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無意識のうちに生まれる思考の枠を外せば、人の可能性は無限大―島根県クリエイター鼎談

島根県出雲市出身で日本だけにとどまらず世界で活躍する企業の代表にお集まりいただきざっくばらんな鼎談を実施。故郷と世界の関わり、モノづくりで「ダークサイド」に落ちないための取組、人間の秘めたる無限の可能性まで幅広いお話を伺いました。

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誰とやるか、何をやるか、どこでやるか


――個人的には、せっかく出雲大社もありますし、日本中から八百万の神様が集まってくる地域だから、いろんな神様のキャラクターを作ってほしいですね。GDCなどで海外の人と話をしても、なかなかイメージがつかないらしくて。

塩田世界のほとんどの国々は一神教ですからね。

直良一神教と多神教の話もそうですけど、古文書の勉強をしているんです。歴史博物館にも同級生がいるのが分かったので、いろいろ勉強しにいったりして。本当に出雲は縁の国だなあと思います。今年の目標の一つに、出雲出雲の神話をモチーフにした絵を描こうと思ってます。

塩田出雲には世界に誇れる哲学というか、考え方がありますからね。

直良こうやってお会いできるのもそうなんですが、お二人とも、やたら縁が濃くないですか? 地元だけじゃなくて、いろんなところで。

塩田やたら運がいい気はします。守られてるのかな、みたいなのは感じますね。

直良地元で事務所として借りているマンションの大家さんから、飲みたいって誘われたんですよ。話を聞いてみると、仮面ライダーで爆発のCGエフェクトを地元でつけてる人だったんですね。また事務所にコピー機を入れた時に、業者の方がやけに中をきょろきょろしていたんですよ。その人もゲームが好きで、自分のTwitterをフォローしてくれている人だったりして。その人とも今度、飲みに行きましょうって話をして。やたら縁が広がっている感じです。


鮄川縁を大事にしていくと、縁がまた広がっていきますからね。

――アカツキさんは地方のイベントにも、いろいろ協賛されてらっしゃいますよね。

塩田結構してますね。コミュニティ貢献もその一つですしね。先日、決算説明を出したんですけど、その中で営業利益の1パーセントを社会還元するっていうルールを作ったんです。その理由として、アウトドア用品メーカーのパタゴニアという企業が「地球税」という考え方を打ち出しているんですね。株主のためでも社員のためでもなく、地球のために貢献するという姿勢を表明しているんです。

僕らも同じで、人が輝くことにかけてるから、今年から営業利益の1パーセントをそういう目的で使うことにしました。対外的に表明したことで、より加速して進めていくことになると思います。これって、楽しくないですか?


鮄川いいですね。絶対いいと思います。

塩田そうした行動って、会社にとっても返ってくると思っていて。協賛などを通して、輝いてる人と繋がれるじゃないですか。それが一番大事だと思うんです。

鮄川本当に、人を引きつけて、人を採用して、人に残ってもらうのが、すごく難しい時代になってきてるから。そういう会社にならないとって思います。

塩田結局ね、心で経営している会社しか生き残らないと信じているんです。地方開催のイベント協賛もその一環ですね。

以前、面白法人カヤックの柳澤大輔さんと話してて、その通りだなと思ったことがあるんです。『ビジョナリーカンパニー 時代を超える生存の原則』という本に「何をやるかよりも、誰をバスに乗せるかが大切だ」という一節があって。チームを作ってから、その後に目的を決めるという話なんですね。僕はこの考え方がすごく好きなんですけど、柳澤さんと話しながら、今の時代もう一個先があるなと思ったんですよ。「誰とやるか、何をやるか、どこでやるか」だという。

企業って結局は地域コミュニティに依存しているじゃないですか。だから、どういう場所で、どういう空気感で自分たちは仕事してるかについて、場所から考えないと駄目なんだろうなと思っているんです。そのためには仕事をしている場所という垣根を越えて、そこの地域とつながって進めていくのが、一番いいんだろうなあと思います。その意味で市役所や県庁とかとつながるのも、すごく良いことだと思っていて。コミュニティ全体がうまくいかないと、会社もうまくいかないっていうのは、正しいんじゃないかなと。

鮄川同じ海外で開発拠点を作るにしても、既に成熟しているところよりも、発展途上のところの方が、地域の人たちとの熱量が一致しやすいっていうのはありますね。バングラデシュも人の情熱がすごくて、それで進出を決めたところがあるんです。いろいろ論理的に考えて、メリット・デメリットを考えて進出先を決めるというよりも、最後はぐっとくるかという、テンションの有無が大切で。


塩田それ、めちゃくちゃ重要ですよね。

――インターネットで世界につながれるからこそ、場所の重要性が、逆に増しているかもしれませんね。

塩田そうですね。グローバルになればなるほど、ローカルの熱量が逆に効いてくるという話だと思います。

直良昨日もちょうど、飲みながらそんな話をしていたんです。ある人が持つ熱量に対して、どんな風にハブをかませたり、チームをアサインしたりすると、その熱さが最大化されるのかっていう。それも考えてみると面白いかもって話だったんですね。でも、それって最終的には、場所の問題に帰結するんですよね。

一流の人の背中を見せるだけで、人は変われる



――人と場所だと、やはり学校ですね。

塩田学校は重要ですよ。直良塾。

鮄川人と場所、最高じゃないですか。

――お三方とも会社経営を通じて社員を育成されているわけですから、何らかの形で人材教育に関わってらっしゃることになるわけですし。

塩田うちはそうですね。会社って結局、人がすべてなんで。

――出雲から、いい人材を育てて、どんどん世界に排出してもらえれば。

直良確かに、出雲まで来てもらうっていうのは、やっぱり大事ですよね。

塩田人生でどういうチョイスをしてもいいんですけど、可能性があるってことは、若いうちに理解しといたほうがいい。出雲の人も、外に出てもいいし、出なくてもいい。そんな風に制約がないっていうことが重要で、それって自分がやりたいことで、突き抜けれられる時代だということなので、最高に幸せなことじゃないですか。

人材育成でいえば、スキルの話もあるけれど哲学や、自分の内面がどういうふうに成長していくかが、本当は一番重要。それって、売上や利益だけじゃなくて、幸せになるっていうエフェクトの話だと思うんです。それに気づいてもらうことが、教育では本当に大切な気がする。


鮄川ただ、学校の先生だけだと、なかなかそれを伝えるのが難しくて。地元から出たことがない人が大半ですからね。

直良最初にそういった可能性を感じさせてもらったのは、広島東洋カープで投手をつとめた大野豊さんなんです。出雲市出身で、おやじの友達だったんですよ。

――出た、地方ネットワーク。軟式から直接プロ野球に進んだんですよね。

直良子どものとき、巨人ファンだったんですけど、大野さんが里帰りされたときに何回かお会いしたことがあるんです。その後、試合を観戦して、世界の王・張本相手に堂々と渡り合っている姿を観て。出雲市出身でも大丈夫なんだって。そういう可能性を見せてもらいました。

鮄川プロ野球つながりでいえば、落合博満が現役時代に、野球教室か何かのイベントで来たことがあるんです。その頃、自分も中学校で野球をやっていたんですよ。当時の僕らの教わり方って、とにかくボールをたたきつけて、転がせみたいな感じだったんですよね。それに対して落合って、めちゃくちゃアッパースイングだったんですよ。

――はいはい。

鮄川それで誰かが「何でアッパースイングなんですか?」と質問したんですよね。そうしたら「そうじゃないと、ホームランが打てない」って、当たり前の答えが返ってきたんですよ。それを聞いて、今まで習ったことは何だったんだろうって感じたのを良く覚えています。そんな風に、最先端の分野で活躍してる人の姿をちょっと見るだけでも、それまで常識だと思ってたことが、がらっと変わるみたいなことがありますよね。


塩田人間って無意識のうちに、自分の可能性を縛っているんですよね。逆に思考が変わるだけで、無限の可能性を秘めているというか。メジャーリーグだって、野茂・イチローが行って成功したから、続々と挑戦するようになったわけじゃないですか。だから世界一になんていくらでもなれるということを、僕らの話を聞いたり、ゲームを遊んでもらったりして、感じてもらうみたいな還元の仕方はありますよね。

直良やって見せて、それをまねてもらったり、踏み台に使ってもらったりということですよね。講演をして、生徒だけではなく、先生方から喜ばれることも多いですし。自分たちでは伝えられないことを、いろいろと話していただけたって。

塩田起業するにしても、そんな大したことないですし。

鮄川頑張ってたら、道が開けますもんね。選択肢を広げてあげる、思考の枠を外してあげるってのは大事ですよね。

直良基本的にやろうと思ったら、いくらでもできる。世界中で、どこででも働ける。そこで友達が増えていけば、どんどんおもしろいことができそうですね。

塩田最高に可能性にあふれた時代になってきてるので、僕はうれしいです。

――そのうえで今日は、幸福度が高い県民性という話が一番心に残りました。

直良「足るを知る」の話は、本当にすとんと落ちますね。

塩田経済最優先の時代で、1周回っていて、今や違う軸で勝ってる。

鮄川めちゃめちゃいいですね。

――直良塾という話もありましたが、近い将来この鼎談がきっかけで、何か皆さんでコラボが実現するようなことがあれば嬉しいです。

塩田いやもうそれ、やりましょうか。

直良なにかできるといいですね、この三人で。

鮄川ぜひ。

――その時は真っ先に取材させてください。今日はありがとうございました。




どこでも働ける時代に、どこで働くかが重要になってくる。出雲市から世界に飛び出した3人は、まさしくこの言葉の通り、東京だけにとどまらず地域と関わりながら精力的に活動を続けています。直良塾に限らず、“無限の可能性”を秘めた人々を豊かにするコラボレーションが3社の間で生まれ、世界に広がれば。そんな楽しそうな未来を夢見ずにはいられません。
《小野憲史》
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