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開発陣が『スターオーシャン6』に付けた点数は? 「VA」などの斬新なシステムが生まれた経緯からおすすめの攻略法まで【インタビュー】

シリーズファンや新規ユーザーから注目を集めた『スターオーシャン6』が発売され、多くの方がプレイに興じています。そんな話題作を作り上げた開発陣から、発売後だから話せる内容などを伺いました。

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開発陣が『スターオーシャン6』に付けた点数は? 「VA」などの斬新なシステムが生まれた経緯からおすすめの攻略法まで【インタビュー】
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1996年に、記念すべきシリーズ1作目『スターオーシャン』が発売されました。当時はまだターン制RPGも多い中、リアルタイム性を盛り込んだバトルを導入。また、RPGには珍しかったSF要素を盛り込んだ物語も注目を集め、確かな存在感を放ちました。

そうした人気をきっかけにシリーズ展開を遂げ、1998年に『スターオーシャン セカンドストーリー』、2003年には『スターオーシャン Till the End of Time』が登場するなど、着実にナンバリングを重ねていきます。

また、過去作のリメイクや外伝作、コミカライズにTVアニメなど、多彩な広がりも見せた『スターオーシャン』シリーズですが、一方で空白期間が生まれることもあり、シリーズファンが新展開を待つ場面が少なからずありました。

そんな本シリーズのナンバリング最新作『スターオーシャン6 THE DIVINE FORCE』(以下、スターオーシャン6)が、10月27日に発売。すでに多くの方々が、本作のプレイに興じており、その手応えに対する反響などがSNSに広がっています。

『スターオーシャン6』は、シリーズの魅力であるSF要素を継承しつつ、短距離を高速で移動する「ヴァンガード・アサルト」という新システムで、バトルに新たな刺激を加えました。またバトルのテンポも、アクションRPGと見まごうほどのスピーディさを備え、令和の時代に相応しい『スターオーシャン』に仕上がっています。

揺るぎない魅力と斬新な要素を両立させた『スターオーシャン6』は、果たしてどのようにして作られたのか。また、「ヴァンガード・アサルト」が生まれたきっかけは何だったのか。魅力的な本作だからこそ、こうした点が気になる方も多いことでしょう。

そこで今回、プロデューサーの向峠慎吾氏(むかいとうげしんご)と、ディレクターの荒川健太郎氏(あらかわけんたろう)をお招きし、数々の疑問に答えていただくインタビューを実施しました。

今だから言える話や開発陣おすすめの攻略法など、発売前には聴けなかった話もたっぷりあるので、プレイ中の方はもちろん、『スターオーシャン6』を遊ぶかどうか悩んでいる方も、このインタビューをひとつの参考にしてはいかがでしょうか。

■「VA」や「ダブルヒーローシステム」を用意した経緯は?

──まずは、読者の方々に向けた自己紹介をお願いします。

向峠慎吾氏:『スターオーシャン6』でプロデューサーを担当した、トライエースの向峠です。開発全体を統括し、色々なことをやりました。

荒川健太郎氏:ディレクターを務めました、トライエースの荒川です。自分は開発を統括する立場でして、企画書以外のシステムの概要を決めて、細かいところは各担当と相談しながら詰めていきました。

──それでは最初に、本作が開発されたきっかけをお聞かせください。

向峠氏:本シリーズは、ナンバリングの前作に当たる『スターオーシャン5 -Integrity and Faithlessness-』の後、スマホ向けに『スターオーシャン:アナムネシス』が登場しました。この『アナムネシス』がヒットし、ユーザーさんに受け入れられたという背景がまずあります。

前作の『スターオーシャン5』は、シリーズのリブートを目指し、過去のシリーズファンに向けたトラディショナルな作品として作られたものでした。ですが、『スターオーシャン5』はあまり良い結果とはならず、一方でアクション性を高くするなど、大きく方針を変えた『アナムネシス』は新たなユーザーさんが増えたりと、広く受け入れていただきました。

この『アナムネシス』の成功をきっかけに、『スターオーシャン6』を開発する流れが生まれ、『スターオーシャン5』の反省を活かして「新しい『スターオーシャン』を目指そう」と方向性も定まりました。

ただし、「新しい『スターオーシャン』」といっても『スターオーシャン』らしい部分はしっかりと受け継ぎつつ、そして『アナムネシス』で好評だった要素などを入れながら、新たなユーザーさんにも入ってきてもらえるような作品にするべく、開発がスタートしました。

──『アナムネシス』から取り入れた要素というのは、『スターオーシャン6』のどういった部分に当たりますか?

向峠氏:『アナムネシス』の中に、「チャージアサルト」という攻撃方法があり、これはバトルにスピーディな心地良さを与えてくれるものでした。この「スピーディなバトル」を本作にも導入しようと考え、「チャージアサルト」を発展させた「ヴァンガード・アサルト」(以下、VA)という上位のシステムができました。

この「VA」は『スターオーシャン6』を楽しむ上で非常に重要な要素になっていまして。「DUMA」がいることで「VA」が可能になるため、ゲームシステム的にも欠かせませんが、「DUMA」はストーリーにも関わる重要なキャラなんです。

──「DUMA」の存在が、様々なアクションとストーリーに深く関わっているんですね。

荒川氏:はい。この「DUMA」を中心に、『スターオーシャン6』の方針が固まっていきました。

──『アナムネシス』で好評だった要素を「ヴァンガード・アサルト」に昇華し、それを担う「DUMA」を軸に据えたのが『スターオーシャン6』の方向性だったんですね。ちなみに本作を開発する上で、目指した目標などはありましたか?

向峠氏:『スターオーシャン5』は、シリーズのリブートを目指しました。そして『スターオーシャン6』では、「トライエースならではの、トライエースらしさをしっかり出したゲームを作らないといけない」といった想いが強かったですね。

「『スターオーシャン5』を超えよう」みたいなレベルでは全然足りないと感じており、新しいユーザーにも受け入れられるゲームを「ちゃんと作る」ことを意識しました。

──「ちゃんと作る」というのは、作品のどういった面に反映されましたか?

向峠氏:例えばそれは、ボリュームであったり、キャラクターであったり、トライエースらしいバトルのシステムであったりとかですね。シリーズの中でも最高のものを出さないとまずいだろうな、という気持ちで臨みました。

──開発する上で、意識したユーザー層などはありますか?

向峠氏:シリーズファンの中には、トライエースのゲームが好きという方もいらっしゃるので、「トライエースっぽいよね」という部分は残さないといけないなと思いました。

一方で、『アナムネシス』で増えた新しいユーザーさんというのも非常に重要で、そういう方にも遊んでもらえるようにと、その両面を意識して開発していましたね。

──『スターオーシャン6』は、「DUMA」に端を発する物語や「VA」も特徴的ですが、主人公を選択する「ダブルヒーローシステム」も目を引きます。冒頭のシーンも全く異なりますし、別れて行動する場面では「選ばなかった側の行動」を直接知る術がなく、非常に大胆だと感じました。この「ダブルヒーローシステム」は、どのようにして生まれたのですか?

向峠氏:シリーズの2作目『スターオーシャン セカンドストーリー』に「ダブルヒーローシステム」があり、これが好評でした。そのため、スクウェア・エニックスさんとお話を進めていく中で、比較的初期の段階から「ダブルヒーローシステムをやりたい」というご要望をいただきまして。

正直なところを言うと、作る方は大変なんですよ(笑)。ゲームを1周しかプレイしないユーザーさんにとっては、もう片方のシナリオは見ないし見れません。ですが、(ダブルヒーローシステムなので)作らないといけません。それだったら、1本で全部見れる方がいいよね、という話になりがちなんですよね。

ですが、『セカンドストーリー』の「ダブルヒーローシステム」は当時とても好評で、複数回プレイするようなやり込み派のユーザーに喜ばれるという面もありまして。その結果、「大変だけどやりましょう」という話になりました。

──なるほど。苦労を承知の上で、それでも採用されたんですね。

向峠氏:制作という意味では、本当に大変でした(笑)。

──ゲームシステムの面でいえば、本作の売りとも言える「VA」を封じ、「DUMA」の力を防御面に回す「エステリーケージ」というシステムもあります。これを使用すると、「VAアタック」を使ったこれまでの戦い方とはガラッと変わるので、非常に驚きました。この「エステリーケージ」についても、お話をお聞かせください。

荒川氏:「VAアタック」は見た目的にすごく分かりやすく、戦闘をすごく有利に運べるシステムなんですが、これだけを軸にしてしまうと、攻略が一辺倒になってしまうのではという危惧がありました。

そこで、「VAアタック」を封じてでもそちらを使うべき価値がある防御系のシステムとして、「エステリーケージ」を用意しました。「DUMA」の力をひとりに注ぎ込み、「VA」や「ブラインドサイド」を使う攻撃重視で攻めるか、仲間たち全体に「DUMA」の力を与えて防御を固めるか、その選択を提示することでバトルの幅が広がると考えて用意しました。

──これは自分の経験談なのですが、「VAアタック」を駆使するとかなり爽快かつ有利にバトルを楽しめる一方で、判断や操作のミスで窮地に追い込まれると、あっさり全滅することが何度もありました。勝手な憶測ですが、「エステリーケージ」はこうしたプレイヤーに向けた救済策という一面もあるのでしょうか?

荒川氏:デフォルトの難易度でプレイすると、「VAアタック」のごり押しである程度乗り切ることができます。ですが、スキルの発動やアイテムの使用をカスタマイズする「リンクコンボ」や、特別な効果を持つ装備品を組み合わせるなど、バトルに関する自由度の高さも本作が持つ特徴のひとつです。

状況に応じて各要素を使い分けると効果を発揮するシステムがたくさんあるので、「VAアタック」だけでごり押すのではなく、ほかの手段もあると気づいてもらえるように用意しました。こうした恩恵は、ゲームの難易度を上げてもらうと、特に実感できると思います。

──「VAアタック」を軸とする戦闘は確かに魅力ですが、『スターオーシャン6』のバトルはそれだけに縛られる必要はないんですね。

次ページ:“あの続編”への個人的な想いも語られる!?


《臥待 弦》
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