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【GTMF 2013】30時間で8本のネットワークゲームが完成!UnityとPhoton Cloudのタッグで開催されたGameJamで見えてきたもの

ゲームビジネス その他

モデレータ役の中村康孝氏(Photon Cloud運営事務局)
  • モデレータ役の中村康孝氏(Photon Cloud運営事務局)
  • Unity部部長の鎌田泰行氏
  • Unity部副部長でUnityの「中の人」でもある安藤圭吾氏
  • Photon Cloudの解説を担当した事務局の常名隆司氏
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GTMF 2013大阪で19日、 Photon Cloudは「2日でネットワークゲームを作る ? Photon Cloud をメインとした GameJam レポート」と題した講演を行いました。

講演はPhoton Cloud運営事務局の中村康孝氏をモデレータに、日本Androidの会秋葉原支部Unity部(Unity部)より部長の鎌田泰行氏と副部長の安藤圭吾氏。事務局より常名隆司氏がパネリストとして登壇し、6月29日・30日に開催された 「Photon Cloud × Unity GameJam」の内容を通して、Photon Cloudの実装例などが紹介されました。

セッションは常名氏がPhoton Cloudの概要について紹介し、鎌田氏がPhoton Cloud × Unity GameJamの概要について紹介。最後にユニティ・テクノロジーズ・ジャパンの「中の人」としても活動中の安藤氏から、UnityとPhoton Cloudを比較する形で、その特徴が語られました。

Photon Cloudはスマートデバイスやウェブブラウザなど、さまざまなプラットフォーム上のゲームに対して、リアルタイム・マルチプレイヤー・マッチメイキングに対応したSDKとサーバーシステムをアドオンする、ネットワークゲーム向けネットワークエンジンです。開発元はドイツのExit Games社で、中枢部はC++で記述されており、快速さと高性能さを実現。Unityをはじめ、主要なゲーム開発環境向けSDKが用意されており、全世界で約3万本のゲーム開発・運営に利用されています。

最大の特徴は小規模ゲームであれば無料から使用できる点です。メールアドレスの登録を行えば、ダウンロードしてすぐにネットワークゲームの開発ができると常名氏は語ります。アメリカ・日本・アジア・ヨーロッパのマルチリージョンに対応しており、簡単な設定で全世界に対応できる点も魅力の一つです。ロビーサーバやマッチメイキングなど、ネットワークゲームで必要な足回りも完備。「ひとことでいえば、Unityで簡単にリアルタイムマルチプレイヤーゲームが作れるサービスです」とまとめられました。

続いて鎌田氏は「3月のUnite JapanでPhoton Cloudについて知り、非常に興味がわいたので、質問を投げかけた。それがきっかけになって、GameJamを行うことになった」と Photon Cloud × Unity GameJamの背景について説明しました。2012年5月に発足したUnity部は、これまで勉強会やイベントなどを通して「部員」の交流を図りながら、Unityについて知見を高めてきました。「そろそろ、またJamをしたいな」と思っていた矢先だったため、会場などを提供してもらえるという事務局の申し出は渡りに船だったと言います。ネットゲームを対象としたJamが異例だったことも挑戦心をかりたてました。

もっとも、誰もがPhoton Cloudの初心者だったため、事前に1時間程度の事前勉強会が開催されました。教える側も教えられる側も、みな初心者という状況でしたが、それでもサンプルプログラムを使いながら、ブラウザ上でキャラクターを表示させ、チャットできるプログラムの実装に成功。UnityとPhoton Cloudの接続から、ロビー入室、オブジェクト位置同期、チャットルームなど、基礎的な機能は全てできたといいます。実装例はこちら(http://p.tl/YXf8)にアップされているので、確認してみてください。会場でもデモが行われ、飛び入りでログインした受講者からは「(このキャラクターをバーチャル空間上で)48体並べてみたい」などの書き込みも見られました。

■Photon CloudにあってUnityにないものとは何か!?

続いて40名の参加者を集めて実施されたJam本番では、8チームが自由にゲームを開発し、全チームがオンラインゲームを約30時間で作り上げることに成功しました。中でも会場で紹介された『トロっ娘』は、円周上のレールの上を左右に移動しながら、中央から攻めてくる敵を背後から攻撃して倒していくというCO-OP専用ゲーム。UnityとPhoton Cloudの良さが組み合わさったゲームとして、Jam参加者から高く評価されました。全成果物はこちらにアップされています(http://p.tl/_UdU)

「すべてのチームがネットワークゲームを作れたことで、開発のハードルが下がったと実感した。参加者の技術レベルもGameJamをやる度に上がっている」(鎌田氏)。実際、約30時間で8本のネットワークゲームが完成したGameJamというのは、他に例を見ない成果でしょう。こうしたことから鎌田氏は「Photon Cloudは非常に使いやすいサービスだ」と強調しました。

ただし、Unityにもネットワーク機能はデフォルトで実装されています。これとの違いは何なのでしょうか? この点について安藤氏は「UnityとPhoton Cloudではネットワーク機能の考え方に大きな違いがある」と分析します。その上でPhoton CloudはUnityにはない、さまざまな便利な機能が存在しており、Unityの機能をうまく補完してくれるサービスだと結論づけました。

Unityではネットワークゲームをプレーする時、ユーザーの誰かがホスト役となり、そこに他のユーザーがぶら下がる形となります。そのためホスト役ユーザーの通信環境に大きく影響を受けることになります。通信障害などでホスト役ユーザーがネットワークから落ちると、その時点でネットワークゲームが継続できなくなってしまうのです。この対策にはさまざまなテクニックが必要で、自社でホストを立てる必要もあるなど、敷居が高いといいます。

一方でPhoton Cloudではホストという概念はなく、かわりにPhoton Cloudが管理するROOMが存在します。ユーザーの一人がROOMの権限を委譲され、他のユーザーがそこにぶらさがるのは同じですが、仮にROOM内のユーザーがネットワーク上でロストしても、ROOMを管理しているのはPhoton Cloudなので、すぐに他のユーザーに権限が委譲されます。こうしてネットワークゲームが継続できるのです。特に通信環境が変化しやすいモバイルでのネットワークゲームで、この機能の有無は大きいといいます。

他にPhoton Cloudではオフラインモードやフレンド機能が存在したり、APIがわかりやすかったり、ROOMとPhotonプレイヤーに自由にプロパティを設定できたりと、Unityにはない便利な機能がいろいろ備わっています。「チーム戦の場合で各プレイヤーがどちらに所属するか。また各プレイヤーのHPや状態などをどのように管理するか。こういったこともUnityでは自分たちでプログラミングする必要がありますが、Photon Cloudでは必要ありません」(安藤氏)。このようにUnityとPhoton Cloudは互いに補完関係にあり、ぜひセットで使って欲しいとアピールされました。

GlobalGameJamでもネットワークゲームのアイディアがしばしば見られますが、実際には時間切れで実装に至らない例も少なくありません。そうした中で今回のように、ネットゲーム縛りのGameJamが開催され、一定の成果を出したということは、大きな意味を持ちそうです。来年のGlobalGameJamでは、Photon Cloudを活用するチームが増えるのではないか・・・そんな予感も抱かせたセッションでした。またコミュニティと二人三脚で広げるミドルウェアという点でも、興味深い事例となったのではないでしょうか。
《小野憲史》

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