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最高の映像に負けない最高のサウンドはこうして作られた『ソウルキャリバーIV』インタビュー

7月31日に発売された『ソウルキャリバーIV』は、次世代機であるPS3、Xbox 360に初めて登場したシリーズ最新作です。『ソウルキャリバーII』、『III』、そして本作にもCRI・ミドルウェアのADXやSofdecが採用され、次世代機でも最高峰のグラフィックとサウンドを実現しています。今回の「DEVELOPER"S TALK」では、その中でもサウンドを中心に、人気シリーズ最新作にかける思いを、世取山[よりとりやま]プロデューサーをはじめ、開発陣に聞きました。

ゲームビジネス その他


―――Sofdecも使っていただきましたが、どの部分に使われているのでしょうか?

松元: モードセレクトで、ソウルキャリバーの束の部分に映像が映りこむ演出を行っているのですが、その部分のムービーをSofdecで再生しています。再生する際の負荷も低いので助かっています。

オプション画面でルーカスアーツからのメッセージが見られるのですが、そこもSofdecで再生しています。

Sofdecを使った演出


世取山: オープニングシーンについては、実はリアルタイムなんです。リアルタイムでやっていると言わないとわからないので、会う人会う人に、「これリアルタイムなんです」と言っているんです(笑)自分で作ったキャラクターをオープニングに登場させることができるのも、リアルタイムならではの面白い要素のひとつだと思います。

松元: ADXのファイルシステムを使って、BGMを鳴らしている裏で一生懸命データを読み込んでデータを展開させて、次のデータを読んで、という風に実現しています。定期的に数十MBのデータを読み込んでいます。非常に根気のいる作業でした。

―――世界同時発売という点での苦労はいかがでしたか?

世取山: 世界同時なのでローカライズも同時進行になります。これまでは日本語版を作って、それを北米向けにローカライズして、更にそれを欧州言語対応にしていくという工程を経て製品を発売していました。それが今回は日本語版のテキストを作ったら、それをすぐに英語に訳して、更に欧州言語に対応させていくというように、期間を分けずに同時進行していきました。難易度の高い仕事だったと思いますが、近年のワールドワイドに展開していく作品はどれも世界同時発売を実現していますし、なるべくタイムラグを無くして発売するというのは、私たちも必ず実現させないといけない挑戦でした。

―――全世界でのオンライン対戦も苦労されたのでしょうか?

世取山: やはり、通常は海をまたいだ対戦というのはタイムラグがひどかったりするのですが、ソウルキャリバーでは思ったよりもなめらかな対戦プレイが楽しめると思います。また、対戦では実力のある人はもちろん勝てるのですが、キャラクターを上手にカスタマイズすることで今まで勝てなかった相手に勝てるようになったりします。キャラクターのカスタマイズも対戦の重要な要素といえますね。

―――キャラクタークリエイションも更に充実しましたね

世取山: そうですね。是非オリジナルキャラクターを作って、ネットワークに繋いで対戦してみてください。『III』ではキャラクターは作れても、それを披露する場がありませんでした。今回はちゃんと見せられる場を提供していますので、どんなキャラクターが出てくるか楽しみです。色々なパーツを組み合わせるだけじゃなくて、体型や髪のカラーも変更できるし、声やピッチも変えられるんですよ!

畠: 声のピッチの変更にはADXの機能を使っています。できるかなあ、と思って問い合わせたらできるということで(笑)

―――なんと(笑)。もともと用意されていた機能なんですが、あまり使われる機会が無い機能だったんです

世取山: 普段あまり使われない機能が華々しくデビューしたわけですね(笑)

キャラクタークリエイションで思い思いのキャラクターで戦おう


―――色々なチャレンジが盛り沢山の今回の作品だったと思いますが、何かやり残したことがあるとすればどんな部分でしょうか?

世取山: 今回は待望のオンラインにようやく踏み出せましたが、オンライン分野にはまだまだ世界が広がっていると思います。今回は本当にベーシックな部分ですが、もし次回作が許されるのであれば、そういう部分に取り組んでいきたいですね。

岩永: もう持ち駒がないくらい出し尽くしました(笑)。あえて言うなら、シームレス性の追求でしょうか。若干伸びてしまったロード時間をいかに工夫してユーザーさんを待たせないか考える必要があると思います。色々と工夫してアニメーションを流したりしていますが、何とか待たせても飽きないような仕掛けが必要じゃないかと思っています。

中鶴: これからはもっとリアルタイムの処理が求められてくると思います。今はストリームで逃げている部分もメモリが増えればリアルタイムに処理できるようになります。本作のようにキャラクターを作成できて、さらに武器やアイテムが何万通りもの組み合わせがある中で、それぞれの武器やアイテムに対応した音を用意するのは不可能です。リアルタイムに音を加工して鳴らすような処理ができなければ難しいですよね。実際に今回は一部そういう工夫も取り入れているのですが。

―――それでは毎回恒例の質問になっているのですが、ユーザーさんへのコメントと、今回のプロジェクトで得たものや、他のゲーム開発者の方に一言コメントを下さい

畠: ボイスの実装を担当したこともありますが、ぜひ声を聞いてみてください。声はゲームの中で一番人間味を表現できる大事な部分だと思ってます。開発者の皆さんもボイスの実装には手を抜かないで欲しいと思います。


松元氏
松元: キャラクターを前作以上にカスタマイズしまくって遊んで欲しいと思います。キャラクターを作ってオンラインで遊んでナンボだと思いますので、楽しんで下さい。

岩永: うちのチームが持てる限りの力を尽くしたゲームになったと思います。美しいグラフィックもありますし、中鶴達が頑張ってくれた素晴らしい楽曲もあります。今回は自分の中に感じた違和感を消しながら作っていったゲームです。作り始めた頃の物を見て違和感を覚えた部分を修正していく、そうやって磨いていきました。これも一つの考え方かなと思います。

柿沼: 攻撃がヒットする音やBGMのクロスフェードなど主張したい個所は沢山ありますが、できればそういうことは意識せず遊んで欲しいですね。先ほどもありましたが、キャラクターを作ってオンラインで遊んで欲しい、現に開発中もそんな風に楽しんでいました。普通に遊んでいる中で、SEやBGMが頑張っているのにもし気づいて貰えたなら嬉しいです。同じ立場に居る人たちに対しては、サウンドは目立ちすぎても、目立たなさすぎても良くないという難しいポジションですが、目立つけれど裏方という立場でサウンドを作って欲しいですね。

中鶴: 柿沼が言ったように、色々と仕込みはしてますが、サウンドはユーザーさんが気にせずにゲームに没頭できるようにするものだと思うので、気にせずに没入感や存在感を味わって貰えれば嬉しいです。ほかのサウンドクリエイターさんに対しては、どうしても次世代機ということでグラフィックに目が行きがちですが、映像に見合った音を作らなきゃいけないと思っています。頑張っていきましょう。


世取山氏
世取山: 前作ソウルキャリバー?から、早いもので三年近く経ちました。いよいよソウルキャリバー?の発売となります。

今回は、PS3とXbox 360のマルチプラットフォームでより多くのユーザーに遊んでいただけると思います。「ダース・ベイダー」、「ヨーダ」、「アプレンティス」といった豪華なゲストキャラクター達も迎えることで、今まで手に取ることの無かったユーザーにも、きっと満足いただける内容になっていると思います。また、以前から要望の強かった、オンラインで世界の人々と熱い対戦を繰り広げることも可能となっています。是非この機会をお見逃し無く、手にとってとことん遊びたおしてみてください。
    
志を同じくする同業の方々へ・・・本シリーズも、今回でシリーズ13年目を迎えます。10年以上も同じシリーズを続けていくと、色々なものに麻痺してしまいがちですが、常にユーザーが欲求するものや、そのまた先にあるものを追い求めることで、この年月ここまでなんとかやってこられたのではないかと思っています。いつまでも世界中のユーザーの笑顔をイメージして、日本発のコンテンツの力で、業界全体を盛り上げていきましょう!

―――本日はありがとうございました!



(ここからはサウンドルームで5.1chの音を聴かせていただきながら中鶴さんにもう少し音作りについて聞きました)

と、会議室でのインタビューはここまで。その後、未来研究所の中にあるサウンドルームに案内していただきました。音響と防音の設備が整った部屋で、二部屋あり、作った音を最終的に確認するのに使われたそうです。実際に『ソウルキャリバーIV』のオープニングや、戦闘シーンなどを聴くことができましたが、まるで映画館で聴くような美しく、そして迫力のあるサウンドに出席者一同、聴き入ってしまいました。


《土本学》

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