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『ソフィーのアトリエ2』はどう生まれ、どう進化したのか―序盤プレイと細井Pインタビューから紐解く

2022年2月発売予定の『ソフィーのアトリエ2 ~不思議な夢の錬金術士~』。プロデューサーの細井順三氏へのインタビュー内容、事前プレイレポートを織り交ぜ、その進化のポイントをご紹介します。

任天堂 Nintendo Switch
『ソフィーのアトリエ2』はどう生まれ、どう進化したのか―序盤プレイと細井Pインタビューから紐解く
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コーエーテクモゲームスに属するガストブランドの看板タイトルである「アトリエ」シリーズ。24年間にわたり、“錬金術”と“RPG”を組み合わせたゲームシステムが親しまれてきた本シリーズは、 2019年~2020年にかけて、初の主人公続投となった『ライザのアトリエ ~常闇の女王と秘密の隠れ家~』『ライザのアトリエ2 ~失われた伝承と秘密の妖精~』両作品の世界累計出荷本数が100万本を突破し、かつ来年にはシリーズ25周年という節目を迎えることから、その長い歴史のなかでも殊更、次の展開への注目が高まっていました。

そんななかPS4/スイッチ版は2022年2月24日、Steam版は2月25日発売予定の新作として発表されたのが『ソフィーのアトリエ2 ~不思議な夢の錬金術士~』です。こちらは2015年に「不思議」シリーズの第一作目として発売された『ソフィーのアトリエ ~不思議な本の錬金術士~』の続編で、 “完結したと思われた旧タイトルでの主人公続投”というシリーズ初の試みに、多くのユーザーが驚きの声を上げました。

その反響の大きさは、発表日の10月2日にTwitterトレンド入りするほど。そもそも本作の主人公・ソフィーは、シリーズ20周年のタイミングで実施された「キャラクター人気投票」で1位に選ばれる程の人気キャラクターで、いかに彼女と再び旅立てることを待ち望んでいたユーザーが多かったかを物語っていると言えるでしょう。

さて、そんな『ソフィーのアトリエ2』。物語の時系列は『フィリスのアトリエ ~不思議な旅の錬金術士~』の前―つまり『ソフィーのアトリエ』の直接的な続編に位置づけられます。『ソフィーのアトリエ』発売から約6年と3か月を経てリンクする最新作は、一体どんな進化を遂げているのか。TGS2021での発表のタイミングにて、ゲーム序盤のプレイと、本作プロデューサーであり、ガストブランド長の細井順三氏にインタビューする機会を得ましたので、それらを織り交ぜてご紹介しましょう。

培ってきた流れを活かした、新しいチャレンジとしての『ソフィー2』

「『ライザのアトリエ』『ライザのアトリエ2』の「秘密」シリーズは、“リアルタイムタクティクスバトル”であったり、“キャラクターデザイン”であったりと、ひとえに反響が大きかったと言っても、良かったところも悪かったところも含めてのものです。開発陣としてはそれらをしっかり受け止めて、これまでのファンの皆さんにきちんとお返しする必要があると思っていました。そこで、今まで培ってきた流れを活かした“新しい取り組み”として、「アトリエ」シリーズ25周年の記念タイトルに『ソフィーのアトリエ2』を発表しました」

一度集大成を迎えた過去作の主人公が、数年の時を経て再び新作の主人公となる、「アトリエ」シリーズとしては新たなチャレンジとなる本作。グラフィックやモデリングには正統進化を感じつつも、画面いっぱいに広がる世界は、「秘密」シリーズや「アーランド」シリーズとは違ったファンタジー色=“不思議らしさ”に満ち満ちています。


それをまず如実に感じるのが、ソフィーが夢幻世界「エルデ=ヴィーゲ」内で最初に辿り着く町「ロイテール」です。もちろん“不思議らしさ”だけでなく、前作(『ソフィーのアトリエ』)の「キルヘン・ベル」と比べて、スケールの大きさ、そして人々で活気づくその様子には、「秘密」シリーズから受け継がれてきた技術的進化が感じられます。

また、ロイテールにいる住人のなかには、話しかけると調合の材料を渡してくれるキャラクターも存在しています。そうした細かな遊びの要素から、町一つとっても、より探索の面白さが強化されていると言えるでしょう。

細かいかもしれませんが……操作をしてみて、まず筆者が個人的に気になったのは前作『ソフィーのアトリエ』に比べて、ソフィーがジャンプをしたときの滞空時間が短くなっている点。こちらについて細井氏に伺うと「社内で検討をした結果、滞空時間がある“アトリエジャンプ”は近年のタイトルでは控えめにしている」とのこと。とはいえ先述の通りグラフィック/モデリングはより可愛らしく洗練され、『ソフィーのアトリエ DX』でも追加されていたダッシュが標準搭載されていることから、ソフィーを動かす“気持ちよさ”は前作よりも着実にブラッシュアップされています。


また特筆すべきは、探索パート、バトルパート……あらゆる点においてユーザビリティが飛躍的に向上している点です。フィールドはより広大になっていますが、同一マップ内に複数のファストトラベルポイントが配置されていたり、次に進むべき場所や採取ポイントがより分かりやすく可視化されていたりしているので、サクサクと進行することができます。

「今まで我々が丁寧だと思ってきたことも含めてイチから見直して、とにかくテンポよくプレイできるよう、ストレスに感じられる部分をどう落としていくか、を意識して作っています」と細井氏。その一つとして、これまでのタイトルと同じく本作もシンボルエンカウントを採用していますが、フィールドからバトルへシームレスに画面が切り替わるので、素材収集のためのバトルをよりストレスフリーに繰り返しこなせます。

ターン制ならではの魅力が詰まった新しいバトル


バトルは新要素となる「マルチリンクターンバトル」を採用しています。こちらは前衛の“アサルトチーム”の3人と、後衛の“バックアップチーム”の3人で2組に分かれて戦うというもので、『リディー&スールのアトリエ』の「コンビネーションバトル」の発展形のようなシステムとも言えます。

基本的に接敵するのは前衛ですが、ポイントを消費することで後衛が代わりにガードをしたり、入れ替わりながら連続行動ができる“ツインアクション”があったりと、 仲間との連携を中心とした戦略性に富んだバトルが楽しめます。

そしてバトルにおいて、忘れてはいけないのが同じく『リディー&スールのアトリエ』の「コンビネーションアーツ」の発展型と言える“デュアルトリガー”。細井氏が「ターン制RPGだからこそできる演出」と話す、こちらはパーティー内の2人で繰り出す必殺技で、ツインアクションなどを行って専用のゲージを溜めることで発動できます。キャラクターの掛け合いも気持ちよく何よりド派手で、色んなパターンを試したくなること間違いなし。

不思議シリーズと言えば!な「パネル調合」


最後にご紹介するのは、シリーズの肝となる「調合」です。材料ごとに属性と形が違う錬金成分を、パズルのようにパネル上のマスへ配置していくシステムは健在で、マスに描かれた属性に合った錬金成分をはめ込んだり、多くのマスを埋めることで、より良いアイテムを調合することできます。

また、材料の中には★マークで表示された“リンク成分”を持つものが存在しており、同じ属性のリンク成分同士を上下左右いずれかに隣接させることで「リンク」を形成。そのリンクの数に応じて完成アイテムの効果レベルの上限値を上げるという新要素や、パズルがより複雑になる「リバースパネル」といったやり込み要素も追加されており、今回も多くのユーザーの時間を溶かすことでしょう。

ちなみに『ソフィーのアトリエ』では、ソフィーの「でっきたー!」の掛け声が多くのユーザーの心を掴んだ調合のリザルト画面。本作はドヤ顔バージョンがたまらなく可愛い……!

さらに、本作ではストーリーを進めていくと、プラフタによる調合も可能になります。一部のレシピはソフィー専用のもの、プラフタ専用のものとなっており、これら専用レシピの中には物語を進めるためのキーとなるアイテムも含まれています。


最後に、改めて『ソフィーのアトリエ2』という形で最新作をリリースするに至った理由を細井氏に伺ったところ「『ソフィーのアトリエ』はグッズなどのさまざまな展開でも好評でしたし、ソフィーたちの物語を見たい、といったご意見もいたただいていたことは、理由のひとつとしてあります。それに加えて、作りたい物語があったからという理由もあります。ユーザーの皆様が求めるものと開発陣の作りたいものが合致することから、『ソフィーのアトリエ2』を作りました」とのこと。

「「不思議」シリーズは三部作で物語が完結していたはずのに、なぜ今『ソフィーのアトリエ2』なのか疑問や不安を感じている方々もいらっしゃるかもしれません。しかし、我々はその点に関しては細心の注意を払っていますし、「アトリエ」シリーズ最新作として高いクオリティで作っていますので、ご安心ください!」と加えました。

PS4/スイッチ版は2022年2月24日、Steam版は2月25日発売予定の『ソフィーのアトリエ2 ~不思議な夢の錬金術士~』。天真爛漫なソフィーにどんな不思議が再び待ち受けるのか。そして本作発表により、今後の展開が無限に広がった「アトリエ」シリーズ。10月21日は新キャラクターの商人兼調達屋「アレット」と用心棒「オリアス」も発表されましたが、さらなる新情報に期待しましょう。

©コーエーテクモゲームス All rights reserved.

※掲載されている画面写真は開発中のPS4版のものです。

『ソフィーのアトリエ2 ~不思議な夢の錬金術士~』公式サイト:https://www.gamecity.ne.jp/atelier/sophie2/


《ジュイス内藤》
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