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いま、改めて振り返るサウンドノベルの歴史─実写への挑戦が印象的だった『街~運命の交差点~』の色褪せない想い出

何気ない日常、何気ない日々、そこで生まれるドラマがある。この作品に出会えた奇跡にチンチコーレ!

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1998年1月22日に『サウンドノベル 街 -machi-』としてセガサターンで発売された本作は、数多くのプラットフォームに展開されています。その中でPS Storeを利用することでPS Vitaでもプレイ可能なPSP版をベースに紹介していきます。

サウンドノベルとは?


今回、紹介する『街 ~運命の交差点~』は「サウンドノベル」というジャンルのゲームです。「サウンドノベル」とはアドベンチャーゲームの一種ですが、従来のアドベンチャーゲームとは異なり、メッセージウィンドウではなく、画面全体にテキストを表示される、グラフィックよりも文字に重点を置いた小説のような雰囲気のゲームです。それに加えて、ゲームとしての特性であるBGM・効果音・映像を盛り込むことで、より想像をかき立て臨場感を与えます。

そもそも「サウンドノベル」とは、チュンソフト(現スパイク・チュンソフト)から1992年に発売されたスーパーファミコン用ソフト『弟切草』が初出です。ドライブ中に事故を起こしてしまい、謎の洋館に迷い込んでしまうというストーリー。背景のグラフィックの主張が少ない分、文章で想像力を膨らませ、ドアの開閉の音や床の軋む音などをの音を効果的に流すことでプレイヤーの恐怖を煽る、ホラーテイストなゲームです。


2作目に当たる『かまいたちの夜』では、真冬の雪山のペンションを舞台に、そこで起こる殺人事件の謎を解くというミステリー要素が加わりました。物語中盤には本格的なミステリー展開となり、選択肢や推理を間違えると次々と殺人が進行してしまうホラーサスペンスのような内容です。

どちらのゲームも本編をクリアすると選択肢が増え、クリア後に本編とはまったく違ったシナリオが楽しめます。特に『かまいたちの夜』は人気の高さから、のちにシリーズ化しました。

『街~運命の交差点~』の特徴



街 ~運命の交差点~』は「サウンドノベル」シリーズの第3弾として登場しました。渋谷を舞台に、8人の主人公とそれらを取り巻く登場人物たちの複雑に絡み合った5日間を読み解いていくゲームになっています。主人公8人には、それぞれに物語が用意されており、プレイヤーは渋谷で起こる様々な出来事を体験していきます。

しかし、このゲームは「つづく」「バッドエンド」といった形で物語を突然中断されることがあります。そういった場合は選択肢を変更したり、物語に干渉している別の主人公の行動を変えることで「バッドエンド」は解除されます。

「つづく」は他の物語にあるZAPによって解除できます。「ZAP」とは他の物語にジャンプする単語のことです。本作では、この「ZAP」と、文中の内容を参照できる単語「TIP」をこまめにチェックしながら進めることで物語が進行するのです。


「サウンドノベル」シリーズの前の2作品とは違い、『街 ~運命の交差点~』では背景のビジュアル部分に実写の静止画を起用しています。これには当時、珍しいことで驚いた方も多いかと思います。正直に言って筆者もプレイ前は実写に慣れることができるか心配でした。

しかし、それは杞憂でした。むしろ実写での表現によってこのゲームの深みが増したといえます。普通のゲームでは、背景は作品の魅力を高めるための一部分として機能しています。一方、実写の静止画にすることにより、普通のノベルゲームでは文章で説明するところをビジュアルとして見せることが可能です。

作中では6000枚もの静止画を使用しています。このことにより、普段であれば想像力で補っていたところが明確になっていて、プレイヤーは文章を読み進めながらドラマを見ているような感覚になります。実際に存在する街並みや店、服装や髪型など当時を知る人にとっては懐かしく感じるかもしれませんね。

色褪せることのない魅力



本作では、複数の主人公が渋谷という同じ空間で同じ時間軸上に同時に存在しています。目的や性格、抱えている問題は異なる彼らですが、物語の5日間で複雑に絡み合っていくのです。主人公たちの物語はひとりひとりでテーマが違っており、ギャグタッチなものから、ホラーや哲学めいたものまで!ひとつのゲームを通じて、8つの種類の違うストーリーを楽しめるようになっています。

どのキャラクターも個性的で、彼らを取り巻く人間模様は笑えたり、泣けたり、時には悩まされたりします。5日後、8人はどのような結末を迎えるのか……読み進めれば読み進めるほど引き込まれていくシナリオとなっています!

さらに、主人公を含めて登場人物は400人も存在します。とある物語ではメインキャラクターとして登場していた人物が、他の物語では脇役として登場しているなんてこともありますよ。あの時、居なかったキャラクターはここでこんなことをしていたんだな……となったり、場所や人物が変わると、そのキャラクターの違う一面が垣間見えるのも『街 ~運命の交差点~』の魅力のひとつです。

また、「TIP」で確認できる単語の中には丁寧に解説しているものから、思い切りふざけているものもありプレイヤーを笑わせ楽しませてくれます。バッドエンドで現れるヒントの文章もユーモアがあり、開発者の遊び心を感じられますね。

「サウンドノベル」ということでBGMも気合が入っています。テーマの違う物語ということで、彩る楽曲も多岐にわたり、どれも名曲揃いで臨場感をかき立てられます。

続編?『428~封鎖された渋谷で~』について



428~封鎖された渋谷で~』とは『街 ~運命の交差点~』と同様、渋谷を舞台に繰り広げられる「サウンドノベル」です。『街 ~運命の交差点~』の10年後の出来事であることが作中にほのめかされています。

この2つは共通点も多いですが相違点もあります。ゲームのシステムは似ていますが、『街 ~運命の交差点~』では主人公の物語は個々で独立していたのに対して、『428~封鎖された渋谷で~』では主人公全員が直接的・間接的にとある出来事に関わっていき、ひとつの大きな物語へ収束していくシナリオになっています。

本作は全体的に緊迫した雰囲気で進むサスペンス的な内容で、4月28日に起こった10時間の出来事を描く作品です。プロデューサーは海外ドラマの「24 -TWENTY FOUR-」のようなものを作りたかったとコメントしており、ドラマのように1時間単位で物語は進行します。

『428~封鎖された渋谷で~』では、特定の条件を満たして本編をクリアすることで、ボーナスシナリオを2つが解放されます。この「鈴音編」と「カナン編」の担当しているシナリオライターが豪華で、「鈴音編」は『かまいたちの夜』シリーズのシナリオを手掛けた小説家の我孫子武丸氏。「カナン編」は実写ではなくアニメ絵になっており、TYPE-MOONが制作を担当。シナリオを奈須きのこ氏、キャラクターデザインを武内崇氏が手掛けています。

『街 ~運命の交差点~』とはだいぶ雰囲気が違うゲームですが、プレイしたユーザーからの評価は高く、ひと味違う渋谷の物語を楽しめます。『428~封鎖された渋谷で~』は2018年にPS4に移植されており、『街 ~運命の交差点~』に比べプレイ環境が整いやすいです。



いかがだったでしょうか、振り返ってみると様々な種類の「サウンドノベル」がありますね。『街 ~運命の交差点~』はマイナーながらも根強い人気のある作品です。ファンとしては、また同じような作品、できるのであれば正統続編がリリースされて欲しいものですね……。
《アサマレ》

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