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【GTMF 2014】デベロッパー各社が特徴をアピール、初のマッチングイベント「GTMF Meet-Ups」レポート

ゲームビジネス 開発

司会を務めた「つくる女」の山下まみさん
  • 司会を務めた「つくる女」の山下まみさん
  • シフォン
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  • グランゼーラ
  • グランゼーラ
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  • つくる女
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18日に秋葉原UDXで開催されたゲーム開発者向けイベント「Game Tools & Middleware Forum 2014」。初の試みとしてゲームデベロッパーとパブリッシャーを結ぶことを目的とした「GTMF Meet-Ups」が開催されました。出展会場の一角に設けられたステージで各社が15分のプレゼンを行い、その後の、ミーティングタイムでは興味を持った来場者が直接商談に望みました。

■滅せよクソ運営―シフォン

2011年10月に設立されたシフォンはMMORPGの運営に強く、長寿タイトルとなっている『M2-神甲天翔伝-』の運営を行っている会社です。近年ではUnityでの開発も行い、ソニー・ミュージックエンターテイメントとグルーヴノーツが近日提供予定の『ロボクラ』(iOS/Android)の開発も受託。運営に長けた会社として活動を行っています。

同社の末広幸子代表は「滅せよクソ運営」と題して、「嘘つき」「約束を守らない」「連絡をしない」「やたらと金をせびる」といった人間の基本に外れた"だめんず運営"を辞めようと呼びかけました。もちろん、開発が難航する、収益が厳しいなどの運営の都合はあって当然ですが、「もう少しKPI以外のところでゲームの基本を考えて作りませんか?」と末広氏は話しました。ちなみに、"イケメン運営"は「きちんと決断する」「右往左往しない」「フローは簡略化する」「彼女(ゲーム)を甘やかせ過ぎない」(悪いとこは直す)「お金はほどほどに」(能動的に財布を開かせられないのは甲斐性なし)といったことで、「人としてきちんとしていれば燃える事も少ないはず」とのことでした。

■石川県は近いです―グランゼーラ

石川県にあるグランゼーラ。登壇した専務取締役CTOの吉田佳幸氏はアイレムで『絶体絶命都市』『ポンコツ浪漫大活劇バンピートロット』『R-TYPE FINAL』などを手がけた後に2011年にグランゼーラを設立。最近ではPlayStation Homeでの活動が目立ちました。開発受託だけでなく、映像制作にも強みがあります。

吉田氏は「石川県は意外と東京から近い」とアピール。飛行機で50分、来春には新幹線が開業し金沢まで2時間半で結ばれます。地方ということもあってコストも安いと延べました。現在のところ開示できる実績はないものの、自社タイトルとしてPlayStation Vita向けに2タイトルを開発中だとのこと。アイレムで実績あるメンバーが揃っていますので、質の高いゲーム開発には頼れる会社となりそうです。

■プロクリエイターチーム―つくる女

今回司会を務めた青二プロダクション所属の声優、山下まみさんも所属する女の子だけのプロクリエイターチーム「つくる女」は、イラストレーター、シナリオライター、声優、漫画家、ヘアメイク、衣装製作など様々なクリエイティブを持った女の子が集まる集団。株式会社フナコシステムがプロデュースします。

女の子ならではのクリエイティブを発揮した様々なプロジェクトを実施していて、昨年の東京ゲームショウでのAMDのブースイベント、セガネットワークスとケンタッキーフライドチキンのコラボイベント、パソコンショップのツクモでの動画配信などに参加。現在は大手出版社とタッグを組み、つくる女がゼロからゲーム開発にチャレンジする『たまごりあん!』のプロジェクトが進行中だとのこと。

■Unreal Engine 4のプロ集団―ヒストリア

月額19ドルという衝撃の価格で勢力を急拡大中のEpic Gamesのゲームエンジン「Unreal Engine 4」(UE4)。ヒストリアの佐々木瞬代表は元気モバイルやイニスに在籍後、昨年秋に起業。UE4に魅了され、そのプロ集団として関連事業に取り組んでいます。もちろん自社でもゲーム開発をスタートしているそうです。

UE4に魅了されたというだけあって佐々木氏のプレゼンはヒストリアの、というよりはUE4のプレゼンというような雰囲気。既にコンソールで数多くの実績があるエンジンですがUE4ではビジュアルスクリプティングの「ブループリント」の実装や、改善されたモバイル対応など大きく進化が見られます。ただし、米国製であり最大限活用するには欧米流のワークフローへの適合が必要不可欠で、そうした経験をヒストリアではサポート出来るとのこと。自社開発や受託開発の他、コンサルティングや講演活動にも力を入れます。佐々木氏としてもGamePM、GameCommunitySummitなどコミュニティ活動にも尽力。UE4をテコに日本のゲーム産業の底上げを目指します。

ちなみにウェブテクノロジのSpriteStudioのUE4向けプラグイン「SpriteStudio 5 Player for UE4」の開発もヒストリアで行っているとのこと。

■モバイルで更なる飛躍を―ランド・ホー

ランド・ホーは1999年設立、今年で15年目となるデベロッパーです。最初の10年はコンシューマー、その後は海外作品やモバイルを中心に多数のタイトルを手掛けており、受託専業ながら実力には定評があります。今年からはコンシューマーとモバイルの開発部隊を統合し、さらなる飛躍を目指します。

近年ではPopCap『ビジュエルド伝説』、セガネットワークス『サカつくシュート!』、フリュー『究極錬成☆バトルオブエンジェル』などスマホタイトルが目立ちますが、一方でマイクロソフトのXbox One向け『Chrimson Dragon』をグランディングと共同開発、タカラトミーアーツの業務用『ポケモンカードゲームガチャ』を手掛けるなど、幅広いゲームのノウハウを有するのが同社の強み。ターゲットはハイエンドからカジュアル、ソーシャルまで、プラットフォームも家庭用からスマホまで、技術もUnity、Unreal Engine、Cocos2d-xなど多岐にわたり、開発から運営まで一貫して対応することのできる有力なデベロッパーと言えます。代表の塚原爾奈氏は「コンシューマーとモバイル、両方のノウハウを活かしていきたい」と話していました。

■小さいけど光るスタジオ―グランディング

グランディングは「地球に根ざしたクリエイション」を標榜し、小規模ながらXbox Oneのロンチタイトルとなった『Chrimson Dragon』や、E3で発表された『Phantom Dust』(同社の二木氏が参画)に携わるなど大規模開発のノウハウを持つデベロッパーです。一方で、任天堂の『とびだスゴロク』(Wiiウェア)、『ひらり桜侍』(3DS)の開発や、ドコモヘルスケアからサービスされ35万ユーザーを抱える「カラダのキモチ」などのモバイルコンテンツ開発、更には「街コロ」などのボードゲームの制作も行うなど幅広い活動を行います(街コロは後にスマホでも配信され無料1位を獲得)。

同社の岡村峰子代表は「グランディングはゼロからモノを作るのを得意としています」とアピール。マイクロソフトや任天堂など大手パブリッシャー向けにも企画立案から開発まで行っているというのは同社の強さを表しているでしょう。また、同社のデザインは海外からの評価も高いそうで、世界展開を前提としたタイトルに携わってきました。幅広いゲームを生み出してきたグランディングですが、現在はOculusやProject MorpheusのようなHMDの研究も進めているとのこと。今後の飛躍も期待ができそうです。

■クリエイターを支援したい―クリコ

クリコ代表の市川剛実氏はクリーチャーズで企画開発に携わり、後にイマジカデジタルスケープで人材や受託開発等の営業を経験した後、クリコを創業。同社は100%ゲームクリエイターで構成される企画・制作会社で、主にスマホ向けの『トキノラビリンス』(セガ/AppBankGames)や『ブレイブフロンティア』(エイリム)、『パイレーツガールズ』(NHN PalyArt)などのイラストや背景デザインなどを手掛けてきました。

同社の特徴は300人以上の濃いクリエイターネットワークを持っていること。例えば、ゲーム制作において外注でキャラ制作を行おうとすると、デザイン制作、モデル制作、モーション制作、など複数の工程を経る必要があり、それぞれ得意なデザイナーを確保し、制作進行を行っていく必要がありますが、負担の大きな仕事となります。クリコはこうした場面で、広いネットワークを活かして、この業務全体を請ける事ができる体制を構築しています。さらに市川氏を始め、スタッフ全員がゲームクリエイターであり、クリエイティブを理解したチームであることも安心できるポイントです。クリコではポートフォリオ見せ合い会、各種勉強会なども積極的に実施。クリエイター支援を業務の柱として活動を行っています。


第一回目となった「GTMF Meet-Ups」ですが、日本では珍しいマッチングイベントで、少なくない参加者が出展社の話を聞いていたようでした。次回以降の開催も期待したいところです。
《土本学》

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