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【GDC2011】本格的なMMORPGをスマートフォンで実現するための進化させるゲームデザイン

Spacetime StudiosのCinco Barnes氏は2日、同社が手掛けたiPhoneでの最初のMMORPG『POCKET LEGENDS』の開発と運営を振り返り、どのようにモバイルでMMOを実現するかについて講演しました(「Adapting the MMO to a Mobile Gaming Platform」)。

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Spacetime StudiosのCinco Barnes氏は2日、同社が手掛けたiPhoneでの最初のMMORPG『POCKET LEGENDS』の開発と運営を振り返り、どのようにモバイルでMMOを実現するかについて講演しました(「Adapting the MMO to a Mobile Gaming Platform」)。



Spacetime Studiosはもともと2005年にNCSoftからシード資金を得て、PC向けの大規模オンラインゲームの開発を行っていました。しかしその後NCが資金を引き揚げたことから開発は中止に。そこで興隆の兆しが見えたスマートフォンにシフトしMMORPGを開発しようということで『POCKET LEGENDS』の開発がスタートしました。

しかしiPhoneのようなスペックの限られたモバイル機器でMMORPGを作るというのは困難な事です。まず最初に行ったのはMMORPGのエッセンスを抽出して、コンパクトなゲームを作り上げるということです。リアルタイムの3Dやアクション性の高さは必要条件としてありましたが、基本的な考え方はなるべくカジュアルにシンプルに行こうということでした。その事は時間的な優位にも繋がります。しかし、将来に渡って拡張できることも根底のデザインとしてありました。

そしてゲームデザインもカジュアルなRPGユーザーやモバイルゲームユーザーに向け、シンプルなシステムでゴール達成が容易、すぐにアクセスできて、短時間で1回のプレイを終えることができる、といった風に設計されていきました。ゲームの目的も次々に提示される物語に沿ってダンジョンに進んでボスを倒す、というシンプルなもので、これは開発者にとっても追加が用意という利点がありました。戦闘より物語に重点を置きました。

モバイルのカジュアルなユーザーに向けてカジュアルなゲームデザインでしたが、プレイヤーから要望も多数寄せられました。幸いなことに拡張性を持ってデザインされていたので、開発者たちは慎重に検討しながらゲームの幅を広げていきました。

まずは戦闘です。クラスを複数会得できるように、それによってコンボが発動できるようになりました。キャラクターではアバターを作成できましたが、新しいアイテムを次々と投入することで幅を広げていきました。ワールドマップは当初シンプルなものでしたが、特色を持つ複数の世界を持たせていきました。

課金スタイルも当初は月額課金を考えていたものの、結局はアイテム課金に。課金をすることで、ある一定以上のレベルのステージを遊べたり、有利なアイテムを獲得することができます。しかしBarnes氏は「課金は常に再レビューを行っているところでまだ完全にモデルが定まったわけではない」と強調していました。フォーカスグループによるテストも行っているようです。

Spacetime Studiosでは『Blackstar』と呼ばれる次なるスマートフォン向けのMMORPGの開発にも着手しているそうです。『Blackstar』は中止になったNCSoftのプロジェクトを復活させたものです。『POCKET LEGENDS』の教訓を生かし、より良いゲームにしたいと抱負を語っていました。『POCKET LEGENDS』を遊んでより先端のゲームを望むようになったユーザーに向けての作品という意味合いもあるようです。

今回の教訓としては、運営型のゲームでは、当初はコアなゲームプレイを完成させつつ、周辺は極力シンプルにスタート。プレイヤーからの要望を受けて拡充していく、というスタイルが上手く行ったということでしょうか。
《土本学》
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