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20周年を迎えた『あすか120%ファイナル BURNING Fest.』は、美少女と2D格闘を組み合わせて“面白い!”を生み出した名シリーズを締めくくる一作

『あすか120%ファイナル BURNING Fest.』20周年を機に、時代を先駆けた『あすか120%』シリーズの魅力を振り返ります。

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『ストリートファイターII』のヒットを受け、アーケードゲームのみならずコンシューマにも、対戦格闘ゲームの一大ブームが訪れました。まずは2D対戦格闘から始まり、性能の向上を受けて3D格闘も登場。この勢いは、今の対戦格闘ゲームにも受け継がれています。

そしてブームとなれば、切り口や方向性を新たに見出そうとする意欲作が現れるもの。その挑戦は、必ずしも報われるとは限りませんが、様々な模索がジャンルを更に盛り上げ、時に新たな可能性を切り開くこともあります。

PC向けにシリーズが始まり、PCエンジンやプレイステーションなどへの展開を経て広まった『あすか120%』シリーズも、挑戦的な2D格闘ゲームでした。登場するキャラクターは全員美少女なので、見た目で敬遠される方もいましたが、一度プレイすれば格闘ゲームとしての魅力に溢れていることにも気づかされます。

この『あすか120%』シリーズは、数多くの作品を生み出しましたが、1999年5月27日に発売された『あすか120%ファイナル BURNING Fest.』で、コンシューマ向けの新作展開は終了。その後、本作の廉価版やゲームアーカイブス版がリリースされたり、PCソフト『あすか120%リターン BURNING Fest.』が登場したものの、家庭用としてのパッケージタイトルは『あすか120%ファイナル BURNING Fest.』が有終の美を飾る形となりました。

本日5月27日は、『あすか120%ファイナル BURNING Fest.』の20周年。この記念すべきタイミングを機に、本シリーズが生まれた当時の背景や、ゲーム性の特徴などを振り返ってみたいと思います。

◆玉石混合な格闘ブームの最中に、「美少女+2D格闘=面白い」を生み出した奇跡のシリーズ



格闘における対戦をモチーフとしたゲームは1980年代にもありましたが、対戦格闘ゲームの火付け役となった『ストリートファイターII』が1991年に登場し、このジャンルは爆発的な盛り上がりを見せました。

そして1993年には、3D格闘の幕開けを告げる『バーチャファイター』が参戦。ここから対戦格闘ゲームは、3Dにも注目を向ける展開へと繋がります。格闘ブーム自体は追い風でしたが、格闘ブームの中では3Dに関心が集まっているタイミングで、シリーズ1作目の『あすか120% BURNING Fest.』が登場する形となりました。

また、こちらは対戦格闘に限った話ではありませんが、ヒット作が登場することで同じジャンルの作品が次々と生まれるといった流れは、ゲーム業界にも当然あります。その結果、ブームに乗ることを重視し、完成度が低い作品が出てくることも。ゲーム業界でもそういった例はあり、「美少女が出るゲーム」に警戒するユーザーは一定数いました。


3D格闘に注目が集まり始め、「美少女」ゆえに警戒する向きもあったこの時代に、しかし『あすか120%』シリーズは奇跡的な作品として認知され、一部ユーザーの間で評判となりました。本シリーズは、「美少女」と「2D対戦格闘(流行りのジャンル)」を組み合わせた上で、ゲームとしてしっかりと面白かったのです。

家庭用のデビュー作となった『あすか120%マキシマ BURNING Fest.』(1995年7月)、そしてプレイステーションでの1作目『あすか120%スペシャル BURNING Fest.』(1996年3月)でゲームユーザーへの認知度を上げ、その後も『エクセレント』『リミテッド』など、続々と展開。そして、『あすか120%ファイナル BURNING Fest.』を、1999年5月27日に発売しました。

1999年は、『ストリートファイターIII 3rd STRIKE』や『THE KING OF FIGHTERS '99』、『餓狼 MARK OF THE WOLVES』などが登場した年ですが、対戦格闘ゲームのリリース本数自体は、一時期と比べて減少傾向にあった頃でもあります。


格闘ブームの中で生まれ、「美少女」ゆえのハンディキャップに抗いきった『あすか120%』シリーズ。そのビジュアルで敬遠された方もいる一方で、『あすか120%』で初めて格闘ゲームに触れ、その面白さに気づいた人もいました。これまでになかったユーザー層を開拓するという役目も果たした本シリーズは、格闘ゲーム史に名を残す活躍を成したと言えるでしょう。

そんな『あすか120%』シリーズが持つ魅力について、更に振り返ってみたいと思います。

◆殴打での「相殺」が、緊張感&爽快感を倍増! 時代を先取りした『あすか120%』シリーズ



『あすか120%』シリーズの第一印象といえば、やはり数多くの美少女たち。本シリーズの舞台は現代日本の学園で、クラブ活動の予算を賭けて戦う大会「メガファイトトーナメント」で雌雄を決します。そのため美少女たちは全員、それぞれの部を代表しており、攻撃方法も所属する部と関連するものに。例えば、化学部代表の「本田飛鳥」はフラスコを投げ、新体操部代表の「大久保久美」はリボンなどの道具を駆使します。

攻撃は一見コミカルですが、ゲームとしての攻防はかなりアツく、特に「相殺」は独特のプレイ感でユーザーを魅了しました。敵の攻撃に、こちらの攻撃を合わせて無効化する「相殺」。波動拳に波動拳をぶつけると互いに消えますが、本作では直接の殴打に対しても「相殺」することが可能です。

「拳と拳」(時には足)で攻撃を無効化し合うと、更なる連続攻撃で相手を上回るべく、殴打が加速する場合も多々。だからこそ、凌ぎきって攻撃をヒットさせた時の爽快感は、格別のものがあります。幾度も鍔迫り合った末に斬り捨てる、みたいな流れを想像してもらえると分かりやすいかもしれません。

もちろん、一度「相殺」に打ち勝っただけでは、勝利を掴むことはできません。あえて敵に攻撃させ、ガードャンセル攻撃で反撃したり、2段ジャンプを駆使しての空中戦を挑んだりと、勝利に近づく道のりはいくらでもあります。このほかにも、コンボに叩きつけ攻撃、受け身といった要素も。


今となっては、格闘ゲームの基本要素になっているものもありますが、当時これだけのシステムが揃っている2D格闘は、かなり稀有な存在でした。特に、殴打を含めた「相殺」については、その草分け的な作品と言えるでしょう。必殺技のコマンド入力もシンプルなので、当時の格闘ゲーム初心者への入門用としても、お勧めできるシリーズでした。

そして、本日20周年を迎えた『あすか120%ファイナル BURNING Fest.』では、「ダウンゲージ」と「スーパーラッシュ」を追加。ゲームとしての進化は、コンシューマ向けの最終作品でも行われており、挑戦する姿勢は最後まで変わることはありませんでした。

ちなみに、美少女ばかりが登場する格闘ゲームですが、シリーズ当初のキャラクターデザインを担当したのは、七瀬葵氏。そしてシリーズの展開に合わせ、石田敦子氏、細雪純氏と担当が変わっていきますが、いずれも女性クリエイターを起用している点も、本シリーズの興味深いところです。

『あすか120%ファイナル BURNING Fest.』のゲームアーカイブス版が、2011年4月にリリースされており、本シリーズのゲーム展開はこれが最後となっています。ですが、『あすか120%』の25周年を記念するRemixアルバム「あすか120% ~BURNING Remixes~」が 2019年3月に発売されるなど、シリーズ全体として見ると新たな動きも見られます。ここはひとつ、シリーズ30周年を迎える2024年に向けて、今から新作を作ってみるのはいかがでしょうか!?




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