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【GDC2010】過激アクション『ゴッド・オブ・ウォー』のアニメーションプロセス

ゲームビジネス 開発

GOD OF WAR III
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世界で絶賛され、また、過激なアクションで悪名高い『ゴッド・オブ・ウォー』(以下GOW)シリーズは、華麗なアニメーションを通してプレーヤーに爽快感を与えます。GDC最終日にかかわらず満席だったセッション、「Animation Process of God of War III」では、Sony Santa Monicaスタジオ・リード・アニメーターのブルーノ・ヴェラズケズ氏がアニメーションプロセスを裏付ける原則がいかにGOWの成功に貢献しているかについて語りました。

『GOW』シリーズの主人公、クラトスはこれまでに5作品に登場しているため、キャラクター性や有名神話に基づく世界観を保つのが難しくなりますが、最もプレイヤーに目立つ要素がアニメーションであるとヴェラズケズ氏は語りました。さらに、PSP版の開発などを例に、Sony Santa Monica以外のデベロッパーが開発する場合に備えて、メインシリーズの内容を忠実に維持するための「クラトス・ルール」が設定されました。そのルールとは:

1) どんな危険を直面してもクラトスは弱みを見せない
2) クラトスは怒りに燃え続け、喜ぶことは決してない
3) クラトスの背中が地面につくのは死ぬ時のみである
4) クラトスはどんな行動においても、常に前へ進む

もちろん、このルールは他の開発分野においても適用されますが、アニメーターは特に厳守しなければなりません。

また、CEROレーティング「Z」を誇るGOWシリーズの暴力は「ただのバイオレンスではない」とヴェラズケズ氏が主張しました。「出血」大サービスが評判のGOWは、お馴染みのむごたらしさに溢れたクイック・タイム・イベント(以下「QTE」)をゲームに含める主な理由は、よりプレイヤーに爽快感を与えるためと説明しました。スムーズなアニメーションと操作インプットを組み合わせることによって、複雑な技やシンプルなインプットでQTEシーケンスが繰り広げられます。通常の操作を延長させるような働きをすることで、「コントロール可能なカットシーンがこのコンビネーションで生まれ、プレイヤーが感情移入でき、ゲームの臨場感も高められる」とヴェラズケズ氏が語りました。その一例として流されたビデオでは、クラトスが凶暴なキメラを何度も剣で刺すQTEシーケンスでしたが、ボタンを何回も続けて押したり、押す長さによってクラトスの行動が変わりました。しかし、QTEを導入する場合、最も注意しなければならない点はQTEがゲームの流れを妨げないこと。これは、プレイヤーが動揺しかねないほど複雑な操作を入れない、など、遊びやすさを考えるコントロール設定を指します。

アニメーターが最も気にしなければならない点は、操作と画面上で繰り広げられるアクションのバランスかもしれません。クラトスの行動は多様にあるため、このバランスを保つことがさらに困難になります。技の途中でも、ムーブ・キャンセルで行動を変える事が出来るので、ジャンプからガードへ、または前転から投げへシフトするなど、動き全ての組み合わせにアニメーションが必要になります。また、プレイヤーのインプットや、敵から攻撃を受けたことを画面にわかりやすく反映させる、細かい描写も求められます。さらにはGOW前作全てとアニメーションが一致していることを保証するために、各行動・動きのフレームを確認するなど、GOW3のアニメーターは詳細に徹底して作業を進めます。

『GOW』シリーズのおもしろみの土台となるアニメーションと操作フィードバックが合併することでユーザーに大きな楽しさを与えますが、これを作成するアニメーターにとっても同じ事がいえるとヴェラズケズ氏は語りました。「QTEの制作はアニメーターが輝く時間なのです。アニメーターの才能を養うだけでなく、最も創造性を発揮出来るチャンスでもあります」。クラトスにはGOW前作に描かれた暴力シーンや映画の迫力あるバイオレンスを作業前に観ることがSony Santa Monicaスタジオの一つのルールです。荒れるがままの主役クラトスをコントロールしてプレイヤーが思う存分に暴れられる、ゴッド・オブ・ウォーの3作目。しかし、暴力の制作がこれほど奥が深かったとは驚きです。
《オーラ・カイ》

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