◆囲みインタビューの様子をお届け
イベントの終演後に小高氏、打越氏、木村さんの3名に囲み取材を行う機会を得たため、インタビューの様子をお伝えします。

――イベントの感想や『ハンドラ』1周年を迎えたことに対する思いを聞かせてください。
打越:夜の部の方は客席で見ていたのですが、昼公演より夜公演の方が温かかった気がします。昼の部のサプライズゲストが僕だったせいでしょうか…申し訳ないです(笑)。エンディングの朗読劇はやはり感動してしまい、周囲のお客さんが僕がいることに気づいていたので、泣いたら恥ずかしいなと思って堪えていましたが、全体的に素晴らしいイベントだったと思います。
小高:昼の部で発表したファンアンケート結果の「好きなエンディング・ルート」で、打越が執筆した「SF編」がランクインしていましたよね。SF編は辿り着くまでのハードルが高いルートでプレイしていない人も多いと思いますが、自分の持ち味を打ち出してユーザーを信じているのがすごい。自分に内緒でシナリオロックを入れており、SF編で全員死なないことを知らなかったので、「全員生きててくれ」とハラハラしながらプレイしました。
打越:制作の早い段階で、「全員死なない」と伝えてましたよ(笑)
小高:言ってましたっけ?忙しくて忘れていました(笑)
木村:『ハンドラ』リリースが1年前だと、未だに信じられていないんですよね。収録自体は2年前ですが今アニメの現場に行っても、『ハンドラ』で開けた引き出しの応用もさせていただいているので、声優キャリアの序盤に澄野を演じられて幸せです。
――今後『ハンドレッドライン』で成し遂げたい野望はありますか?
小高:直近だともちろんアニメ化ですね。なぜやりたいかというとシミュレーションRPGだったので、アクションとして特防隊メンバーが入り乱れて侵校生と戦うシーンは、ゲームでは見せきれていないんですよね。そこに伸びしろがあると思いますし、作品の特質上「アニメも別ルートでした」と言えてしまう構造ですし、新しい『ハンドラ』を見せられるんじゃないかという手応えもあります。あとDLCに関しても、違法建築のようなゲームにして「なんじゃこりゃ」と言われるようなカルトゲームにしたいという野望はあります。
木村:僕は澄野が『スマブラ(大乱闘スマッシュブラザーズ)』に出演してほしいです。
小高:それは無理ですよ(笑)。
木村:いやいや、わからないですよ(笑)。可能性を信じています。
打越:アニメ化以外だとスピンオフもしてみたいですね。例えば面影の暗殺日記のように一人ひとりにフィーチャーして、それぞれ異なるスピンオフをしても面白いかなと。
小高:特防隊の前に戦争していたメンバーを描く、『HUNDRED LINE 0』も面白いかもしれませんね。
――DLCのお話がありましたが、どれぐらい実現できそうなのか。実現したらどのようなシナリオを執筆したいかを教えてください。
小高:イベントでメディアミックス展開を発表しましたし、『HUNDRED LINE 3』と言えるくらいの大規模なDLCを実現したいですね。ただのファンアイテムではなく、DLC目当てにゲームを買う人がいるようなキッチリした作品を作ってこそ『ハンドラ』という気がしますし、安直な小銭稼ぎのようなDLCを出してしまったら、舞台の無茶振りに応えてくれた人たちにも悪いので、自分たちの心身を削って作りたいです。
ただゲームをまた1から作るような予算が必要になってくるので、『ハンドラ』をさらに広めてお客さんを獲得しつつ、DLC構想を常に練り続けています。「あれはどうだったんだろう」みたいな謎が残っている部分もありますが、語らないのがロマンではないかと思う部分もあるため、取捨選択しつつ新しい価値観を提供するようなルートを作りたいです。
たとえば新しい新入生が入ってきてもいいかもしれないし、東京団地だけで終わるような話があってもいいかもしれないし、新しい敵が出てくるのもいいかもしれない。僕自身『ハンドラ』は最初で最後の自社IPだと考えているので、クリエイターの集大成としても長く付き合い続けたいなと思っています。
打越:全部小高に言われちゃいましたね(笑)。僕としては敵とは一切戦わない、東京団地で純粋な学園モノをしてみたいです。キャラクターが全員魅力的なので活かしたい思いが強いです。あと舞台や漫画など他メディアに広げられるので、ゲームで明かされていない謎がそっちで解決されるかもしれない。そういった展開も楽しみにしていただければと思います。
小高:「キメツ学園!」のような学園モノはいいかもしれません(笑)。僕は「〇〇〇ライク」と言われるような作品は作りたくないので、DLCを作るなら主人公たちが都市伝説を解体したり、魔法少女たちが学級裁判をしたりするようなタイトルがいいですね!
――(笑)。夜の部では舞台化が告知され、13公演中10公演が異なるシナリオになると発表されましたが、経緯やルート選定について詳しく聞きたいです。
小高:「公演ごとにシナリオを変えたらいいのでは?」というのは、打ち合わせで僕がポロっとこぼしたのがきっかけでしたが、その方が『ハンドラ』らしいだろうと進んでいきました。どういうルートにしたらお客さんの満足度が高くて、どれくらいゲームから変えれば成立するのかは、舞台チームやアニプレックスの稲生舜太郎プロデューサーがコントロールしており、僕はそれをチェックする立場です。
どちらにせよ大変な舞台になることは間違いないですし、『ダンガンロンパ』に縁のあるキャストも出演します。キャスト全員覚悟をもって作り上げているので、ぜひ見に来てください。
――特典付きS席チケットには、書き下ろし小説「特防隊前日譚FILE04 飴宮怠美の変身」も付いてくるのですね。
小高:ゲーム予約特典の「特防隊前日譚FILE03 雫原比留子の初陣」を書いた小山(恭平氏)が、今回も執筆して僕が監修しています。少し薄暗い話になってますが、すごく面白いのでぜひ読んでほしいですね。
――イベントには女性ファンが多かった印象がありますが、ファン層はどのように捉えられていますか?
小高:やはり『ハンドラ』ファンは女性の方が多いと思っています。これまでのイベントは中国・スペイン・北米など海外が中心で、日本のファンの方と触れ合うイベントは久しぶりでしたが、改めて日本にも『ハンドラ』を愛している方がいたんだと実感できてありがたいです。
日本のファンは、優しく見守って支えてくれる印象がありますが、今日楽しんでくれている表情が直接見れたことで、「もっと盛り上げていかないといけない」という気持ちになりましたし、背中を押された感覚があります。
木村:昼の部には外国の方も来ていましたよね。僕のファンは中国やインドネシアなど半分ほどが外国の方で、本当に『ハンドラ』がグローバルなタイトルだと感じてます。たくさんのファンの方を前にする機会は近年だと限られているので、今回は貴重な経験でしたしファンから力をもらって、『ハンドラ』をさらに好きになる一日でした。
――『ハンドラ』は海外人気も高いのですか?
小高:まあまあ人気はあると思いますが、まだポテンシャルはあるとも感じていています。ちなみに去年の話題作を色々プレイしましたが、シナリオという点で見れば『ハンドラ』が一番面白かったと客観的に考えています。たとえば朗読劇でも使われた「真相解明編」エンディングは、そのシーンだけ切り取っても感動できますが、そこに至るまでの積み重ねがあるからこそ強いエンディングになっています。
僕らのゲームは漫画・アニメライクな作風なので、海外のコアゲーマー層には少し敬遠されがちですが、ハードコアなタイトルに負けないくらい人の心を揺さぶるシナリオが書けたので、食わず嫌いせずにプレイしてもらいたいです。
――アニメ化が実現したら、さらにグローバルで人気になりそうですね。
小高:アニプレックスなので、「鬼滅の刃」のようにグローバルな人気が出るでしょう(笑)。
――最後にファンに向けてメッセージをお願いします。
小高:ファンの皆さんの応援があったからこそ、ここまで生き延びてこられたと思っているので、本当にありがたいと思っています。毎作ユーザーとの勝負だと考えており、「買ってください、お願いします」と思いつつ、それ以上に「絶対に魅了してやる」という気持ちで作っています。
特に『ハンドラ』は借金をして、長い年月をかけて会社が潰れるかもしれないという覚悟で勝負をかけた作品でしたが、日本ゲーム大賞などアワードで結果を出せたので、追い詰められた状況で結果を出す僕を褒めてあげてほしい(笑)。そうしたらもっとやる気になるかもしれません。
木村:これだけ愛されているゲームで、主人公を演じさせてもらって光栄です。最初は「倒産するかもしれない」というスタートでしたし、色んなことを『ハンドラ』で経験しすぎて忘れられないというか、『ハンドラ』に呪われているんですよ(笑)。
ファンの熱量をずっと持ち続けてほしいですし、持ち続けられるように澄野拓海という男をまだまだ演じていきたいので、よろしくお願いします。
打越:ファンの方は『ハンドラ』の面白さに気付いていない人に、引き続き布教してほしいです。プレイに一番抵抗感があるのはプレイ時間が長い点だと思うので、布教するときに「このルートがオススメ」と一緒に言ってあげればプレイしてもらえるのではないかと。
遊んでいるうちにハマってしまうと思うので、取っ掛かりとして1ルートだけでも勧めていただければ。
――ありがとうございました!














