昨年6月に英国の映像やゲームの審査機構であるBBFC(The British Board of Film Classification)は、非常に残虐な表現を多数含んでいるとして『マンハント2』にレーティングを付与しないという決定をしました。レーティングのないゲームは販売することができず、事実上の発売禁止の措置です。これに続いて米国でもESRBが18歳以上対象(18禁)のレーティングとすることを公表しました。
18禁のレーティングや、そもそも発売ができないとなれば大きな打撃を受けるロックスターでは表現の修正を行ったバージョンを制作、ESRBは修正版を受け入れM(Mature/17歳以上対象)として10月末に発売になりました。しかしBBFCは修正後のバージョンも審査を拒絶し、発売できない事態が続いていました。
BBFCの決定に同意できないコンテンツ事業者は独立した審査機構を持つVideo Appeals Committeeに提訴することができると定められていて、ロックスターは提訴、逆転で18歳以上対象のレーティングを付与するという決定を得ました。これに対して、BBFCは更に法廷で争う事も可能と定められていますが、断念し、18歳以上対象のレーティングを決定しました。
BBFCがここまで強硬な態度を示したのは、このゲームの前作に影響されて少年が友人を殺害するという事件が英国で発生していることが大きいものと思われます。BBFCのDavid Cookeディレクターは「私達は2度レーティングを拒絶し、再び法廷で争うことも検討しました。しかしそれは逆に大きなリスクを伴うものと判断しました」と苦渋の選択だったと述べています。
ロックスターでは責任を持って年内にゲームを発売するとしています。
編集部おすすめの記事
ゲームビジネス アクセスランキング
-
ゲームで使うためのスクリプト言語開発とは〜 IGDA日本SIG-GTレポート
-
ポケモンUSAの社長が交代
-
【CEDEC 2016】技術から語る『龍が如く』の10年──特殊エフェクトや物理エンジンの取り組み
-
「日本と海外におけるゲーマーにとってのリージョン制限」・・・イバイ・アメストイ「ゲームウォーズ 海外VS日本」第22回
-
Cygames、コンシューマー向けアクション『Project GAMM』を発表!元マーベラスの高木Pが指揮を執る完全新作ゲーム
-
ポケモンはここで作られる!ゲームフリーク訪問記(前編)
-
【CEDEC 2017】AIは『人狼』をプレイできるのか!?カオスな人間vs AI戦も展開されたセッションレポ
-
『モンハン』シリーズに「チャチャブー」は戻ってきますか?―Redditインタビューに辻本P「現状予定はない」
-
新春カプコンプロデューサー対談 川田将央×新妻良太 (後編) カプコンプロデューサーの仕事術
-
【CEDEC 2017】ゲームの特許は難しくない!だれでもわかる効果的なゲーム特許の取得方法