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UFO?お面?『あつまれ どうぶつの森』で採れる「メンダコ」は深海のマスコット!【平坂寛の『あつ森』博物誌】

『あつまれ どうぶつの森』に登場する生き物を、生物ライターが解説!第27回は「メンダコ」です。

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UFO?お面?『あつまれ どうぶつの森』で採れる「メンダコ」は深海のマスコット!【平坂寛の『あつ森』博物誌】
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※リアルの生物の写真が出てきます。苦手な方はご注意ください!
最近いよいよ水道水も冷たくなってきましたね。手や顔を洗うのも少しずつ億劫になってくる頃です。
海で泳ぐなんてとてもとても……。な季節ですが、『あつまれ どうぶつの森(以下『あつ森』)』の北半球ではいまだに絶賛海開き中。
どないなっとんねん!という気がしないでもないですが、作中アイテムの「スイムスーツ」は多分厚手のウェットスーツなんでしょう。きっと。

深海ブームの火つけ役!


というわけでリアルで海離れが進むにつれて『あつ森』で海の幸集めに勤しむ今日この頃。先日はこんな子が採れましたよ~。


メンダコ!!みんな大好きあのメンダコです。

メンダコは漢字で書くと「面蛸」。深海性の蛸の一種ですが陸上へ揚げると重力に負けて平らに広がり、お面のように見えることからこの名がつきました。


しかし、水中での様子はうってかわって非常にユーモラスでかわいらしく、メディアで紹介されるや深海のマスコットあるいはアイドル的な存在として人気が爆発!一躍スターダムを駆け上がり「深海ブーム」の火付け役となりました。
現在でも人気は衰え知らずで、続々とグッズが売り出されています。


▲水族館での展示用に捕獲され、ビニール袋の中で泳ぐメンダコ。うーん、不思議な生きもの!

なお、ゲーム中では素潜りで捕獲できてしまうメンダコですが、リアルでは水深200~
300メートル前後の深海に暮らしていることもあってそう簡単にはお目にかかれません。

深海生物に強い水族館で展示されることもありますが、そうした個体は底引き網で他の魚やエビに混じって漁獲されたものなのです。

▲深海底引き網漁で採れた深海生物たちの中にたま~にメンダコが混じる。

見た目も味もタコとは別物!


また、タコと名はつくものの僕らが普段目にするあのタコたちとはずいぶん外見が異なります。
本当にタコなの?と疑いたくなるところですが、ひっくり返してみると一目瞭然。たしかに脚は8本だし、吸盤もあります。

▲普通のタコ。見比べてみるとだいぶ違いますよね。

しかし、すべての脚はスカートのように膜で繋がれており、触手のように動くのは先端部のみ。さらに吸盤は非常に小さく、いかにも吸着力が弱そう……。
かなり両者の生活様式が異なっているであろうことが読み取れます。

▲メンダコの裏側。こうして見るとたしかにタコですね。

それからメンダコの特徴といえば耳のように見えるキュートなヒレ!
スカート状の脚で水を掻きつつ、このヒレをパタパタ動かすことで泳いで(漂って?)いるのです。



このヒレがあるか無いかで、きっとメンダコの人気は大きく違ったことでしょう……。
いやー、ホントにかわいい生物です……。

さらにさらに、メンダコは食べられます。
食べられますが、もちろん食用として流通することはなく、味も特においしいわけではありません。

▲メンダコの煮つけ

風味はタコっぽいんですが、肉は水っぽく食感もプニョプニョ。あのタコ特有のコリコリグニグニした強い歯応えや濃い旨味はありません。

そもそも僕らが普段食べている普通のタコ(マダコ、イイダコ、ミズダコなど)は海底で岩にしがみついたり、大きなカニを捕まえたり二枚貝をこじ開けたりというパワフルな生活をしています。
だからこそ全身の筋肉が発達し、あのような歯応えがを備えているのです。
一方でメンダコは海底にボケーっとたたずんだり漂ったりしながら、目の前に流れてきた小さなプランクトンなどを食べていると考えられています。つまり筋肉が全然無いからあんなふにゃふにゃ食感なんですね。


しかし、エサの少ない深海ではそうしたゆるゆる省エネライフは非常に理にかなった生活様式であると言えます。
こんな脱力系愛されキャラなメンダコですが、ある意味では過酷な深海での生存競争を勝ち抜く、生物としての「完成系」なのかもしれませんね。

あ、『あつ森』における北半球ではメンダコの出現は11月いっぱいで一区切り。しばらく捕獲できなくなるんだとか。
まだ採っていない人は急ぐべし!です。

『あつ森』博物誌バックナンバー


■著者紹介:平坂寛

Webメディアや書籍、TV等で生き物の魅力を語る生物ライター。生き物を“五感で楽しむ”ことを信条に、国内・国外問わず様々な生物を捕獲・調査している。現在は「公益財団法人 黒潮生物研究所」の客員研究員として深海魚の研究にも取り組んでいる。著書に「食ったらヤバいいきもの(主婦と生活社)」「外来魚のレシピ(地人書館)」など。


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《平坂寛》

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