ゲームセンターの対戦型アーケードゲームであろうと、協力型のオンラインマルチプレイヤーであろうと起きてしまうゲームプレイヤー同士のいざこざですが、米国ニューヨーク州のロングアイランドにて、『Call of Duty』で負けたプレイヤーが相手プレイヤーの名を騙り殺害予告をするという行き過ぎた事件が4月22日に発生したようです。
現地時間の4月22日。Skypeを経由して警察へと一報が届き、ロングアイランドのロングビーチに住む17歳の青年Rafael Castilloを名乗る人物が自身の住所を伝えつつ「丁度いま母親を殺したところだ、これからもっと多くの人間を撃ち殺すかもしれないぞ」と殺害予告を行いました。
この通話に対応した警察は厳戒態勢でこの事件に対応。2時間にもわたりCastillo家の上をヘリが飛び交い、60人以上の武装警官と消防車までもが周囲を取り囲み、さらにはナッソー郡の特殊部隊からも選り抜きされた「エリート隊員」が事態の鎮圧を目指し出動しました。しかし実際に殺害予告をしたはずのCastilloが銃撃戦を繰り広げていたのは、春休み中に夢中になっていた『Call of Duty』のオンラインマルチプレイヤー内だったのです。
Rafaelの兄Joseは海外メディアNYPの取材に対し、警察官とSWATが突入した際の光景を「自分の家で銃撃戦があったんだと思った。僕が駆け寄ると母親が外へ逃げようとするのが見えた。何が起きているのかわからなかったよ」と説明。「その時、誰かがこの家の母親と兄弟の誰かを殺したと伝えたって警察の1人が言ったんだ。僕は言ったよ、母親と僕がここに居るのにどうやって?って」とコメントしています。
当の本人であるRafael Casilloは『Call of Duty』をヘッドホンでプレイし熱中していたため警察の突入にも気づかず、さらに警察の呼びかけも聞こえずに20分ものあいだゲームを続行していたとのこと。兄のJoseが彼に「お前を探して山ほどの警察が外に居るぞ」と伝えたところ、ようやく部屋の外に出てきたそうです。
なお現時点でCastilloの名を語った犯人は見つかっていないものの、警察は犯人がCastilloのIPアドレスをオンライン上で追跡していたようだとコメント。小さな子どもがイタズラで行った通報のようだと述べ、現在その足跡を追跡中だとしています。
なお海外ではこういった虚偽の通報により第3者の家にSWATを出動させる行為を「Swatting(スワッティング)」と呼び、ロングビーチの警察本部長Michael Tangney氏はこれが最新のSwattingの例だとNYPの取材に対し報告。「このSwattingの奇妙な世界では、君たちはヘリコプターやパトカー、SWATチームや突入する形式でポイントを稼ぐ。とても洒落ている。だがあいにく、非常に危険な行為なんだ」とコメントを残しています。
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