人生にゲームをプラスするメディア

無意識のうちに生まれる思考の枠を外せば、人の可能性は無限大―島根県クリエイター鼎談

島根県出雲市出身で日本だけにとどまらず世界で活躍する企業の代表にお集まりいただきざっくばらんな鼎談を実施。故郷と世界の関わり、モノづくりで「ダークサイド」に落ちないための取組、人間の秘めたる無限の可能性まで幅広いお話を伺いました。

その他 全般
無意識のうちに生まれる思考の枠を外せば、人の可能性は無限大―島根県クリエイター鼎談
  • 無意識のうちに生まれる思考の枠を外せば、人の可能性は無限大―島根県クリエイター鼎談
  • 無意識のうちに生まれる思考の枠を外せば、人の可能性は無限大―島根県クリエイター鼎談
  • 無意識のうちに生まれる思考の枠を外せば、人の可能性は無限大―島根県クリエイター鼎談
  • 無意識のうちに生まれる思考の枠を外せば、人の可能性は無限大―島根県クリエイター鼎談
  • 無意識のうちに生まれる思考の枠を外せば、人の可能性は無限大―島根県クリエイター鼎談
  • 無意識のうちに生まれる思考の枠を外せば、人の可能性は無限大―島根県クリエイター鼎談
  • 無意識のうちに生まれる思考の枠を外せば、人の可能性は無限大―島根県クリエイター鼎談
  • 無意識のうちに生まれる思考の枠を外せば、人の可能性は無限大―島根県クリエイター鼎談

旧暦10月は神無月。しかし島根県出雲市では「神在月」の神事が行われます。そんなふうに、日本中から八百万の神様が集まる出雲大社を抱える出雲市から、3人のクリエイターが世界に向けて飛び出しました。

くしくも島根県はINSIDE編集長、山崎浩司がイード(*)の開発拠点「松江ブランチ」の立ち上げで、20代をすごした思い出の土地でもあります。

そこで、島根県出雲市出身で日本だけにとどまらず世界で活躍する企業の代表にお集まりいただきざっくばらんな鼎談を実施。鼎談場所も出雲市の食材をふんだんに使った郷土料理を堪能できる「がっしょ出雲」と出雲づくしなロケーションで、故郷と世界の関わり、モノづくりで「ダークサイド」に落ちないための取組、人間の秘めたる無限の可能性まで幅広いお話を伺いました。
(*)INSIDEの運営企業。2015年に島根県松江市に開発拠点を設立。

アカツキ代表取締役CEO 塩田 元規
『八月のシンデレラナイン』などの開発、運営を行うモバイルゲーム事業を展開。ゲームだけでなくリアル体験を提供するライブエクスペリエンス事業も。

IZM designworks代表取締役 直良 有祐
2018年2月に『Fate/Grand Order』の企画・開発・運営を行うディライトワークスのアートデザインを統括するクリエイティブオフィサーに就任。過去にアートディレクターとして『ファイナルファンタジー』シリーズに参加。

モンスター・ラボ代表取締役CEO 鮄川 宏樹
12カ国21都市の拠点を活用したグローバルソーシングによって、モバイルアプリやWebサービスの企画、開発、運用まで幅広く手がける。インターネットBGM「モンスター・チャンネル」、自社ゲームなどの自社プロダクトも展開。

取材場所協力がっしょ出雲 https://goo.gl/wzk7rW

取材・文 小野憲史
企画・構成 山﨑浩司

山高OBの三名、起業のきっかけを語る


――皆さん、同じ島根県出雲市出身で、しかも同じ高校のOBとお聞きしているのですが、どれくらい年齢差があるのでしょうか?

直良有祐氏(以下、直良)自分が今47歳で、山高の40期です。本当は出雲高校っていうんですが、小さな山の上にあるので「山高」と呼ばれています。

鮄川宏樹氏(以下、鮄川)俺が今43歳だから、44期か。塩田君とは9歳違いなんじゃないかな?

塩田元規氏(以下、塩田)そうです。僕、35歳で2000年に卒業なんで。だから51期ですね。

鮄川9歳違うって、すごいよね。まるまる小学校と中学校分だけ違うんだから。

塩田鮄川さんが高校生1年生の時に、小学校に入学したわけですからね。鼎談が始まる前も「席をどうする?」「自分が一番下座だろう」みたいな話をしていました(笑)。

――皆さん、地元を離れて世界的に活躍をされつつ、一方で島根や地方とも繋がりを持つなど、幅広く活躍されていらっしゃいますよね。起業までの経緯を教えていただけますか?

直良高校を卒業後、すぐに東京に出て。いろいろあって、スクウェア・エニックスに入社しました。そこで『ファイナルファンタジー』シリーズなどのタイトルにかかわった後に、2016年に退職して出雲に帰ったんですね。スクエニには24年くらい在籍したのかな?

――ディライトワークスのクリエイティブオフィサーも兼務されていますよね。

直良実は社長(庄司顕仁氏)がスクエニ時代の後輩なんです。出雲と東京を往復する生活をしているうちに、またゲームを作りたいなあと。「じゃあ一緒にやりましょうか」って声をかけてもらってクリエイティブオフィサーという仕事を兼業でやらせてもらっています。月の半分は東京、もう半分は出雲でのんびりやっていますね。

鮄川自分は高校を出て1年浪人して、神戸大学の理学部数学科に進学しました。自分なりに視野を広げたくて、PWCコンサルティングという外資系のコンサル会社に就職したんです。ちょうど2000年くらいかな。その頃ってインターネットや新しいテクノロジーが海外からガッときていた時期で、このまま大企業相手のコンサルをしていても、時代においていかれると思うようになったんです。それでエンジニアとしてやり直そうと思って、ベンチャー企業に転職しました。そこで5年間お世話なった後、別のコンサルに転職して、2006年に起業したという流れです。

――起業のきっかけはなんだったんですか?

鮄川3歳年下にバンドをやっている弟がいて、弟も出雲高校出身なんです。そういうのもあって、インディーズで活躍しているアーティストを世に送り出すためのプラットフォームを作りたいなあと。それで起業して「MONSTAR.FM」というサービスを作りました。そこからリアル店舗向けのストリーミングサービス「モンスター・チャンネル」を開始したり、ゲームやアプリ開発をしたりと事業を広げながら、現在に至っています。

塩田自分は高校生の頃から会社を経営するって決めていたんですよね。親戚に経営者が多かったし、おやじが中学1年生の時に他界しているので、自分の人生について早いうちから考えるようになったんですよ。当時はITベンチャーが流行り始めたころで、横浜国立大学の電子情報学科で学生ベンチャーを立ち上げたりしていました。そんな頃に会社や経営についてもっと深く知りたくなって、「ハッピーカンパニープロジェクト」を立ち上げたんです。

そこでは幸せそうな会社の経営者に突撃して、「会社とは何か」「経営にとって一番大切なことは何か」といった具合に、インタビューをする試みをやっていました。そうした取り組みが、いまアカツキが掲げているビジョンに繋がっています。

ちょうど理系の大学院に1年飛び級で入ったんですが、それを辞退して、一橋大学のMBAに入って経営の勉強を2年間やった後、DeNAに入ってモバゲータウンの広告営業などをやりました。その後、DeNAを離れて起業した時も、自分の好きなことで世界を変えていける分野に挑戦してみたいなと思って。まずはゲーム会社としてスタートして、そこからいろんなエンタテインメントに広げていっている感じです。

もともと『ファイナルファンタジー』シリーズの大ファンだったんで、大学の入試でも「自分の夢は『FF』を越えるゲームを作ることです」といって、面接官から「専門学校に行った方がいい」と言われたくらいで(笑)。今日は直良さんに会えて嬉しいです。

鮄川うちは親が厳しくて、ファミコンとか一切禁止だったんですよね。友達の家で地味にやったりしましたけど。

塩田当時、友達の家に集まってゲームをするって、ありましたよね。

直良うちもファミコン、買ってもらえなかったんです。むしろ高校をサボってゲーセンに行くことが多かったかなあ。だからスクウェアに入るまで、実は『ファイナルファンタジー』をやったことなくて。面接の時も間違えて『ドラゴンクエスト』って言っちゃいました。

塩田当時はまだ、ライバル企業同士でしたからね。それは普通にアウトですよね(笑)


島根県と海外の意外な結びつきとは?


――島根県って、あまりなじみがない人が多いと思うんです。鳥取県とごっちゃになってる人も多いんじゃないかなと。

直良同じ島根県でも西と東でずいぶん違うんですよね。横に長いから。

鮄川東の方は鳥取県との結びつきも強いんですよ。近年では島根県の出雲市と松江市、鳥取県の境港市・安来市・米子市が中心になって「中海・宍道湖・大山圏域市長会」が設立されて、一緒に盛り上げていこうという感じになっています。そこの5市が集まると人口60万人くらいになって、まあまあの経済規模になるので。


塩田県を越えて地域でまとまるということですね。どんなことをやっているんですか?

鮄川インドのケーララ州と経済提携などを結んでいて、インド人のエンジニアを島根県に連れてくるみたいなことをやってますね。うちも1人採用したんですが。

塩田それはむちゃくちゃよさそう。

鮄川 松江市にアプリの開発拠点を2014年に作ったのも、まだ会社が小さかった頃に塩田さんに紹介されて、松江市の助成金の話を伺ったんですね。それがきっかけでした。

塩田島根県にはRuby(*)アソシエーションがあって、エンジニアもいるし。助成金の額もハンパない。ただ、人口が少ないので、分母も少ないんですよね。
(*)プログラミング言語のひとつ。島根県松江市にRuby開発者であるまつもとゆきひろ氏が在住しており、Rubyによる地域振興を行っている。

鮄川松江市の開発拠点でいえば、まだエンジニアが10人ぐらい。だけど、全員Iターンなんですよ。しかも、そのうち4人が外国人で、インド人1人とベトナム人が2人、最近キプロスからも1人来て。

塩田もはやキプロスの場所も分からない(笑)

鮄川ケーララ州も田舎なので、意外とみんな東京で働きたいとは限らないんですよね。日本に来たけれど、島根に開発拠点があるなら、そっちで働きたいという人間ばかりでした。

――京都に外国人のインディゲーム開発者が多い理由とも似ていますね。外国人からすれば、京都の方が住みやすいですし、ザ・日本ですしね。

鮄川実際、松江に行ったメンバーはめちゃくちゃ島根ライフをエンジョイしてますよ。外国人も日本人も。

塩田外国人の方は、出雲や松江のどの辺が魅力的だって言ってますか?

鮄川まず自然。あと、Rubyのコミュニティがあるところ。エンジニア同士の横のつながりがあって、勉強会をしたり。うちだと松江城で開発合宿をやったりしていますよ。生活費も安いですしね。

塩田海外の方からすれば、めちゃくちゃびっくりですよね。城で開発できるって。

直良モンスター・ラボってサービスとアイディアと社会貢献がセットになってる感じがして、すごいなあと思ってるんですよね。そこって意識的にやられているんですか?


鮄川営利企業だからまずは利益を出しながら、地域のためにとか、途上国で雇用を生み出したりとか、そういうのはあります。バングラデシュにも開発拠点を作りましたし。

直良なかなかできることじゃないなあと。創業時から考えられていたんですか?

鮄川うちは多様性を生かす仕組みを創ることを経営理念に掲げていて、それとは別に個人をエンパワーしたいなと。それがアーティストだったり、エンジニアだったり、クリエイターだったりするんです。事業領域が変わっても、そこは変わってないですね。

塩田根っこの部分は僕らも近いですね。僕らは感情をキーワードにしてるんですけど、人の心を動かして、その人が自分らしく輝いて、それが世界中に広がっていくっていうイメージ。「感情を報酬に」というキーワードを掲げています。

次ページ:モノづくりで「ダークサイド」に落ちないために
《小野憲史》

編集部おすすめの記事

特集

その他 アクセスランキング

  1. 早起きしなきゃ!「機動戦士ガンダムSEED FREEDOM ZERO」最新情報を公開する特別番組は10月9日4時45分から

    早起きしなきゃ!「機動戦士ガンダムSEED FREEDOM ZERO」最新情報を公開する特別番組は10月9日4時45分から

  2. 「Red Bull」飲んでも“翼は授けられなかった”として、アメリカで集団訴訟…1人当たり10ドルの返金 or 15ドル相当の「Red Bull」を受取る権利で和解

    「Red Bull」飲んでも“翼は授けられなかった”として、アメリカで集団訴訟…1人当たり10ドルの返金 or 15ドル相当の「Red Bull」を受取る権利で和解

  3. 『初音ミク V6』が「VOCALOID7」に対応へ―既存ユーザーへ日英ボイスバンクを無償提供予定

  4. 『艦これ』大好評を得た伝説のフィギュア「AMAKUNI 鹿島」が再販!当時の製品仕様そのままに指揮官の元へお届け

  5. 『ポケカ』新弾「Pokémon GO」に驚きの仕掛け―表面のシールを剥がせば…「メタモン」だー!

  6. 『ポケモン』公式絵でおなじみ、グラフィックデザイナー・杉森建氏の作品集「杉森建の仕事」が予約開始

  7. 「ちいかわ 5級」と「うさぎ 2級」柄の草むしり検定証カードホルダー新登場!裏面には漫画エピソードをデザイン

アクセスランキングをもっと見る