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別名・バカ蝶!?『あつまれ どうぶつの森』に登場する「オオゴマダラ」ってこんな蝶【平坂寛の『あつ森』博物誌】

『あつまれ どうぶつの森』に登場する生き物を、生物ライターが解説!第8回は「オオゴマダラ」です。

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別名・バカ蝶!?『あつまれ どうぶつの森』に登場する「オオゴマダラ」ってこんな蝶【平坂寛の『あつ森』博物誌】
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※リアルの生物の写真が出てきます。苦手な方はご注意ください!

日本で一番大きな蝶


『あつまれどうぶつの森』を昼間にプレイしていると、一際目立つ蝶に遭遇します。
翅は白黒だけれど、モンシロチョウよりはるかに大きい。ふわふわと優雅に飛び回る姿はまるで外国産の大型蝶のよう。


ですが実はこの蝶「オオゴマダラ」というれっきとした日本産の、しかもなんと日本最大の蝶なのです!そりゃゲーム内であれだけ目立つはずだわ……。
海外勢のトリバネアゲハやモルフォと比べても存在感に遜色ないですもんね。
オオゴマダラは南方系の蝶で東南アジア各地に広く分布しており、日本国内では与論島以南の南西諸島で見られます。

▲翅を広げると13センチにもなる大型の蝶。飛んでいてもとまっていても、とても目立ちます。

僕が現在暮らしている沖縄本島では、年間を通じて公園や林道で彼らがひらひらと楽しげに舞っています。
うーん、まさに『あつ森』さながら、あのまんまの光景が現実に繰り広げられるわけです(あつ森でもオオゴマダラは一年中出現します)。

手で捕まえられるから「バカ蝶」


しかし……。いくらなんでも優雅すぎやしませんかねえ?現実でも『あつ森』でもさぁ。
日本最大の蝶!なんてブランドがあるのなら、ゲーム内ではもうちょいレアというか捕獲難易度の高い存在になりそうなものじゃないですか。
なのにわりと普通に見かけるし、飛び方もゆったりしていて簡単に捕まえられてしまうんです。

まあキレイだし、ゲーム内ではそこそこいい値段(1000ベル)で取引されるからありがたい話ではあるんですが……。

しかしこの扱い、リアルで日常的に彼らを見続けているオオゴマダラLOVEな僕からするととても納得いかない……なんてことはありません!
あの「レアっぽいのに超あっけなく採れる」拍子抜け感の塩梅をすごくよく再現しているなあと思っております!

そもそも、『あつ森』のプレイ画面上ではどの蝶も実際以上にスローに飛びます。ゲームとしての演出ってやつですね。
しかし、オオゴマダラに関してはそれすら実物準拠と言いますか、現実でもふわりふわりと風に舞うように本当にのんびり飛ぶんです。
あまりにゆったりしているので、なんと網などなくとも素手で捕獲できてしまうほど。日本一大きな蝶は日本一のろまな蝶でもあるんです。

▲この通り、素手で捕まえられるほどどんくさい。堂々としているというべきか?

それにしたってこりゃあまりにもスローすぎ、間が抜けすぎということで沖縄では「バカ蝶」なる不名誉極まりないあだ名までつけられる始末!うーん、さすがにかわいそう!!

実は有毒!サナギは金ピカ!


しかし、オオゴマダラは一体なぜこんなにものんびりしているのでしょうか?白黒の美しい翅は自然界では非常に目立ちますから、鳥たちにとっては格好の餌食になってしまいそうなものですが……。

実はオオゴマダラ、体内に毒を持っているんです。この毒素は鳥たちからするととんでもなくマズいようで、一度オオゴマダラを襲った鳥たちは二度と口にしようとしなくなります。
ド派手な見た目は「私、毒もってるんですよ~キケンなんですよ~」「食べたことある方は分かりますよね~?あの超マズい蝶ですよ~」という警告というわけです。外敵に襲われる危険が少ないからゆったり飛び回っていられるんですね。

ちなみにオオゴマダラの毒はアルカロイド系のもので、幼虫時代に食べる「ホウライカガミ」という植物から摂取、蓄積しているものだと言われています。
つまり成虫時代のみならず幼虫やサナギの期間も毒を常備しているわけで、警戒色もバッチリまとっています。

▲オオゴマダラの幼虫。カラーリングが毒々しい……。

ただし時代によってそのタイプはかなり異なり、幼虫は黒地に白の縞と赤い斑点といういかにもな毒々しさ。しかも謎のツノまで生えている……。
さらにもっとも驚くべきはサナギで、なんと冗談のように美しい黄金色に輝いているのです。この様子は『あつ森』の博物館でもチラッと見ることができますね。

▲黄金色のサナギ!写真だと伝わりにくいですが、実物はピカピカの金属光沢があってとても綺麗です。

▲金色のサナギはゲームにも登場。博物館に展示されます。

…カラフル→金ピカ→モノトーンで統一、となんだかやんちゃ坊主からちょいワル親父へのファッション遍歴みたいですね。

そういえば最後にもう一つだけ、オオゴマダラにまつわる不思議な話を。
この蝶、ある種の整髪料に惹かれて集まってくるんです。ただしオスのみ!

▲オオゴマダラにモテモテ!

どうも整髪料に含まれる「メチルパラベン」や「プロピルパラベン」という成分がメスの発する性フェロモンによく似た匂いがするようですね。

▲消毒用アルコールにも集まる。……実は酒飲み?

他にも赤い服や帽子に集まるという習性もあります。花と間違えてるんでしょうか?
うーん、「バカ」とは思わないまでも、なかなかキャラの濃い蝶です。

『あつ森』博物誌バックナンバー


■著者紹介:平坂寛

Webメディアや書籍、TV等で生き物の魅力を語る生物ライター。生き物を“五感で楽しむ”ことを信条に、国内・国外問わず様々な生物を捕獲・調査している。現在は「公益財団法人 黒潮生物研究所」の客員研究員として深海魚の研究にも取り組んでいる。著書に「食ったらヤバいいきもの(主婦と生活社)」「外来魚のレシピ(地人書館)」など。


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《平坂寛》

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