この文書では、日本一ソフトウェアが会社経営をどのように捉えているか、またどのような成長戦略を取っていくかが記されています。
まず、日本一ソフトウェアの創業理念は「ゲームは作品ではなく商品である」であり、経営理念「Entertainment for All」を2011年4月より掲げ、ゲームという分野だけにとどまらず、あらゆるエンターテインメント分野で活躍するコンテンツメーカーを目指すとしています。
中期経営ビジョンとしては、会社を安定的に成長させていくため、会社基盤の整備と挑戦的な新規IP(知的財産)を積極的に産み出し、人気コンテンツへと育てていくことに注力しているとのこと。
そして、現在の市場ではスマートフォンやタブレット型端末に向けたゲームが普及した事実に対し、これらモバイル市場に対する遅れが生じていることを認めています。しかしながら、スマートフォンやタブレット型端末の大型化、高機能化はより高度なゲーム開発が必要となり、結果的にコンシューマビジネスを継続していた日本一ソフトウェアにとって有利な状況になってきたと認識しています。
また、これからもコンシューマビジネスは中核事業であると位置付けており、開発力の向上を引き続き行い、安定した成長を目指すことを成長戦略として位置づけています。
そのため、日本一ソフトウェアはコンシューマビジネスの改善を試みています。方法としては、中長期的に発売のサイクルを構築し、ブランド価値の向上を図っていくとともに、開発のリズムを作り人的・資金的資源の最適化を図るとのこと。
また、開発力の向上のため、拡大する開発状況の見直しと最適化を行います。更には業界の活性化を考え「日本一ソフトウェア NEW BRAND」を立ち上げ、挑戦を続ける構えです。そして、定評のある2D技術の向上を目指し、アジアでの生産拠点を検討しているようです。
そのほかには、グループを担っていく経営幹部および若手リーダーを更に充実させていくため新しく「グループ中長期策定委員会」を設置し、人材育成にも注力します。また、社内外での研修を強化するほか、仕事を通じてプロフェッショナルとしての考え方と仕事の仕方を後進に伝えていき、チャンスとチャレンジのサイクルを構築していきます。
日本一ソフトウェアは激変する環境下で足下の業績数値にとらわれるのではなく、「NEW BRAND」により世界中で多くの支持を得て、どんな環境にも対応できる強くて柔軟な企業体質へと強化することによって、中長期にわたる安定的な成長軌道を描き、多くのステークホルダーの期待に応える考えのようです。
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