人生にゲームをプラスするメディア

AmazonによるTwitch買収で、ゲーム実況・プレイ動画配信の規模がさらに拡大

Amazonがゲーム配信サイトTwitchを約9億7000万ドル(約1000億円)という巨額の資金で買収することになりました。AmazonがそうまでしてTwitchをほしがった理由とは?

ゲームビジネス 市場
Twitchでの実況動画配信の大人気タイトル『League of Legends』。MOBA(Multiplayer Online Battle Arena)と呼ばれる、日本ではまだあまりなじみのないジャンルです
  • Twitchでの実況動画配信の大人気タイトル『League of Legends』。MOBA(Multiplayer Online Battle Arena)と呼ばれる、日本ではまだあまりなじみのないジャンルです
  • 6月に開催されたE3 2014。任天堂による「Nintendo TREEHOUSE」はTwitchでも配信されていました
  • Amazon Fire TVは余分な装飾が一切ないシンプルなデザイン。ゲーム用のコントローラーは別売りとなっています
  • PS4に続き、Xbox Oneもいよいよ日本上陸。Twitchに限らず、ゲームプレイ動画の実況や配信にはそれぞれ(PS4用)カメラやKinectがあると便利です
8月26日(米国時間8月25日)、AmazonがTwitchを約9億7000万ドル(約1000億円)で買収することが明らかになりました。かたや通販サイト、そしてかたやゲーム実況サイト。この買収は、それぞれのどのような利益をもたらすのでしょうか。現状と、今後どういった展開になりうるのかを考えてみたいと思います。

Twitchはゲーム動画専門の動画配信サービス。5月にgoogleが買収を検討しているとの報が出たときはその話題を拙記事で紹介しましたが、どうやらそちらは合意にいたらなかったようです。Twitchがどのようなサービスであるかもそちらの記事で紹介していますが、そのときに「(2013年時点で)4500万人」と書いた月間利用者数が今では5500万人に増えているというのですから、その勢いはますます増しています。

◆Twitch買収でさらに拡大するAmazonのエコシステム


「エコシステム」という言葉をご存知でしょうか。元々は英語で「生態系」や「食物連鎖」というような意味を持つ語ですが、今日ではそこから転じて経済的な協調関係や産業構造をも指します。経済の規模や生産規模を拡大すれば、コストの低下や利益をもたらします。例えば家庭用ゲーム機なら、普及(大量生産)するに伴ってコストが低下し、低価格の新モデルが登場したりしますね。ゲームソフトであれば、市場が大きくなればなるほど、同一の内容であっても売れ行きに差が出やすくなります。乱暴にいえば、エコシステムの構築もこうしたメリットを享受することが目的であるといえます。

世界最大手通販サイトとしておなじみのAmazonは、2014年4月、同社によるAmazon Game Studiosのゲームが楽しめるセットトップボックス「Amazon Fire TV」を発表しました。「ひっそり」といってはいいすぎかもしれませんが、ゲーム(“も”楽しめる)ハードウェアも出していたわけです。それを踏まえると、今回のTwitch買収は大きな意味を持つ一手です。Wii Uは多くの家庭でリビングに置いてもらえるようにと独自のゲームパッドを採用しましたが、この買収もそうした取り組みと同様、Fire TVをリビングに置いてもらうための施策であるともいえそうです。

◆すぐに大きな変化は現れない?


TwitchのCEOによれば「Amazonは我々の持つコミュニティを信頼している」というような声明が出ていることもあり、すぐに大きな動きが出るわけではなさそうです。ですが、Fire TVから気軽にTwitchでプレイ動画の配信ができるようになったり、Amazon独自のスマートフォン「Fire Phone」でTwitchを手軽に見られる専用アプリが配信されたり……などという日は、そう遠くないうちにきたりするのかもしれません。

PCのみならず、今日ではPS4やXbox Oneからも気軽に利用できるTwitch。配信者はやはり外国人がメインで、実況で何をいっているのか理解するには言語の壁が立ちはだかってしまいますが、ゲームのプレイ動画を見る楽しさは万国共通です。配信動画の中にはおなじみの国産タイトルも散見されますので、実況が分からずとも彼らのプレイを見て楽しむことはできるでしょう。日本人にはニコニコ動画や生放送の方が親しみがあるのは間違いありませんが、感化できない大きなうねりを起こしているTwitchの方ものぞいてみてはいかがでしょうか。

(C) 2013 Riot Games, Inc. All rights reserved. Riot Games, League of Legends and PvP.net are trademarks, services marks, or registered trademarks of Riot Games, Inc.
(C) 2014 Nintendo. Games are property of their respective owners. Nintendo of America Inc. Headquarters are in Redmond, Washington.
(C) 2014, Amazon.com, Inc. or its affiliates
(C) 2014 Microsoft
《蚩尤》

編集部おすすめの記事

ゲームビジネス アクセスランキング

  1. 【TGS2017】ロボの起動スイッチはスカートの奥?『十三機兵防衛圏』『ドラゴンズクラウン・プロ』ステージレポ

    【TGS2017】ロボの起動スイッチはスカートの奥?『十三機兵防衛圏』『ドラゴンズクラウン・プロ』ステージレポ

  2. 【CEDEC 2013】ゲーム脳から10年以上経た、ゲームをめぐる現在の認知機能研究

    【CEDEC 2013】ゲーム脳から10年以上経た、ゲームをめぐる現在の認知機能研究

  3. 【週間売上ランキング】『ポケモン不思議のダンジョン 空の探検隊』以外はかなり厳しい売れ行き (4月13日〜19日)

    【週間売上ランキング】『ポケモン不思議のダンジョン 空の探検隊』以外はかなり厳しい売れ行き (4月13日〜19日)

  4. 中国当局のゲーム販売認可機関が承認を凍結―日本のゲームメーカーにも影響

  5. “推しメン休暇”って実際どうなの?どんなキャラでもいいの?ジークレスト代表&社員にアレコレ聞いてみる

  6. 日テレがe-Sports事業に参戦!プロチーム「AXIZ」を結成し7月からは地上波で専門番組も開始

  7. 「CRIWARE」が分かりやすい、学びやすい!CRI・ミドルウェアがゲーム開発に特化した新サイトを立ち上げ─マニュアルやチュートリアルも公開に

  8. ソーシャルゲームと家庭用ゲームのユーザー比較・・・SIG-Indie第10回勉強会

  9. 企画とデザインのキャッチボールで生まれた『グランブルーファンタジー』の稀有な開発体制―春田康一プロデューサーと皆葉英夫氏に聞いた

  10. ディライトワークス、「FGOスタジオ」を含む6つの制作部門を新設─塩川氏は第1制作部を指揮

アクセスランキングをもっと見る