日本eスポーツ連合副会長/カドカワ デジタルエンタテインメント担当シニアアドバイザー、浜村弘一氏。土曜日から始まる「闘会議2019」のeスポーツイベント(後述)の準備のため、講演終了後すぐに東京へとんぼ返りしました。
講演はJeSUの設立についてのおさらいから始まります。日本において3つの団体に分かれていたeスポーツの団体がCESA/JOGAのとりまとめもあって一つの団体に統合されたのがJeSUとなります。
JeSUの特徴として会員の中にゲームメーカーが多いため、メーカーとの協業がしやすいことが挙げられます。後述する認定タイトルやプロ制度にかかわってきます。
日本では法律によってゲーム大会の賞金支払いに制限があり、それがeスポーツ普及の障害になっているとされていました。その問題を回避するため、JeSUでは認定タイトルとプロライセンス制度を導入。現在は130名のプロ選手、1名のジュニア選手、4チームのプロチームが活動しています。またこれにより、2018年に開催された賞金付き大会の賞金総額は1.4億円になりました。
さらに2019年10月には、いきいき茨城ゆめ国体・いきいき茨城ゆめ大会実行委員会、日本サッカー協会が共催で、「いきいき茨城ゆめ国体」の文化プログラムである「全国都道府県対抗eスポーツ選手権 2019 IBARAKI」が開催されます。
というところは日本におけるJeSUの役割と活動の一環ですが、海外に目を向ければどうなっているのでしょうか?
まずはインドネシア・ジャカルタで開催された「第18回アジア競技大会ジャカルタ・パレンバン」に5種目へJeSU選手を送り出し、そのうち2チームが本選に出場、『ウイイレ2019』に出場した杉村直紀選手と相原翼選手が金メダルとなりました。
東京ゲームショウでは1ホールをeスポーツのイベント用ホールとして使用。『鉄拳7』のプロ大会や『ストリートファイターV』のカプコンカップ大会などで盛り上がりました。
11月に台湾南部の高雄で開催された国際eスポーツ連盟主催の「第10回 eスポーツ ワールドチャンピオンシップ」では『鉄拳7』において破壊王選手が出場し、銀メダルを獲得しました。また、エキシビジョンとして開催された『モンスターストライク』では日本から出場した2チームが金・銀を独占。
1月26日から開催される「闘会議2019」ではアジアeスポーツ連盟との共催で、「eSPORTS国際チャレンジカップ~日本選抜 VS アジア選抜~」を開催。『オーバーウォッチ』『鉄拳7』『ウイイレ2019』『ストV』で日本選抜プレイヤーとアジア選抜が力を競います。
なお、アジアeスポーツ連盟は先の「第18回アジア競技大会ジャカルタ・パレンバン」のオーガナイザーでもあり、今後は協働でアジア全域を巻きこむeスポーツイベントができれば、と浜村氏は語っていました。
JeSUだけの力ではありませんが、このようにeスポーツに対して業界全体が取り組んだ結果、関連市場の伸びが前年比約15倍(!)に。4年後にはさらに倍になるだろうと予測しています。
また、「ユーキャン流行語大賞」「日経ヒット番付」などでも取り上げられており、“eスポーツ”という言葉自体の知名度も上がっています。
世界的なeスポーツタイトルに多いPCゲームの普及率の低さや賞金問題などの課題を抱えていた日本ですが、IPホルダーとの協業やアジア全域を巻き込むイベントの運営によって、更なる発展を迎える日もそう遠くはないのかもしれません。
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