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『ファイアーエムブレム トラキア776』本日9月1日で20周年! もうひとつの「聖戦の系譜」を描く人気作品は、販売形式も個性的─当時を振り返る読者の声も感慨深い

『ファイアーエムブレム トラキア776』が「ニンテンドウパワー」で販売を開始してから、もう20年が経ちました。このアニバーサリーを記念し、今回は『トラキア776』の魅力を振り返りたいと思います。

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シミュレーションRPGの草分け的存在として注目を集め、今もゲーム業界の最前線を走り続けている『ファイアーエムブレム』シリーズ。今年の7月には最新作となるファイアーエムブレム 風花雪月』が発売され、多くのユーザーがプレイに興じています。

原点となる一作目『ファイアーエムブレム 暗黒竜と光の剣』がリリースされた当時は、無個性なユニットを用いたシミュレーションゲームがほとんどでした。そのため、各ユニットが個性的で、愛着を湧かせる要素を盛り込んだ『ファイアーエムブレム 暗黒竜と光の剣』は、その特徴が広まるにつれ注目を集め、後にシリーズ展開を迎える人気作となりました。

そんな個性的なシリーズの中においても、異色な存在となった作品がいくつかあります。例えば、2人の主人公がそれぞれの軍を率いて戦い、クライマックスで合流する『ファイアーエムブレム外伝』は、資金や武器の耐久度といった概念がなく、シリーズの2作目ながらまさに“外伝”の名に相応しい一作でした。

そして、1999年9月1日に販売を開始した『ファイアーエムブレム トラキア776』も、非常に個性的な作品として知られています。ゲーム性はもちろんですが、その販売方式もユニークで、一時期は入手も困難なほどでした。

そんな『トラキア776』が、本日2019年9月1日で、販売からちょうど20周年を迎えました。そこで今回は、今も展開を続ける人気シリーズの中で異色の個性を放つ、『トラキア776』の魅力や特徴を振り返ってみたいと思います。

◆もうひとつの「聖戦の系譜」を描く『トラキア776』─「疲労」する兵士を労り、「捕獲」で懐を潤せ!



『トラキア776』は、シリーズの中でも特に注目を集めている人気作のひとつ『ファイアーエムブレム 聖戦の系譜』における、ある時期の物語を描いています。本シリーズは、2部構成で繋がりのある作品などは数多く存在しますが、特定作品の一時期を取り扱う外伝的な作品は非常に稀。大きな戦争や動乱といったマクロな視点ではなく、『聖戦の系譜』に登場するキャラクターたちのとある日々に迫る、そのミクロな切り口も大きな特徴です。

本作の主人公は、レンスターの王子「リーフ」。父親の「キュアン」と母親の「エスリン」は、『聖戦の系譜』の第一部に登場しており、第二部には「リーフ」自身が参加します。そして、第一部に参加した両親の身に何が起きたのか、第二部で「リーフ」が合流するまでに何があったのか、その物語に迫るのがこの『トラキア776』なのです。

「ちから」や「はやさ」といったシリーズお馴染みの要素はもちろん、『聖戦の系譜』に見られた「兵種スキル」や「個人スキル」なども採用する一方で、「疲労」という独自のステータスも登場。この「疲労」は、戦いを繰り返す事に溜まっていき、最大HPを超えると出撃できなくなります。

『ファイアーエムブレム』シリーズはシミュレーションRPGなので、戦略性も重要ですが、充分に育ったユニットはかなり強力で、何体もの敵をひとりで撃破するエース級の活躍を見せることもあります。しかし『トラキア776』においては、どれほど強く育とうとも「疲労」が付きまとい、全ての戦場で等しく活躍することは不可能。定番のメンバーを毎回出撃させることが多い他のシリーズ作品と一線を画し、『トラキア776』では多くのユニットを満遍なく使いこなす手腕が問われます。


このほかにも、「捕獲」や「かつぐ」に影響する「体格」も、本作を攻略する上で重要な要素のひとつ。体格差を活かして味方を救出したり、敵を捕まえて所持品を奪うことができるので、戦略的に活用したいところです。ちなみに、敵に「捕獲」されることもあるので、油断は禁物。ただし、捕獲中は一部のステータスが下がるので、わざと捕まえさせて弱体化させ、そこを狙うといったテクニックも。こういった搦め手も、『トラキア776』ならではです。

そして、搦め手も視野に入れるほど、本作では厳しい戦いが続きます。前述の「疲労」もありますし、アイテムや資金が不足しやすいので、「捕獲」で所持品を奪うのも大事な調達手段のひとつ。帝国の圧政下での反抗という状況なので、資金・物資の面が厳しいのは理に適っており、それにどう対処するのかもプレイヤーの判断が問われる一面なのでしょう。

「疲労」を考慮して多くのユニットを使い分け、資金や物資の少なさを「捕獲」で補い、「セリス」と合流するまでの“もうひとつの「聖戦の系譜」”を描いた『トラキア776』は、まさに個性が凝縮されたような一作でした。しかし、『トラキア776』のユニークさは、ゲーム内だけの話ではありません。続いて、本作の提供形態について触れたいと思います。

◆ファミコンのディスクシステム時代を彷彿とさせる提供形式は、時代を先駆けたダウンロード販売!?



『トラキア776』は、スーパーファミコン向けのゲームとして、1999年9月1日に発売を開始しました。しかし、この日にゲームショップに足を運んでも、『トラキア776』は買えません。本作を手に入れるには、ローソンに行かねばなりませんでした。

当時、ローソンでは「ニンテンドウパワー」と呼ばれるゲームソフトの書き換えサービスが行われていました。今風に言えば、ゲームのダウンロード販売に近しい存在と言えるでしょう。

今のダウンロード販売はハード側にゲームをインストールしますが、当時のゲームハードにハードディスク的なものはなく、この「ニンテンドウパワー」では書き換え可能なフラッシュメモリ「SFメモリカセット」がその役割を果たしていました。

ゲームソフトの形状ながら、書き換えが可能。その都度費用が発生するものの、上書きすることで新しいゲームが次々と遊べる「SFメモリカセット」の存在は、ファミコン時代のディスクシステムを連想させると共に、新たな時代を感じさせる展開でもありました。

この「SFメモリカセット」を活用する「ニンテンドウパワー」のサービスは、1997年9月にスタート。そして約2年後に、この『トラキア776』の配信が始まりました。しかし、新しいサービスが常に成功するとは限りません。ローソンにおける「ニンテンドウパワー」のサービスは、2002年に終了してしまいます。

その後も、任天堂サービスセンターに「SFメモリカセット」を送ることでゲームを書き換えてもらうことは出来ましたが、こちらのサービスも2007年に終了。そのため、当時「ニンテンドウパワー」を知らなかった方が、後々『トラキア776』の存在に気づいた時、入手手段はほぼ途絶えた状態にありました。ちなみに『トラキア776』は、2000年にROMカセット版もリリースされましたが、中古価格は高騰。そのため、現物での入手も難しい状況が続く形に。


ですが、2008年7月に大きな転機を迎え、Wii向けのバーチャルコンソールソフトとして『トラキア776』の配信がスタートしました。また、後にWii UやNew 3DS向けのバーチャルコンソールも登場。一時期、遊ぶための環境がかなり厳しかった『トラキア776』も、今となっては比較的アクセスしやすいタイトルのひとつになりました。この展開を待ち望んだ『FE』ファンは、数多いことでしょう。

書き換えることで、ゲームを安く提供する──そんな「ニンテンドウパワー」のサービスは、バーチャルコンソールのダウンロード販売という形で、現在へと繋がりました。そしてこの流れの一端を、本作『トラキア776』も担っています。そんなゲーム史の一端に想いを馳せつつ、この『トラキア776』を遊んでみると、新たな感慨と出会えるかもしれません。この機会に、プレイしてみてはいかがでしょうか。

また、この記念すべきアニバーサリーに向け、読者の方々から熱いコメントも到着しています。こちらも、合わせてご覧ください。

【読者のコメント(一部)】
・ホメロスを聖戦士の書で成長率上げた上でエリートにより爆速で育て上げ、ウインドのみで敵殲滅・・・みたいなのがとても楽しかった。正直セティがいらないレベル。

・フォルセティ最強。

・平民オールAのため徹夜した。

・強いキャラを使い続けると疲労して次のマップで使えなくなるというリアルなシステム。

・あえて自分を捕獲させることで敵の能力を下げる『オペレーション・ブライトン』の存在。

・ユリアーナ・シャノーが歌っていた主題歌(名曲)のCDがまだ実家にあります。

・初プレイ時はまだ小学生で、攻略本を読みながら作業のようにクリアしました。今思うと、もったいないことをしたなあと後悔してます。

・ゼーベイアを仲間にするのがめんどくさかった。

・アイラの流星剣が圧倒的。

・難しかった。

・トラ7は序盤のエーヴェル姉さんがとても強く頼りになりました。リーフ義勇軍は金銭的な援助が受けられないので、財政難に陥りがちです。よって、敵兵を無力化した後に装備を頂いてやりくりするスタイルが独特で面白かったです。シーフ万歳。

・わりとクールな考え方をするイメージの友人が、エーヴェルを最終マップのメンバーに選んだと話していたのが妙に心に残っています。エーヴェルは作中の超重要人物ですが、序盤で離脱しラスト手前でようやく復帰する人物のため、最終マップの戦力としては心もとない存在。それでも彼女を最後の舞台に立たせたいと思わせるだけの熱を、このゲームはクールな友人にも与えたんだな、と。『トラキア』の魅力を再認識する思い出です。



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《臥待 弦》

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