■2つのステージで楽しむ
まずはゲーム概要を。本作ではファミコン初期16作から一部を切り取りお題にチャレンジする「ファミコン」ステージと、ゲームに新要素を加えてアレンジした「リミックス」ステージで遊ぶことができます。
「ファミコンステージ」は各ゲームごとに用意されたお題-『スーパーマリオブラザーズ』なら「ノーミスでクッパを倒せ」など-にチャレンジします。
「リミックス」ステージは『ドンキーコング』の主人公がリンクになったり、『マリオブラザーズ』のステージが上下反転していたりと、かなりやりたい放題。鬼畜なゲーム性に磨きがかかっています。
■解禁の条件はゆるめ
「ファミコン」ステージでは1つのステージをクリア→次のステージ解禁の流れで進んでいきます。どうしてもクリアできない場合は後回しすることも可能です。クリア後のリザルト画面でスコアに応じてスターが最大3つ与えられ、ハイスコアでクリアをするレインボーが付きます。
スコアはタイムアタック要素が強く、1度の失敗程度ならスター3つ獲得も可能。スターの数は「リミックス」ステージの解禁条件になっています。好きなファミコンゲーム1本をひたすらプレイすればおのずと「リミックス」ステージが解放されていくという流れで、ステージ解禁の条件はゆるく、サクサクとプレイできます。
■チュートリアルとしても使える「ファミコン」ステージ
「ファミコンステージ」はチュートリアル要素が強め。例えば『スーパーマリオブラザーズ』なら、1UPキノコを取る、クリボーを倒すなど、初歩的なアクションがお題になっており、お題に必要なシーンから唐突に始まります。また、ワープの土管に入る、隠しブロックを探して叩くなど、隠し要素や裏技がお題になっているので、『ゼルダの伝説』のような謎解きゲームでは攻略指南としても使えそうです。
そのため、「ファミコン」ステージは初プレイや初心者のほうが楽しめます。筆者は『レッキングクルー』が未プレイだったのですが、お題をこなすうちにそのゲームのルールと面白さを理解することができました。また、子供の頃は「なんのこっちゃ?」だったゴルフも、「PTを選んでカップにボールを入れよう」などのお題をこなすうちにクラブの選び方もなんとなく理解。
で、理解すると当然、オリジナルがやりたくなりますよね。そこで画面右下、ニンテンドーeショップへのリンクボタンです。オリジナルをプレイしたいと思ったゲームを選択、ニンテンドーeショップマークをクリックすると、VC版の購入画面へダイレクト! これは買わざるを得ない…
■玄人をさらなる地獄へ案内する「リミックス」ステージ
「リミックス」ステージのアレンジ要素はとにかく鬼畜。ただでさえファミコン時代のゲームは仕様が玄人向けだというのに、さらに難易度があがるアレンジが加えられています。こちらはファミコン玄人にオススメ。
例えば『スーパーマリオブラザーズ』なら、みんなのトラウマ2-3のプクプクが飛び出してくる空中ステージをアレンジ。オートでBダッシュするマリオをジャンプだけでゴールに導きます。マリオは勝手に走るし、ジャンプのタイミングがズレるとプクプクにぶつかるし下に落ちるし。もう散々。鬼畜仕様はこれだけではありません。足場や敵が一定時間消えるステージ、シルエットになるステージ、モザイク状態になってなにがなんだかわからなくなるステージと、さまざまな嫌がらせが仕込まれています。
また、『ドンキーコング』+『ゼルダの伝説』のステージでは、ジャンプできないリンクを操作していかにクリアするかがポイント。攻略パターンを熟知したゲームも条件が変わることで新鮮な気持ちでプレイすることができます。「ファミコンゲームは遊び飽きた」と言ってる人にこそチャレンジしがいのあるステージです。
■ドット絵ハンコで『Miiverse』投稿がはかどる
各ステージクリア後に加算される「Bit」というポイントでドット絵のハンコが手に入ります。ハンコは『Miiverse』で使えるので絵心のない人でもイラスト付き投稿ができかなり便利! なかには使いどころに迷いそうなハンコ(『ゴルフ』のパワーゲージとか)もありますが、これらをうまく組み合わせるとゲーム画面を再現することが可能です。また、ゲームの垣根を越えてハンコを使えば、本編に負けない「リミックスイラスト」が描けてしまうのです!
というわけで、本作は玄人も初心者も楽しむことができ、世代の架け橋になりそうな1本です。Wii U世代の子供たちも、「ファミコン」ステージをプレイし、オリジナルをやり、「リミックス」ステージをこなすようになり、いつかファミコン世代と肩を並べて語り合う日がくるかもしれませんね。老若男女が集う年末年始にもオススメです。
『ファミコンリミックス』はWii Uダウンロード専用ソフト。ニンテンドーeショップにて1,500円(税込)で配信中です。
■著者紹介
みかめゆきよみ
ゲーム好き、日本史好きの漫画家兼フリーライター。
ゲームはジャンル問わずなんでもござれ。難しければ難しいほど燃えるドMゲーマーです。
歴史・ホラー漫画、歴史コラム、イラストなど雑多に活動しています。
サイト「車輪の真上」
http://zwei.lomo.jp/syarin/
(C) 2013 Nintendo
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