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【hideのゲーム音楽伝道記】第3回:ワクワク感と楽しさが詰まった傑作RPG『ゼノブレイド』の音楽

インサイドをご覧の皆さま、こんにちは。ゲーム音楽好きライターのhideです。ゲーム音楽の連載記事「hideのゲーム音楽伝道記」第3回目となる今回は、2010年に任天堂からWiiで発売されたRPG『ゼノブレイド』について書いてみようと思います。

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あなたは最近、ワクワクしたことがありますか?――

インサイドをご覧の皆さま、こんにちは。ゲーム音楽好きライターのhideです。ゲーム音楽の連載記事「hideのゲーム音楽伝道記」第3回目となる今回は、2010年に任天堂からWiiで発売されたRPG『ゼノブレイド』について書いてみようと思います。

『ゼノブレイド』の冒険の舞台は、「巨神」と「機神」という、巨大なふたつの神。互いの存在を懸けて戦い、相打ちとなり、亡骸(なきがら)となった神の身体の上を冒険するという、壮大なスケールの作品です。機械の生命体“機神兵”に故郷を襲われ、大切な人を奪われた主人公・シュルクとその仲間たちが、機神兵たちに復讐するため旅に出ます。


僕は2010年当時、『ゼノブレイド』の公式サイトで流れるメインテーマの美しさと壮大な世界観に惹かれて、「これはとんでもない作品な気がする!」と直感し、発売日に購入してプレイしたのですが、案の定どっぷりとハマりました。実際、発売当初よりユーザーから絶大な支持を受け、実際にゲームを遊んだ人のみが評価・投票できる、Wiiの「みんなのニンテンドーチャンネル/みんなのおすすめ」では、最も高いランクである「プラチナ」ランクを獲得した作品です。プラチナを取るためには、100点中95点以上という非常に高い平均値が必要なので、いかにユーザーから支持されたかがお分かりになるかと思います。

『ゼノブレイド』の魅力は色々あるのですが、その中でも特に素晴らしい要素が、音楽です。質の高い楽曲の数々が、ゲームを大いに盛り上げてくれます。

本作の音楽は、下村陽子さん、清田愛未さん、ACE+さん(CHiCOさんと工藤ともりさんのユニット「ACE」さんに、作編曲家の平松建治さんが加わった3人)、そして光田康典さんの4組が作曲を担当されています(光田さんはエンディング曲「Beyond the Sky」のみを担当)。

複数の作曲家さんが携わっていますが、世界観が見事に統一されているのが素晴らしいです。一聴しただけでは誰がどの楽曲を担当したのかすぐに分からないほど、調和がとれています。『ゼノブレイド』総監督の高橋哲哉さんは、作曲家の皆さんと密にやりとりをして、すりあわせを行ったそうなので、そのたまものだと思いますね。

◆秀逸な楽曲群が、多彩なフィールドを盛り上げる!




『ゼノブレイド』の世界には美しいフィールドや景色がたくさん登場するのですが、それを盛り上げてくれる素敵な楽曲がたくさん詰まっています!。

僕が『ゼノブレイド』の中で一番印象的な音楽は、ゲーム序盤で訪れる、「ガウル平原」という緑豊かな大平原で流れる楽曲ですね。僕が初めてそこを訪れた時は、どこまでも歩いていける広大さと開放感に驚いて、胸がおどり、ワクワクしました! 雄大な音楽もとても心地よくて、しばらく時間を忘れて探索していましたよ。「ガウル平原」はぜひ、実際にゲームをプレイしながら音楽を聴いてみてほしいなと思います。雄大な音楽とともに、広々とした大平原を駆け巡るのは、本当に気持ちいいですよ。ガウル平原に初めて足を踏み入れた時のあのワクワク感は、ひとりでも多くの方に味わってみてもらいたいです。

もうひとつ僕がおすすめしたいのは、「燐光の地ザトール」という場所の夜の音楽です。『ゼノブレイド』では、昼と夜で音楽のアレンジが変わる場所が多いのですが、中でもここは音楽の変化が大きく、昼と夜で全く違うものになります。ザトールはじめじめした沼地帯で、昼間は音楽も重苦しいものなのですが、夜には景色が一変。幻想的な自然光によるイルミネーションが木々を彩り、さらに音楽も、ストリングスとコーラスが加わって、雰囲気を盛り上げてくれるのです。これがもう絶品で、息をのむほど美しくて…! 僕は初めて夜にザトールを訪れた時、とても感動して、ずっと歩きまわっていました(笑)。

あとは、物語後半に出てくる、「帝都アグニラータ」という場所の音楽も個人的にお気に入りですね。ストリングスとピアノによる、切なくも美しい旋律がとても心地よく、思わずコントローラを動かす手を止めて聴き惚れてしまいました。

そのほかにも、「脱出艇キャンプ」の落ち着いた音楽、まるまるとしたかわいい種族“ノポン族“のふるさと「サイハテ村」の素朴で癒される音楽、「マキナ原生林」の神秘的な音楽、「機神界フィールド」の胸に染みわたるような切ない音楽……と、挙げていくとキリがないのでこのへんにしておきますが、どの場所もロマンあふれる音楽が素敵でした。思い返してみると、僕はゲームプレイ中、新しい場所を訪れると、まずはゆっくり歩きまわって景色と音楽を堪能していました。そのせいか、クリアするまでにだいぶ時間がかかりましたね(笑)。魅力的な場所が多い作品なので、ぜひ実際にゲームをプレイして体験してみてもらいたいなと思います。

◆「名を冠する者たち」のインパクト




『ゼノブレイド』は、バトル曲もインパクトが大きいです。本作のバトル曲で僕がもっとも印象的に感じているのは、「名を冠する者たち」という楽曲ですね。

『ゼノブレイド』の世界には、たくさんの生き物が生息しています。『ゼノブレイド』のバトルは、フィールド上を歩きまわっているモンスターに近づくと戦いが始まるシームレスタイプなのですが、たまに“ユニークモンスター”という、二つ名のついた強敵に遭遇することがあるのです。「名を冠する者たち」は、そのユニークモンスターと戦う時に流れる曲になります。この曲、イントロからエレキギターがギュンギュン鳴るロックでかっこいい曲なんですが、そのイントロとともにやたらと強いモンスターが現れるので、正直びっくりします! インパクト絶大です。

先ほどご紹介した、ゲーム序盤に訪れる「ガウル平原」にも、”縄張りバルバロッサ“というレベル81の強力なユニークモンスターが普通にのっしのっしと歩いています。そいつに遭遇すると、「名を冠する者たち」がいきなり流れ始めるわけです。僕は初プレイの際、バルバロッサに初めて遭遇した時は本当にびっくりして、「なんだこの敵、やたらレベルが高い!? というかこの曲、すごくかっこいい! でもレベルがやたら高いし、逃げたほうがいいのかな? ああ、でもこの曲いいな、もっと聴きたい…」そんなことを考えているうちに、やられてしまいました(笑)。まあ、こういうハプニングも『ゼノブレイド』の醍醐味かもしれませんね。レベルを上げて再度挑んでもかなりの激闘になるわけですが、その戦いを盛り上げてくれる熱いメロディがたまらない1曲です。メロディの良さはもちろんですが、ゲーム中の思い出としても非常に印象に残っています。

あとは、ゲーム後半の通常バトル曲「機の律動」も印象的な1曲ですね。これもイントロからエレキギターが暴れまくる熱い曲で、僕は初プレイの時、「これが通常バトルの曲なのか!?」と驚いたのをよく覚えています。僕はこの曲がとても気に入って、音楽を聴きたいがために、ひたすら敵と戦っていました(笑)。

◆ドラマを熱く盛り上げる、「敵との対峙」


「RPGのキモは、やはりシナリオだ」という方も多いと思います。『ゼノブレイド』は”モナド“という神の剣を軸に物語が進んでゆくのですが、意外性のある展開もあり、「早く先が見たい」と思わせてくれるものになっています。

『ゼノブレイド』は、全体的にイベントシーンの演出がとても熱いのが特徴です。イベントシーンに流れる音楽で「敵との対峙」というものがあるのですが、これが飛びぬけて素晴らしい楽曲で、熱いドラマをさらに盛り上げてくれます。ゲームの序盤には、絶望的なまでに悲しく、激しく怒りを覚えるようなシーンがあるのですが、シュルクはその出来事をきっかけに、とある決意を胸に抱き、故郷を旅立つのです。そのシーンで流れているのが「敵との対峙」なのですが、切なさのあふれる曲調が、シュルクの悲愴な心理をとてもよく表していて、非常に印象的でした。

「敵との対峙」が使用されているシーンで、もうひとつ印象深いものがあります。それは、メインキャラクターの1人・ダンバンさんが、とある悪役キャラクターの「また立つのかよ、俺の前に!」というセリフに対し、「ああ、立つさ。そして、お前の心が汚れ歪んでしまったのなら、それも断つ!」と言い放って対決するシーンです。もう本当にこのシーンは、声優さんの演技、カメラワーク、そして音楽、すべてひっくるめて、しびれるほどかっこよかったですね。心に響きました。

そのほかにも「敵との対峙」は、『ゼノブレイド』の多くのシーンで使用されているので、おそらく本作をプレイした多くの方の心に残る楽曲なんじゃないかなと思います。

◆New 3DS版が4月2日に発売されます



さて、そんな『ゼノブレイド』ですが、4月2日にはNewニンテンドー3DS版が発売されます。今回、携帯ゲーム機で遊べるようになって、いつでもどこでもプレイできるというのは大きな利点ですね。日常のちょっとした空き時間にも遊びやすくなっていると思うので、「今まで気になっていたけど、手を出せていなかった」という方も、この機会にぜひ体験してみてください。

正直言うと、この作品を未プレイの方がうらやましいです。僕も、できることならば『ゼノブレイド』についての記憶をいったんリセットして、まっさらな状態からもう一度遊びたいです……! なお、タイトルに“ゼノ”とついていますが、過去に発売された『ゼノギアス』や『ゼノサーガ』三部作との物語の繋がりはないので、『ゼノブレイド』からプレイされてもまったく問題はありません。

今回、New ニンテンドー3DS版の購入者特典として、Wii版の特典として配布されたサウンドトラックCDの復刻版がプレゼントされます。僕はWii版を購入した際にもらったのですが、このCD、おすすめですよ。先ほどご紹介した4組の作曲家の皆さんの楽曲が、それぞれ選ばれて収録されています。1曲あたりの尺が長めなので、じっくり楽しむことができますよ。ぜひ音楽でも『ゼノブレイド』の世界を存分にご堪能ください。

せっかくの機会なので、本作のエンディング曲「Beyond the Sky」の歌い手さんについてもご紹介しましょう。この楽曲は、歌手のサラ・オレインさんが歌われています。近年サラさんは、フィギュアスケートのアイスショーで羽生結弦選手と共演したり、 テレビ朝日『関ジャニの仕分け∞』のカラオケ得点対決に出演するなど、多方面で活躍されていますが、実はこの『ゼノブレイド』が歌手としてのデビュー作だったのです。初作品ということをまったく感じさせないような、芯の強さと美しさをあわせ持ったサラさんの歌声は、とても魅力的ですよ。物語の終わりを、爽やかに締めくくってくれる1曲です。僕もエンディングを見ながらこの歌を聴いた時は、充実感と達成感で胸がいっぱいになったことをよく覚えています。

◆冒険のワクワク感と楽しさが詰まった、素敵な作品です


『ゼノブレイド』は、総監督の高橋哲哉さんをはじめ、開発を担当したモノリスソフトや任天堂の制作スタッフの皆さんが、非常に大きな情熱を注ぎ込んで制作に取り組んだとのことで、それが良い形に結晶化した作品になっています。

広い世界を探索する。美しい景色を堪能する。個性豊かな人々とふれあう。仲間と共に熱いバトルに挑む。仲間の成長を喜ぶ。二転三転する物語を楽しむ……。RPGというエンターテインメントが持つ楽しさが、『ゼノブレイド』にはたっぷりと詰まっています。そして、『ゼノブレイド』には、冒険するワクワク感があります。

あなたは最近、ワクワクしたことがありますか?――

異世界へと旅をする。ゲームは、それが最高の形で体験できるメディアです。やっぱり、ゲームには“ワクワク感”が必要だと思うんですよね。

僕自身、Wii版発売当時に初めて『ゼノブレイド』をプレイした時は、その鮮烈かつ奥深い世界観に、心底魅せられました。ゲームをやっていて本当に久しぶりにワクワクして、冒険心をくすぐられましたね。やればやるほど楽しくなってゆく、『ゼノブレイド』という世界が持つ懐の深さには、とても驚きましたし、のめりこみました。『ゼノブレイド』のおかげで、「ああ、やっぱりゲームっていいものだなぁ」と改めて実感できました。

「昔はよくゲームをプレイしていたけど、最近は忙しくてあんまりやらなくなっちゃったなぁ」という方にも、だまされたと思って触ってみてもらいたいです。日本製RPGの、ひとつの集大成と言っても過言ではない作品だと思います。

必要なのは、ゲーム機と『ゼノブレイド』のソフト、そして、ほんのちょっとの好奇心だけです。さあ、いつもの日常を少し抜け出して、シュルクたちと一緒に、冒険に出かけてみませんか。たくさんの驚きと楽しさが、あなたを待っています!


【筆者プロフィール】
 hide / 永芳 英敬

ゲーム音楽ライター&ブロガー。ゲーム音楽作曲家インタビュー記事、ゲーム音楽演奏会レポート記事など、主にゲーム音楽関係の記事を執筆。4月29日発売のWii Uソフト『ゼノブレイドクロス』も楽しみです。

[Twitter] @hide_gm
[ブログ] Gamemusic Garden
《hide/永芳英敬》

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