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月の落下と繰り返す3日間・・・異色にして名作の『ゼルダの伝説 ムジュラの仮面』が20周年! トラウマ級の不気味さと奇妙な愛嬌を両立

シリーズの中でもかなり個性が強い『ゼルダの伝説 ムジュラの仮面』は、だからこそ記憶に残るほどの印象を放つタイトルでもありました。

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月の落下と繰り返す3日間・・・異色にして名作の『ゼルダの伝説 ムジュラの仮面』が20周年! トラウマ級の不気味さと奇妙な愛嬌を両立
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アクションと探索・謎解き要素を高いレベルで融合させ、ファミコンのディスクシステムからニンテンドースイッチまで、様々なプラットフォームで活躍してきた『ゼルダの伝説』シリーズ。今もなお多くのファンを持ち、世界中で親しまれています。

本シリーズは多彩な作品を展開しており、関連作まで含めるとジャンルも様々です。その一方で、シリーズのメイン展開はアクションアドベンチャー路線を継承。時代に合わせて進化しながら、多くのユーザーを魅了してきました。

この人気シリーズに名を連ねながら、独特な切り口やゲーム性が話題となり、異色作として知られているのが『ゼルダの伝説 ムジュラの仮面』。3Dゼルダの先駆けとなった『ゼルダの伝説 時のオカリナ』と同じアクション性を持ちながら、それまでとはまったく異なる新システムも導入。その個性的なプレイ体験は、数々の忘れられないインパクトを与えてくれました。

そんな『ゼルダの伝説 ムジュラの仮面』が発売されたのは、2000年4月27日。今日でちょうど20周年を迎えました。そこで今回は、『ゼルダの伝説 ムジュラの仮面』の異色さを振り返る形で、この記念日を祝いたいと思います。

◆3日間の繰り返しと落下する月が生み出す緊張感─不気味カワイイ「デクナッツなリンク」も忘れられない!



前作にあたる『ゼルダの伝説 時のオカリナ』では、リンクやゼルダ、そして冒険の舞台となる世界も含めて3Dで描き、これまでにない興奮をプレイヤーに提供しました。その続編として登場した『ゼルダの伝説 ムジュラの仮面』は、ゲームとしてのアクション面を引き継ぐ一方で、数多くの点で独自の路線を切り開きます。

本シリーズの主人公は「リンク」ですが、各作品のリンクは別人や子孫である場合も少なくありません。ですが本作の主人公は、『時のオカリナ』の戦いを終え、新たな旅路についたリンク。本作では、旅の途中で迷い込んだ不思議な世界「タルミナ」で、ふたつ目の冒険の幕を開けます。

「Z注目」を軸とする刺激的なバトル要素など、『時のオカリナ』で生み出された3Dアクションを踏襲しながらも、ゲームの印象に大きく関わるプレイサイクルはまるで別物な『ムジュラの仮面』。『時のオカリナ』は、子供時代と大人時代を行き来し、時間すら越える壮大な物語を描きましたが、『ムジュラの仮面』はシリーズでも稀な、緊張感と深みに挑む展開でプレイヤーに迫ります。

リンクが迷い込んだ「タルミナ」は、3日後に月が落下し、滅亡の運命にある世界。このまま何もしなければ、問答無用で月が落ち、ゲームオーバーは免れません。そして運命を変えるにはとても時間が足りず、右往左往したまま3日間を過ごした方もいたことでしょう。


しかしリンクには、「時のオカリナ」があります。このオカリナで「時の歌」を奏でれば、1日目の朝に巻き戻すことが可能。クリアに欠かせない大事なアイテムなどは持ったままなので、同じ3日間を繰り返す中でも、冒険は少しずつ前へと進みます。

ですが、時間の巻き戻しも万能ではなく、ダンジョンの仕掛けやサブイベント、住民との会話などはリセット。そのため、ダンジョンやサブイベントなどは、基本的に3日間の制限内でクリアしなければなりません(カギの取得も保存されず)。仕掛けを解いている最中や、ボス戦をこなしている間も、同時に「時間制限」とも戦っており、これが新たな緊張感を醸し出しました。

『時のオカリナ』と比べれば、本作における時間の行き来は非常にミニマム。しかし、時間制限による切迫感が、世界に迫りつつある絶望感と絶妙にシンクロし、作中のリンクが感じたであろう焦りをプレイヤーも共有します。この緊迫する一体感は、『ムジュラの仮面』ならではの体験でしょう。

また、かつてない危機が近づくこの世界を描写する切り口も、かなり異質なものとなっています。落ちてくる月には、恐ろしくもどこか虚ろな表情が刻まれており、異質な物体が徐々に近づいてくる姿はまさにトラウマ級。一度見たら、何年経っても忘れられない存在です。

そして本作の攻略に欠かせない要素として、「仮面」の存在があります。仮面自体は『時のオカリナ』にもありましたが、役割は大きく変わっており、仮面をかぶることで特殊なアクションが可能となります。


しかも仮面は、顔だけでなくリンクの全身にも影響を及ぼし、「デクナッツの仮面」ならば小柄で木のような身体に。感情が見えにくい表情も相まって、実におどろおどろしい見た目になります。

ちなみに「デクナッツ」とは種族の名前。ほかに「ゴロンの仮面」や「ゾーラの仮面」といった仮面もあり、こちらもゴロン族やゾーラ族が持つ力を使用可能。その能力がリンクの冒険を大いに助けますが、見た目が変貌するインパクトはかなり衝撃的です。

月の描写や「デクナッツの仮面」による変貌をはじめ、演出やデザインにも不気味さを感じさせる要素が多数あり、全体的にホラー度合いが強め。いい意味でも、そして恐ろしさの意味でも、忘れがたく印象深い作品です。

ちなみに、様々なシリーズ作で活躍(?)する「チンクル」が初めて登場したのは、この『ゼルダの伝説 ムジュラの仮面』。「自称“妖精の生まれ変わり”で、全身緑タイツのおじさん」という侮れない存在が本作でデビューしたのは、言葉では言い表しにくい妙な説得力を感じます。


独特の雰囲気作りと3日間を繰り返すプレイ体験が、異色かつ名作という二面性を見事に確立。どこか不気味で怪しげな、それでいて愛嬌も感じさせ、やっぱり怖くもある『ゼルダの伝説 ムジュラの仮面』は、だからこそ愛おしい作品となりました。

◆『ゼルダの伝説 ムジュラの仮面』を遊ぶなら、バーチャルコンソール版かリメイク版がお勧め!


『ゼルダの伝説 ムジュラの仮面』を現在プレイするならば、実機とゲームソフトを揃えるよりも、Wii U向けのバーチャルコンソール版がお手軽でしょう。Wii U自体の生産はすでに終了していますが、中古市場を視野に入れればまだ十分手に入ります。

余談ですが、Wii Uがあれば『風のタクト HD』や『トワイライトプリンセス HD』などが遊べるのはもちろん、Wiiソフトの『スカイウォードソード』もプレイ可能。また、『時のオカリナ』などの過去作もバーチャルコンソールで遊べるので、シリーズファンならばWii Uは押さえておきたいハードのひとつです。


そしてもうひとつ、リメイク版という選択もあります。本作をベースにグラフィックを大きく向上させ、プレイしやすい改善などを加えた3DSソフト『ゼルダの伝説 ムジュラの仮面 3D』が、2015年2月にリリースされました。3DSが現役という方は、リメイク版のプレイもお勧めです。

本シリーズは現在、『ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド』の続編が開発中。こちらが3Dゼルダの最新作ならば、『ゼルダの伝説 ムジュラの仮面』は3Dゼルダに新たな風を呼び込んだ意欲作と言えます。この20周年を機に、異色な名作に触れてみてはいかがですか。



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