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【GTMF2008】ロード時間がないゲームを作るためには・・・CRI・ミドルウェア

ユーザビリティの面からロード時間の短縮は多くのゲーム開発者にとっての課題となっていますが、それは地道で非常に時間のかかる作業でもあります。CRI・ミドルウェアは先日発表した「ファイルマジックPRO」でロード時間を短縮するソリューションについてGame Tools & Middleware Forum 2008にて講演を行いました。登壇したのは同社専務取締役CTOを務める押見正雄氏です。

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ユーザビリティの面からロード時間の短縮は多くのゲーム開発者にとっての課題となっていますが、それは地道で非常に時間のかかる作業でもあります。CRI・ミドルウェアは先日発表した「ファイルマジックPRO」でロード時間を短縮するソリューションについてGame Tools & Middleware Forum 2008にて講演を行いました。登壇したのは同社専務取締役CTOを務める押見正雄氏です。

「圧縮」でしあわせになろう! ゲームプログラマー必聴のユーザビリティ向上術とCRIWAREソリューション


CRI・ミドルウェアはCRIWAREのブランドで、サウンドのADX、映像のSofdec、DS向けのボイス圧縮・救声主、ファイルシステムのファイルマジックなど、1990年の設立以来、1300タイトル以上に採用されているゲーム機に特化したミドルウェアを開発しているメーカーです。今回紹介された「ファイルマジックPRO」はファイル圧縮・展開、パッキング、最適配置によってファイルサイズの削減とロード時間の低減を図るミドルウェアです。

講演では、2MBのファイルを使用し、ディスク上に1000個配置された2MBのファイルをランダムで10個ロードする場合と、2MBのファイルに「ファイルマジックRPO」で圧縮をかけ最適配置を行ったものを10個ロードする場合のデモが行われました。前者が約9秒かかったのに対して、後者は3秒強でロード完了し、その差は歴然でした。



ファイルがディスク上にバラバラに存在する場合、シークが発生してしまいロード時間が長くなります。最適配置を行って近くに並べておけば、その分だけロードは早くなります。また、圧縮をかけてファイルのサイズ自体を小さくすることでロードに要する時間が短縮されます。

押見氏によればゲーム開発者にアンケートを取ったところ、約半数がゲームデータの圧縮は行っていなかったそうです(音声やムービーは多くの場合圧縮される)。その理由としては、圧縮してもサイズが大きくなる場合がある、展開用に一時バッファを確保する必要がある、展開後のサイズが読めない、といった事が挙げられているそうですが、「ファイルマジックPRO」ではCRI独自のマジック・ディコンプにより展開時にワーク領域が不要になるなど、課題を吸収する仕組みが用意されています。



またこれまでは、最適配置を行うには、開発者が自分の勘に頼って、同時に使われそうなファイルを近くに並べていくという地道な作業をするしかなかったものが、「ファイルマジックPRO」ではテストプレイを行い、そのログを解析することで、自動的にファイルの近接配置を行ってくれるほか、ディスクに空き領域がある場合には、複数の箇所から多く呼び出されているようなファイルで自動的にデュプリケート(複製)を行ってくれます。これによって開発終盤に過大な負荷をかけることなくディスク上の最適配置を実現することができます。



「ファイルマジックPRO」は10月からSDKのダウンロードを開始するということです。

またCRI・ミドルウェアが提供/開発中の様々な技術についても紹介が行われました。

インサイドでは既にお馴染みのDS向けの音声圧縮ソフトウェア「救声主」や、「救声主」の追加プラグインとして提供されている、音声の再生スピードを変えることのできる「C-TST」、新しい物としては、モノラルの音声を擬似的にステレオにする技術も紹介されました。センターから流れるようなモノラル音声が、左右に奥行きのあるステレオに聞こえました。また、ムービーにα値を持たして、透過表示させる「パンチスルームービー」も紹介されました。



CRI Sofdecでは、「C-TST」の技術をムービーにも適用する技術が紹介されました。まだ開発中ということで写真などはありませんが、映像のスピードを自由に操作できる技術に会場はどよめいていました。ゲーム中で利用できる箇所も多そうです。

ゲーム開発に有用なミドルウェアを次々投入するCRI・ミドルウェアの今後に注目です。
《土本学》
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