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ご縁の国で生まれた『√Letter ルートレター』きっかけは友人と箕星太朗さん、記者会見一問一答

角川ゲームスは5月3日に島根県・松江市にて『√Letter ルートレター』の完成を祝うお披露目イベントを開催しました。

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イベントでの集合社員
  • イベントでの集合社員
  • 角川ゲームス安田社長
  • 日高のり子さん
  • 藤ダリオさん
角川ゲームスは5月3日に島根県・松江市にて『√Letter ルートレター』の完成を祝うお披露目イベントを開催しました。

本作は松江市を主な舞台としたアドベンチャーゲームで「角川ゲームミステリー」の第一弾として、15年前に文通をしていた少女を取り巻く謎を描いた作品となっています。ゲームには実在の人物や場所が多数登場していて、ゲームには珍しい作りを行った作品でもあります。

完成披露会の後、角川ゲームス代表取締役社長で本作のプロデューサーを務めた安田善巳氏、主人公・文野亜弥役を務めた日高のり子さん、作家でシナリオを執筆した藤ダリオさんの会見が行われたのでその模様をレポートします。

―――改めて島根県を舞台にした『√Letter ルートレター』を作るに至った経緯を教えてください。

安田善巳: ちょうど3年前に『KILLER IS DEAD』を作り終えたタイミングで、高校の同級生が島根県の企画局次長に就いて、ゲームを通じて島根県をアピールしたいと相談があったんです。ただ、その時には期待に応えるのは難しいなと思ったのですが、ある時、箕星太朗さんから、こういうゲームを作りたいという提案があって話がスタートしました。コアなアドベンチャーゲームファンの方にも、活字は読むけどゲームはハードルが高いと思われる方にも楽しんで貰えるようなゲーム作りを目標に作ってきました。

地元の方々からは「島根県なんかを舞台にしてゲームを作って失敗したらどうするんですか」と言われましたが、そういうことが万一あっても大丈夫な会社ですからとお話して、沢山の方にご協力をいただき、本日のイベントにも多くの方にお越しいただけました。楽屋で日高のり子さんと、次回作に出たい方がいらっしゃらなかったらどうしよう・・・とお話をしていたのですが、殆どの方が手を挙げてくださり、とても興味を持っていただいていることが分かりました。島根県の人は控えめな方が多いですが、気持ちの中で応援していただいているのではないでしょうか。

日高: ゲームのプレゼンテーションの中で、物凄く島根県に深い愛情を持って作られているというのが伝わった結果ではないでしょうか。そういう愛情があってこそ作品は素晴らしいものになると思います。

―――次回作をどういう作品にするかということは既に構想が固まっているのでしょうか?

安田: 既に舞台も決定していますが、一緒にやらせていただくところからのたってのお願いで、まだ伏せて欲しいと言われています。しかるべきタイミングで発表しますが、少し先になると思います。

―――ゲーム開発で特に苦労した部分を教えてください

安田: 最初は、島根県の役に立ちたいという気持ちが強すぎて、島根県さんからの依頼もあり県内の色々の場所を取り上げようと混乱してしまった時期がありました。島根県には松江以外にも素晴らしい場所は幾つもあるのですが、高校生の日常にそれほど多くの場所が登場するのも不自然になってしまいます。どうしても高校生の生活圏は家と高校の間に集約されますからね。ただ、隠岐の島や石見などの場所はシナリオの中では触れるようにしています。

―――日高さんに台本を読んでの感想を伺いたいです

日高のり子: 日高のり子は元気な子を演じる事が多くて、特に海外ではそういうイメージがあるようなので、亜弥のキャラで何故私なの、というのは最初に少し思いました。でも台本を読んでいくと物語は15年前に遡っていって、33歳と18歳を演じ分けないといけない。昔、「タッチ」で朝倉南をやったとき自分は22歳で、中学生を演じました。中学生の恋愛を人に聞かせるには、リアルな中学生がやってもそこまで深い表現はたぶん出来なくて、少し人生経験のようなものも必要だと思うんです。そういう意味で私が亜弥をやる意味があるのかなと思います。

―――今後の「角川ゲームミステリー」の中では、活発な日高のり子さんも見られる?

日高: せっかく頂いた役なので、日高のり子ってほんとはこんな人なのかも、と思われるくらいまでこのキャラクターを高めたいと思っています。そういうイメージが定着したらまたチャレンジしたいですね。

―――シナリオの見どころを教えてください

藤ダリオ: 月並みな表現ですが、ドラマのようにどんどん引き込まれていくような物語になっています。色々なルートのエンディングがあるのですが、例えバッドエンドでも無茶苦茶な内容ではなく、遊んできた物語と辻褄が合うような内容にはなっています。全てのエンドパターンで筋が通った物語になるようにするというのはライターとして苦労したところです。

安田: 今回のシナリオでは、どれを選べば正解・不正解という事ではなく、半分正解であるようなアナログな部分を狙いました。解き方のラーニングカーブに色々な段階を設けるようなシナリオを藤さんと一緒に作りました。

―――実在の人物を描く上で難しかった点はありますか?

藤: 実在の人物に余り強いキャラ付けをしたり、おかしな行動をさせてしまったりするとご本人に迷惑をかけてしまう可能性もあるので、そこは配慮しました。また、実在の地域を舞台にしているので、ある商店に住む架空の人物を描いたとしても「あの人のことじゃないか」と想像できてしまうと同じように迷惑をかける可能性があるので、気を使いましたね。

―――最後にゲームを楽しみにしているユーザーの皆さんに一言お願いします

日高: 今回、素晴らしいイベントに参加させていただいて、故郷に迎え入れてもらうような感覚で、島根県の方の暖かさに触れる事が出来ました。ゲームとしてミステリーの楽しさを最初に遊んでいただくだけでなく、島根県で旅をするような感覚でも楽しめると思います。最近は余りゲームを遊んでない方も青春を思い出して、アルバムをめくるように楽しんでもらえればと思います。

藤: 僕が書いた、というのもありますが、大人が遊んでも楽しいものになっていると思います(笑)。自分が高校生の時に、こんなことあったな、思い出すな、というような事が自然と感じられるものになっていると思います。歳を取るとあまり激しいゲームはやらなくなりますが、若い人からお年寄りまで楽しめる作品なので、是非よろしくお願いします。

安田: 微力ながら、ゲームと何かを組み合わせて社会に貢献していきたいとずっと考えてきたのですが、今回は島根県の皆さんに想像もしなかったくらいのご協力をいただき、ゲームや地域を一緒に盛り上げていくという事に取り組めたと思います。特に地元の若い方のパワーも感じ、自分たちで未来を切り開いていくんだという強い意思を感じ、こうした事が日本全国で起こっていけばいいなと思いました。

作り手としては賛否両論あると覚悟していますが、こういうアドベンチャーゲームができればいいなと思ってきた事を詰め込みました。例えば、AI的なコマンドとして「考える」というものを入れました。物語の選択肢を示唆してくれるもので、ともすれば「アドベンチャーゲームの醍醐味がなくなった」と取られる可能性もあります。ただ、あまりゲームに接してこなかったような方にも遊んで欲しいと願い、どうしても先に進めない、というケースを排除できるシステムとして考えています。もちろん、アドベンチャーゲームに慣れ親しんだ方には、もっと深い遊び方ができるような設計にしています。

最後にデザイナーの箕星太朗さん、作家の藤ダリオさん、声優の日高のり子さんという日本を代表するクリエイターの皆様を迎え、地元では「たたら製鉄」をルーツとする750年以上続く名家で山陰中央テレビの常務を務める田部長右衛門様にも多大な協力をいただきました。さらにソニー・インタラクティブエンターテインメント台湾の江口達雄・総経理の協力で台湾を始めとするアジア地域での展開も決定しています。私自身は微力ですが、多くの方のパワーを借り「角川ゲームミステリー」の第一弾を素晴らしいものにできたと思っています。ぜひ多くの方に楽しんでいただきたいです。


ご縁の国、島根を舞台にした『√Letter ルートレター』。安田氏の話からは様々な出会いをきっかけに本作が生まれた事が分かりました。6月16日に発売予定の本作、楽しみにしたいですね。
《土本学》

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