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【レポート】「取り乱しちゃダメだ、取り乱しちゃダメだ…」VR史上初の“エヴァ操縦体験”に触れてみた─手に汗握る発進シークエンスを実感

2016年は「VR(バーチャルリアリティ)元年」とも呼ばれ、PSVRの発売やVR系アトラクションが多数展開するなど、様々な動きがゲーム業界にも訪れました。

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【レポート】「取り乱しちゃダメだ、取り乱しちゃダメだ…」VR史上初の“エヴァ操縦体験”に触れてみた─手に汗握る発進シークエンスを実感
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2016年は「VR(バーチャルリアリティ)元年」とも呼ばれ、PSVRの発売やVR系アトラクションが多数展開するなど、様々な動きがゲーム業界にも訪れました。

その中でも特に注目を集めた企業のひとつが、バンダイナムコエンターテインメントです。PSVRの発売と同時に『サマーレッスン』を配信し、またVRエンターテイメント研究施設「VR ZONE Project i Can」をダイバーシティ東京プラザにて期間限定でオープンするなど、意欲的な活動で話題となりました。

強烈な体験をユニークに表現するキャッチコピー“さあ、取り乱せ”を掲げた「VR ZONE Project i Can」では、VRの醍醐味を直接的に味わえる『高所恐怖SHOW』『スキーロデオ』や、リアリティ溢れる運転を楽しめる『リアルドライブ』『トレインマイスター』、またホラーを実体験できる『脱出病棟Ω(オメガ)』などのVR体験が楽しめました。また、『アーガイルシフト』や『装甲騎兵ボトムズ バトリング野郎』など、ロボットに搭乗して敵を倒す、アニメさながらな体験が味わえるコンテンツも人気に。

盛況のうちに「VR ZONE Project i Can」は幕を閉じましたが、同社のVR展開は今年も更なる活気を見せており、新宿・歌舞伎町「TOKYU MILANO」跡地にて、2017年夏より期間限定で、エンターテインメント施設「VR ZONE Shinjuku」をスタートさせます。


この「VR ZONE Shinjuku」の詳細は、6月13日に公開されるカンファレンスにて明らかとなりますが、設置アクティビティの第一弾『エヴァンゲリオンVR The 魂の座』がいち早く発表されました。原作ファンの心をくすぐるネーミングも憎い『The 魂の座』は、エヴァンゲリオンの臨時パイロットとなり、エントリープラグに搭乗。操縦桿で実際に“エヴァ”を動かして使徒に立ち向かう、VR史上初となる「コックピットでのエヴァンゲリオン操縦体験」が味わえるアクティビティです。

『The 魂の座』の発表に合わせ、その一部が味わえる先行体験会がメディア向けに実施されたので、その模様をこちらで早速お届けします。

◆発進だけでも“取り乱す”ほどの没入感! 興奮と刺激に満ちた臨時パイロット体験


原作では、レイやシンジ、アスカが、零号機、初号機、2号機に乗り、使徒と戦いますが、本作では「エヴァ正規パイロットが不在」というハプニングに陥っており、各プレイヤーがNERVに選ばれた「臨時パイロット」としてエヴァに搭乗。第3新東京市に迫る最強の使徒を相手に、プレイヤーは3人一組となり、3機のエヴァで迎え撃つ形となります。


ちなみに、本作のエントリープラグから見下ろした地上との距離感は、地上約80メートル。高層ビル換算だと、約13階分ほどとのことです。リアルな数字を告げられると、エヴァの大きさを改めて実感すると共に、その迫力ある視覚体験も気になるばかりです。

「VR ZONE Shinjuku」に設置される正式稼働版では、上記の通り使徒との戦いに挑むことになりますが、今回はその戦場へと向かうまでの発進シークエンスを体験することができました。原作ファンならお分かりの通り、地上にエヴァを射出するまでにも様々な演出や過程があるので、その流れを“搭乗者の視点”で楽しめるのも嬉しいポイントです。


『The 魂の座』のために作られた専用体感マシンには、原作と同じようにレバーが左右にあります。このレバーはエヴァの移動に用いるとのこと。照準は、VRデバイス「HTC Vive」の視点で目標を定める方式となっており、まさに「(視覚的に)目標をセンターに入れてスイッチ」といった操作感覚になるのでしょう。今回は発進シークエンスのみなので、その醍醐味を味わえる新たな機会を楽しみにしておきます。


VRゴーグルを身に付け、準備が整うと、すでにエントリープラグの中にいる状態でスタート。まだエヴァとの接続が完了していないので、まだ周辺の様子しか見えません。ですが自分の体を見ると、プラグスーツを身に付けているのが分かり、またレバーを動かすと画面内の腕も稼働。「あのエヴァのコックピット、“魂の座”にいるんだ!」と、早くもテンションが上がります。

続いて、エントリープラグ内にLCLが注入されます。画面内でみるみるうちに水位が上がり、同時に専用筐体からは送風が。振動や可動のみならず、風などの刺激も交えて、“魂の座”にいる感覚を様々な形で表現しており、没入感をより高める工夫が随所に見られます。


そしてA10神経が接続されると、エントリープラグ内に格納庫の光景が表示。これも原作で何度も見たシーンですが、一人称視点で見ると感慨深さも加わります。ちなみに少し身を乗り出して下を覗き込んでみたら、初号機の肩などを確認することができました。また、シンクロ率も計測され、10.7%と表示。辛うじて動く程度か…!

興奮と好奇心から周囲をあちこち見ていると、ミサトさんから通信が。出撃前の状況説明なども原作さながらですが、当事者として聞くのは新鮮な体験です。今回は接続されていませんが、正式稼働時には別のエヴァに乗り込んだプレイヤーとボイスチャットで意思疎通が可能。発進シークエンスの際にも、3機のエヴァが並んで射出されます。

ミサトさんからの説明も終わると、いよいよ発進シークエンスも大詰め。「6番ゲート 閉鎖」の文字が「解放」へと切り替わり、座席から激しい衝撃が。同時に、壁面が凄まじい速度で下方に流れ、ぐんぐんと上昇。そしてこの衝撃が収まった時、使徒が待ち受ける「地上」へと踏み出すことになります。


期待感を高めるこの流れは、アニメの発進シークエンスをベースに、細部に至るまで組み立て直して構築し、監修を受けて制作されています。そのこだわり抜かれた再現性は、この短い体験だけでも手応え充分でした。高い没入感のまま使徒と対峙したら、戦いへの緊張感と興奮の板挟みで、文字通り“取り乱して”しまいそうです。正式に稼働した暁には、「逃げちゃダメだ」と自分に言い聞かせたシンジ君のように、「取り乱しちゃダメだ」と戒めながら戦おうと、密かに決意した先行体験となりました。

◆開発陣に直撃!『The 魂の座』の気になるあれこれ



先行体験では、発進に至るまでの過程を体験できましたが、その次に待ち構えている使徒との戦いなど、興味深い点はまだまだ尽きません。その全容はまだ明かされていませんが、いくつかの気になるポイントについて伺ったので、Q&A形式でお伝えします。

Q:『エヴァンゲリオンVR The 魂の座』制作のきっかけは?
A:「エヴァ」のVRが作りたかった、というのが第一でしたね。エヴァのパイロット体験が味わえるVRは今までなかったので。

Q:「HTC Vive」を採用された理由は?
A:施設向けにVRを展開する時に使いやすいためです。ある程度歩き回るようなコンテンツにも対応できるので、(施設で運用する際に)一種類の機器で済むのは大きいですね。

Q:3人一組で使徒と戦いますが、これはコンテンツの回転率などを考慮したのですか?
A:エヴァなので、3人で戦いたいじゃないですか。あと、複数人で遊んだ方が絶対楽しいと思いまして。

「VR ZONE Project i Can」の時は、一人で遊ぶものが多かったんですよね。『脱出病棟Ω(オメガ)』と『装甲騎兵ボトムズ バトリング野郎』くらいでした。でも、今度の「VR ZONE Shinjuku」では、みんなでワイワイと取り乱してもらおうと思いまして。エヴァも、取り乱しモノなんですよ(笑)。(発進シークエンスの後は)阿鼻叫喚の世界です(笑)。

Q:必ず3人同時に出撃という形になるんですか?
A:システムとしては、ひとりだけで出撃することも可能ですが、使徒との戦いは非常にキツイものになるでしょう(笑)。

Q:使徒は倒せるんですか?
A:ゲーム的に、成功と失敗の両方を用意しています。活動限界の中で使徒を倒せれば作戦成功、間に合わなければ作戦失敗となります。作戦失敗時にも演出があり、むしろそっちの方が見どころかもしれませんね(笑)。

Q:1プレイの時間はどれくらいですか?
A:最初の説明やゴーグルの装着・着脱なども含め、8分くらいになります。

Q:暴走はしないんですか?
A:(原作準拠だと)暴走すると、自分は何も出来なくなっちゃうんですよね。ムービー見ているだけになってしまうので、現段階では予定していません。

Q:プログレッシブナイフなどを使った格闘はできるんですか?
A:今回の使徒は、ナイフで太刀打ちできる気がしなかったんですよね(笑)。サイズも大きいですし、実際にプレイしてみたら近づきたくないと感じると思います。ちなみに武器は複数用意しており、中にはビルから取り出すN2ミサイルなどもあります。

Q:この筐体にシートベルトがないのは、原作再現のひとつですか?
A:それもあります。身体を締め付けているものがあると、どうしても違和感になるので。「シートベルトがないと、安全性上NGです」という場合は付けますが、そうでない限り、付けないようにしたいと考えています。

ちなみに、実際に作ってみて分かったことなんですが、(原作に準じた)この姿勢で揺れると、お尻が段々下がってくるんですよね(笑)。なので、滑り止めのようなものは用意すると思います。




■『エヴァンゲリオンVR The 魂の座』
エントリープラグ内のコックピット(魂の座)を、バンダイナムコエンターテインメントが企画開発した専用体感マシンで再現。LCL注入、A10神経接続、シンクロ率計測など、エヴァの象徴的な発進シークエンスだけでなく、地上での使徒との鬼気迫る戦闘シーンも規格外のスケールで体感することができます。

■超現実エンターテインメント EXPO「VR ZONE SHINJUKU」
当施設は、“体験したくてもできない喜びや驚きを、想像をはるかに超えて実現する”超現実エンターテインメントをお届けする施設として、様々なアソビを施したエンターテインメント空間です。

VRエンターテインメント研究施設「VR ZONE Project i Can」で蓄えた、五感に訴えかける実在感の創出や、酔いの解消を実現する技術力、また、IPの魅力をより引き出すコンテンツ開発力を活かし、単なる VRゲームにとどまらない最先端VRアクティビティを提供します。

その他にもプロジェクションマッピングなどの技術を活用したインタラクティブなアソビを楽しめるコンテンツを導入。施設規模は約1,100坪を予定しており、施設内には飲食、物販コーナーも設ける予定です。
《臥待 弦》

楽する為に努力する雑食系ライター 臥待 弦

世間のブームとズレた時間差でファミコンにハマり、主だった家庭用ゲーム機を遊び続けてきたフリーライター。ゲームブックやTRPGなどの沼にもどっぷり浸かった。ゲームのシナリオや漫画原作などの文字書き仕事を経て、今はゲーム記事の執筆に邁進中。「隠れた名作を、隠れていない名作に」が、ゲームライターとしての目標。隙あらば、あまり知られていない作品にスポットを当てたがる。仕事は幅広く募集中。

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