ATARI2600やIBM-PC時代にさかのぼる名作ばかりで、あのバーチャルボーイも楽しめました。
展示は大きく「入り口」「右壁」「左壁」「中央」「奥」に分かれており、入り口の向かって左側に『Vectrex』と『STAR RAIDERS』があり、ともに黎明期のスペースシューティングの変化。右側に『メタルギアソリッド』と『バイオショック』があり、3Dゲームにおけるストーリーテリングの変化が象徴されていました。
右壁はコンソールゲームのオリジナル作を中心に展示され『スーパーマリオ64』と『ナイツ』が並んで展示。右壁にはアーケードゲーム初出のタイトルを中心に展示され『バーチャレーシング』と『バーチャファイター』、そして『ハードドライビン』などが並んで展示されていました。
(もっとも3Dホラーアドベンチャーを切り開いた『アローン・イン・ザ・ダーク』が脇に控えるなど、明瞭ではありませんでしたが)
中央はFPSの歴史コーナーで、疑似3Dだった『ウルフェンシュタイン3D』が『Quake』でフル3Dとなり、『ディセント』で360度の空間移動を実現。一方でバンジー初期のタイトル『PATHWAYS INTO DARKNESS』のように、FPSでありながらストーリー性を取り入れたゲームも存在していたなど、タイトルは少ないながらも多面的な見せ方が工夫されていました。
(その後『PATHWAYS』は『MARATHON』そして『Halo』へと続いていきます)
奥はPCゲームコーナーで、『マイクロソフトフライトシミュレーター』や『ALPHA WAVES』といった、ワイヤーフレームからポリゴンへの移行期のタイトルが展示されていました。このほか主要ゲーム機の外箱や筐体(スケルトンのXbox開発キットまで!当時はiMacのブームでスケルトンデザインが大流行していました)、あの『ポン』を家庭で遊べるようにした『ホームポン』などのビンテージマシンも見られました。
展示を一巡してすぐにわかるのが、アメリカのゲームにおける一人称視点ゲームの多さです。一方で日本では三人称視点ゲームが中心で好対照。バーチャルワールドを構築して、その中を自由に動き回りたいというアメリカのゲーム開発者の思いが、3Dゲーム開発における重要なモチベーションになっていたのかもしれません。
実際、3Dゲームはハードウェアの制約の中、モニタという平面上の世界に、さまざまな技法で疑似3D空間を創り上げようとしてきた歴史です。最近ではS3Dによる立体視ゲームも一般的になりました。一方でインディゲームの中には『CAVE STORY(洞窟物語)』をはじめ、2Dゲームへの回帰が見られるのも興味深いところです。
最新のゲーム開発技術を議論するGDCで、「3Dの歴史」展が開催されるところ自体、ゲーム業界の歴史が一周してきた証拠なのかもしれません。インディゲーム開発者が集まる「GDC PLAY」会場だけに、「3Dの歴史」展に足を止める参加者も若手が多く、子供時代の思い出をみな懐かしそうに語りながら、ゲームをプレイしていました。
■展示ゲーム一覧
STAR RAIDERS(ATARI/ATARI2600など)1979年
Vectrex(GCE)1982年
メタルギアソリッド(コナミコンピュータエンタテイメントジャパン/PS1)1998年
バイオショック(2K Games/Xbox360・PS3)2007年
スーパーマリオ64(任天堂/NINTENDO64)1996年
ナイツ(セガ/セガサターン)1996年
レッドアラーム(T&Eソフト/バーチャルボーイ)1995年
SUPER MARATHON(バンジー/ピピン@アットマーク)1996年
スターフォックス(任天堂/スーパーファミコン)1993年
スターウォーズ・アーケード(セガ/スーパー32X)1994年
ウルティマアンダーワールド(オリジンシステム/MS-DOSなど)1992年
ALPHA WAVES(Infogrames/MS-DOSなど)1990年
QUAKE(イド・ソフトウェア/PCなど)1996年
ディセント(インタープレイ/PCなど)1995年
ウルフェンシュタイン3D(イド・ソフトウェア/PCなど)1992年
PATHWAYS INTO DARKNESS(Bungie Software、Products Corporation/Mac)1993年
スターブレード(ナムコ/アーケードなど)1991年
ハードドライビン(ATARI/アーケードなど)1989年
アローン・イン・ザ・ダーク(インフォグラム/PCなど)1992年
シルフィード(ゲームアーツ/PC-88など)1986年
バーチャファイター(セガ/アーケードなど)1993年
バーチャレーシング(セガ/アーケードなど)1992年
THE COLONY(マインドスケープ/MS-DOSなど)1988年
マイクロソフトフライトシミュレーター(Microsoft Game Studios/MS-DOSなど) 1982年
編集部おすすめの記事
その他 アクセスランキング
-
「ガンダム ジークアクス」シイコ・スガイ、ネット流行語100で第4位にランクイン―たった1話の登場ながら、並み居るキャラを抑えての大躍進
-
岩代俊明先生の漫画「PSYREN -サイレン-」アニメ化か!?公衆電話にコール音鳴り響く、意味深なティザーサイトが公開
-
「ガンダム ジークアクス」赤いきつね、緑のたぬきとのコラボ特別映像“第2話”が公開!「見せてもらおうか…」シャアからあの名言も飛び出す
-
「ガンダム ジークアクス」の「シイコ・スガイ」はなぜこんなにも印象強いキャラだったのか?元エースパイロットで一児の母が刻んだその魅力
-
「ガンダム」のハロウィン記念イラストが大反響!シイコやスレッタたち“3人の魔女”が、文字通り「魔女の仮装姿」で描き下ろし
-
【15%オフ】レトロ×多機能の“2,222円プロコン”が売れている理由
-
漫画「ウマ娘 シンデレラグレイ」あと5話をもって完結―最後は有馬記念、新たな勝負服姿のオグリキャップも
-
草むしり検定証カードホルダーに「ちいかわ 5級」と「うさぎ 2級」柄がついに登場!裏面は漫画エピソードをデザイン
-
「バック・トゥ・ザ・フューチャー」40周年記念!宮下あきら(魁!!男塾)、桂正和(I”s)ら伝説級作家10名によるスペシャルイラストが超豪華
-
『真・女神転生V』“美人&美少女”悪魔のオンパレード! お預け小悪魔からチラ見せ美女までお届け【フォトレポ】












