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早すぎた名作を今振り返る―『アストロノーカ』20周年記念トークショーレポ―ト

『アストロノーカ』の本当のすごさは、当時のゲーム業界やゲームメディアにはほとんど理解されなかった!? 齊藤陽介氏、森川幸人氏ら当時のスタッフが思いや制作秘話を語ったトークイベントのレポートをお届けします。

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早すぎた名作を今振り返る―『アストロノーカ』20周年記念トークショーレポ―ト
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◆当時の開発スタッフが再集結!


第3部は、さらに当時の開発スタッフ5名を加えた「アストロトーーーーーク」。マネージメントと進行を担当した坂本和也氏、シナリオとテキスト全般を一手に引き受けた野間口修二氏、作曲の神保直明氏、アートディレクションとキャラクターデザインを担当した白佐木和馬氏、トラップのアニメーションとエフェクトを手がけた宮本茂則氏が加わり、貴重な開発中の資料を惜しげもなく披露しながら、総勢9名でのトークが展開。以下のような、さまざなこぼれ話が飛び出しました。


・企画初期のタイトルは『アストロ農家』。舞台は"宇宙の(太陽系ならぬ)キタカントー系"という設定だった。これは制作スタッフに筑波大学出身者が多かったことにちなむ
・舞台は宇宙だけどスケールは小さく、むしろ町内会のようにしてしまおうというイメージは当初からあった
・ポリゴン数が限られているので宇宙野菜のデザインは大変だった。当初はリアルにしたいという気持ちも少しはあり、そういうデザインも検討された
・ロード画面でピートがあれこれ動いているのは、ロードの長さからくる体感時間を緩和させるため
・トラップの一種とはいえ「単なる穴がアイテム扱いなのはどうなんだ」と3時間くらい話し合った
・Macで動くトラップシミュレーターをシステムサコムが作ってくれた
・発売当時は、なぜかスポーツニッポンや日刊スポーツなどのスポーツ誌でも取り上げられた









50枚以上ものスライドともに振り返る第3部も終了すると、最後は登壇者たちが集めてきた貴重なグッズの数々をプレゼントする抽選会を実施。その過程で、同スタッフによる制作で2003年から2005年にかけて配信された、本作と世界観を同じくするオンラインゲーム『コスモぐらし ~オンライン的野菜生活~』にも言及されました。

「これが日本で初めてJA(農業協同組合)とコラボしたゲームです。当時のJAにゲーム大好きな方がいてくださり、実現できました」と成沢氏。コラボ内容は、指定された野菜をゲーム中で宇宙農会に納品すると、抽選でJAからそれに似た野菜が本当に届くというもので、会場にもそのコラボでさくらんぼを当てたというコアなユーザーが駆け付けていました。


アストロノーカ』に続き『コスモぐらし』でもテキスト全般を手がけた野間口氏は「当時のオンラインゲームは対戦モノが多かったので、いかにプレイヤー同士が仲よくできるかを試行錯誤していました。その一助になればと、1000個はあったアイテムの解説文をすべて一人で書きました。2年間くらい命をかけてやっていましたね(笑)」と語りました。

最後に「(『アストロノーカ』の続編や後継作を)俺個人でいえばやりたい」と語ってくれた斎藤氏。"早すぎた名作"というにふわさしい『アストロノーカ』に今後動きはあるのでしょうか。イベントは「30周年でまたお会いしましょう」という言葉で締めくくられましたが、その日を待つことなく、何らかの動きがあることを願ってやみません。

1998年8月27日に発売されたPlayStation用育成シミュレーションゲーム『アストロノーカ』は、現在PS Storeで好評配信中。PS3、PSP、PS Vitaでプレイできます。

関係者用に作られた宇宙農協ピンバッジなど、貴重な非売品も抽選でプレゼントされました

来場者全員にモリカトロンのカレンダーとステッカー、斎藤氏と森川氏のサイン入り色紙がプレゼントされました

(C)1998 MuuMuu CO., LTD. ・SYSTEM SACOM corp. ・SQUARE ENIX CO., LTD. All Rights Reserved.
《蚩尤》

汎用性あるザク系ライター(が目標) 蚩尤

1979年生まれのファミコン直撃世代。スマホゲームもインディーズも大型タイトルも遊びますが、自分と組ませてしまって申し訳ないという気持ちやエイミングのドヘタさなどからチーム制のPvPやFPS、バトロワが不得手です。寄る年波…! ゲームの紹介記事に企画記事・ビジネス寄りの記事のほか、アニメなど他業種の記事もやれそうだと判断した案件はなんでも請けています。任天堂『ガールズモード』シリーズの新作待機勢。

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