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Wiiリモコンやバランスボードを使った作品も!「国際学生対抗バーチャルリアリティコンテスト」東京大会

■最新技術からガムテープまで大活躍

ゲームビジネス その他
Wiiリモコンやバランスボードを使った作品も!「国際学生対抗バーチャルリアリティコンテスト」東京大会
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■斬新な作品が続々と登場

06:ぐるぐるぐる(電気通信大学/じゃんぷ)

トイレットペーパーを引き出すと、ペーパーに照射された熊が走り出すという作品です。ペーパーを普通に引くと、熊がこちらを向いて走り出しますが、速度を速めると転倒し、その後は向こう側に走り出すなど、ちょっとしたインタラクションが楽しめます。ペーパーは全長50メートルで、フィルターなどに使われる不織布を用いており、ロール幅で切断して使用しています。ロールにはモーターが内蔵され、エンコーダーで回転数を計測して熊を動かし、プロジェクターで表示する仕組みです。コンセプトは「ムダ使いの楽しさ」で、ローラーを軽く回転させるめに、モーターでうまくアシストさせる点に苦労したとのことでした。体験者から口々に「かわいい」と声が挙がっていたのが印象的でした。


想像以上にくっきりとキャラクターが表示される

プロジェクターで照射し、鏡で反射させる仕組みだ


07:Scape of You(電気通信大学/ファイヤーパンチ)

「指紋」をモチーフにしたユニークな作品です。はじめにスタンプ台を用いて指の指紋を紙に採取します。次に紙をスリットに差し込むと、指紋の形状が画像認識され、ディスプレーの上に大きく表示されます。スキャナーには頭皮などを観察するUSBマイクロスコープを用いており、レーザープリンターと同じように、ディスプレーの上に電荷を帯びた粉を吹き付け、プロジェクターの光で感光させることで指紋を浮き上がらせる仕組みです。ディスプレーは全て手作りで、何種類も電荷分を自作し、最適な調合割合を出すのに苦労したそうです。「指紋は一人ひとり違っていて、形状も美しいので、これを大きく、美しく見せたかった」とコンセプトを語っていました。


はじめに名刺大の紙に指紋をスタンプする

指紋というパーソナルデータを利用している点がユニークだ


08:うそ科学シリーズ レンズのふしぎ(岐阜大学/おかか)

レンズの特性をうまく活用した作品です。2基出展され、写真左側では凸レンズを前後に動かすと、レンズに映ったリンゴの木の向きは変わらないまま、実に見立てたボールがケース内で上下移動する様子が観察できます。距離によって凸レンズの像が拡大・反転する性質と、モーター制御で変わる鏡の傾きが連動する仕組みです。右側では凸レンズに浮かぶ塩の瓶の像が距離によって変化すると、モーター制御でシーソーの力が加減され、瓶の質量が変化したように感じられるというもの。どちらもPCを使用していない点がユニークで、昨年度の審査員特別賞に輝いた「Heaven's Mirror」に連なる作品です。展示中にレンズが雲ったり、モーター音が聞こえてしまう点は、もったいなく感じられました。


2つの作品が展示された

いかにも「電子工作」といったスタイルが雰囲気を高めていた


09:人間椅子(東京大学/変態)

江戸川乱歩の小説「人間椅子」をモチーフにした作品です。2人で体験し、右側の椅子はそのまま、左側の椅子には左右の太股に長方形の板を紐で装着して座ります。右側は椅子の上、左側は椅子の中という設定で、右側の体験者の体重移動による動きが、左側に板を通して伝わる仕組みです。板の内側はジェル製でやわらかく、ヒーター装着で長時間プレーしていると、太股がじわっと生温かくなる点がユニークです。右側の体験者が立ち上がったときの、一瞬の解放感もユニークでした。入力センサーにはWiiバランスボードが2台使用されており、PCで信号を解析して、右側の椅子に伝えています。「夫婦やカップルのコミュニケーションを深める」ことがコンセプトだと語っていました。


カップルで体験すると楽しいが、男性2人組だと魅力も半減?

Wiiバランスボードをいち早く入力センサーに活用した


10:月のか〜べぇ(東京工業大学/か〜べぇ)

ゲーム「星のカービィ」をモチーフにした作品です。画面内には豚が歩いており、吸引型デバイスを口の前に当てて息を吸い込むと、画面内で風が巻き起こって豚を吸引できます。ある程度吸引したところで、再度吸い込むと、ごくんと飲み込めます。最後に息を吐き出すと、吸引した豚が画面の奥に吹き飛ばされ、敵キャラクターに攻撃できます。吸引デバイスにはマイクが内蔵され、息の音を周波数解析して、息の強さを測定する仕組みです。同大学の3D力覚デバイス「SPIDAR」を利用しており、棒で伸縮性のスクリーンを内側から押し込み、吸引の度合いを視覚的に表現できます。しかし当日は不具合で、スクリーンの伸縮が実現できなかった点が残念でした。


スクリーンに向かって息を吸ったり、吐いたりして遊ぶ

吸引部の下部にマイクがあり、呼吸音を解析する


本年度は早くも、WiiリモコンやWiiバランスボードを生かした作品が登場した点に驚かされました。Wiiリモコンの解析は世界中の大学などで行われており、ネット上でライブラリも公開されています。「人間椅子」チームも、学内の先輩が作成したライブラリを用いたため、実装は簡単だったと話していました。これらは中長期的にみれば、ゲーム業界の活性化にも繋がるため、個人的には奨励したいところです。

また「月のか〜べぇ」など、ゲーム文化の影響が色濃く見られる点も見逃せません。「La flèche de l'odeur」チームからも「Wiiで遊べない作品を作りたい」といったコメントが聞かれました。IVRCにWiiが与えた影響はかなり大きいようです。個人的には「かおさがし」「YOTARO」「ぐるぐるぐる」などが興味深く感じられたのですが、審査員にはどのように映ったのでしょうか? 

■大盛況となったハンズオン部門

続いてハンズオン部門の紹介に移りましょう。前述の通り、こちらは2平米以内に収まる作品で、7作品が展示されました。作品規模が小さいので、1人で作っても良いし、チームで作ってもかまいません。インスタレーション部門とは異なり、このうち1作品が本選に通過することになります。

11:Tearable−手でやぶる(大阪大学/MTT)

紙を引きちぎる感覚を再現した作品です。本体からキャタピラ構造のベルトが二個伸びており、両手で引き離すように回すことで、紙が破れる感覚が体験できる仕組みです。ベルトはモーター付きのロールで制御されており、マジックテープで触覚刺激を伝える仕組みが採用されています。お札・段ボール・新聞紙・雑誌と、負荷を4段階に切り替えることもできます。「それらしい感覚」を再現するための調整が大変だったとのことでした。ヒット玩具「∞プチプチ」を連想した体験者も多かったようです。

12:タッチザライト(慶應義塾大学/追憶の大地)

ふだんは触ることのできない「光」に触れられる作品です。体験者は反射材とカラーセンサーのついたデバイスを片手に装着し、赤・青・緑とスクリーンテーブル上で淡く光る6つの半球をなぞるように動かしていきます。すると作品上方に設置された赤外線カメラが動きを認識し、テーブル下部からプロジェクターで光が投影され、手の軌跡が表示される仕組みです。同時にサウンドも流れ、幻想的な雰囲気が味わえます。軌跡の色は最後に触った半球と同じになり、次々に半球を触ることで、光をブレンドできます。


アート的な作品で、見た目にも美しい


13:アソブレラ(大阪大学/アトム)

雨天時に傘にあたる雨粒の刺激を再現するという作品です。ビニール傘を利用したデバイスで、骨組みにスピーカーの構造を模したセンサーが組み込まれています。入力側の傘に伝わった刺激が、PCを経由してアンプで増幅され、反対側の傘にサウンド情報として伝わり、刺激を再現する仕組みです。リアルタイム伝送以外に、あらかじめ収録した刺激も再生できます。大量のパチンコ玉の刺激など、雨以外にさまざまな刺激のデモを行っており、「単純な仕組みだけど、よく再現できている」と、感心の声が挙がっていました。


ビニール傘の強度が絶妙にマッチしている

動作原理はスピーカーと同じだ


14:積み木予報〜バランスどすえ〜(京都大学/地下職人〜再来〜)

積み木遊びをモチーフにした作品です。積み木を重ねていくと、それぞれの積み木に加えられている力が計測され、バランスを崩しそうな積み木がどれか、スクリーンに色別で表示されます。バランスのとれている積み木は緑、若干不安定なものは黄色、手を離すと崩れるものは赤色で表示され、遊ぶときの参考にできます。積み木の全体像を画像認識で解析し、個々の積み木に加えられた力を計測する仕組みで、会場では一定時間内にどれだけ積み木の端を伸ばせるか、という遊びが行われていました。


ph25 積み木の状態がリアルタイムでわかるのは新鮮


15:触憶の箱(慶應義塾大学/Midfirex)

指先の触覚の記憶を活用した作品です。箱の中には迷路が設置され、体験者は指先で辿りながら迷路を進んでいきます。迷路の床面や壁にはさまざまな材質のテクスチャが張られており、指の位置に対応した画像がディスプレイに表示されます。この映像と指先の感覚を手がかりに、ゴールまで進んでいくのです。迷路底面には液晶温度サーモグラフシートが施されており、指先で触れた際に生じる温度変化がカメラで撮影されています。これによって色の変化で座標を変換し、画像をディスプレイに表示させる仕組みです。


触覚と映像で迷路を進んでいく

迷路内の様子は常にPCでモニターされる


16:フシギデスク(東京工業大学/PON!!!)

机の下に両手を入れ、筐体内に設置された本型のデバイスをめくるように操作すると、机上モニター上の絵本がめくれるという作品です。絵本にはネコとネズミのキャラクターが登場し、ページをめくって紙の上をすべらせたり、はじき飛ばしたりできます。本型デバイスには側面にLEDが設置され、カメラで画像認識して、ページの傾きを計測する仕組みです。本の触感と、めくるというシンプルな操作、本を読むとの同じ視線で、バーチャルな物を触っている感触が生み出せるとしています。

17:おもみ(多摩大学/J-Balloon)

スクリーンの前でジャンプして、気球を上下に移動させ、風船をキャッチしていく体感ゲームです。大きくジャンプすると空気が抜けるという設定で、気球が下がっていきます。逆に細かくジャンプすると空気が入り、気球が上がっていくのです。気球は自動的に前方に進んでいくので、ゴールまでに風船をいくつキャッチできるかが競えます。スクリーンの左上方にカメラが設置され、これで体験者の動きが計測されています。これで動きの加速度を判定し、気球の上下動を制御しています。


名作「パイロットウイングス」を全身で遊ぶといった内容


今回驚かされたのはハンズオン部門の充実ぶりです。作寝間での個人部門では影が薄かったのも事実ですが、今年は作品のレベルが格段に上がり、中にはインスタレーション部門より興味深く感じられる作品も存在しました。やはり一人での開発は、さまざまな意味で限界があるということでしょう。もともと盆栽やウォークマンなど、小さくて精巧なモノを作るのは、日本人が昔から得意とするところです。今後のIVRCの主流になる可能性も感じられました。


■「i-tokyo」で最先端の作品に触れる

併設された「インタラクティブ東京」(i-tokyo)では、米シーグラフ2008に入選した作品の凱旋展示に加え、19作の国産インタラクティブ作品が展示されていました。この中には昨年のIVRC出展作品「虫HOW?」「Heaven's Mirror」も含まれています。前述の通り「虫HOW?」は昨年度のIVRC総合優勝に輝き、米シーグラフと仏ラバル・バーチャルにも出展されました。個人的に注目した作品とあわせて紹介しましょう。


「虫 HOW?」(電気通信大学)

振動モーターのついたリストバンドを装着し、蟻が腕をはい回る感覚を再現した作品です。触覚という点でも、蟻以外にゴキブリがはい回る点でもユニークな存在です。昨年度に比べて、一度に表示される虫の数が格段に増加していました。海外での反応を聞いたところ、日本人が「にやり」とするのに対して、外国人はさまざまな意味でリアクションがオーバーだったと語っていました。


ぞわぞわという虫の動きが腕に伝わってくる


「Heaven's Mirror」(東京工業大学)

鏡の世界とさまざまなインタラクションを楽しめる作品です。鏡を前後に回転させると、それにあわせて物がスライドする作品に加えて、今年は合わせ鏡を活用した作品も展示されました。合わせ鏡で一度に映るオルゴールの数が増えると、オルゴールから流れるカノンのパート数が増える仕組みです。CGやPCを使用しておらず、VRの広がりを感じさせる内容です。


作品の完成度もさらに向上した

合わせ鏡による操作が楽しい


Limpidual Touch(東京大学/慶應義塾大学)

両面にタッチパネルのついたディスプレイを装着し、両側から複数の人が同時に操作したり、ゲームが楽しめる作品です。画面は透明の無機ELディスプレイで、会場では「ブロック崩し」のような操作を二人で息を合わせながら行う、というデモが行われていました。画面が透明である点を生かして、裏側からタッチして操作する携帯型デバイス、などのアイディアも語られていました。


2人でキャッチボールするような感覚が楽しい


Wind Stage(金沢工業高等専門学校/明治大学)
 
風の情報を記録し、自由に再現できるシステムです。複数方向からの風情報を記録するWind Cameraと、風を再現するWind Displayから構成され、風のアーカイブ化が可能です。遠隔地の風を体験することもできます。ブランコに乗ったときの風の動きを事前に収録しておき、後から再現して人物の髪を動かし、他の映像に合成するなど、映画制作への応用についても語られていました。

Stop Motion Goggle(電気通信大学/東京大学/慶應義塾大学)

高速に開閉するシャッターを内蔵したゴーグルで、これをかけて動いているものを見ると、スローモーションや制止して見えるなど、通常とは異なった見え方が楽しめます。会場ではスロットマシンの絵柄が制止して見えたり、コインを回転させ、回転数に応じてさまざまな動きを観察する、などのデモが披露されていました。

MeisterGrip(東京大学)

ボタンやレバー操作ではなく、グリップの握り方でさまざまな操作を可能にする、遠隔操作向けのインターフェースです。握り具合を力ベクトル分布で取得でき、デバイスを握るだけでロボットハンドが操作できます。会場では2本のロボットハンドで物をつかんだり、動かしたりするデモが体験できました。


巨大ロボットを操縦するには必須かも?


■トップで予選を通過したのは意外にも・・・?

《小野憲史》

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