Miiverserの具体的なサービス内容について詳細な解説がありましたが、そちらについては公式サイトなどで発信されているため省きます。
まず、水木氏自身のプロフィールについて。前職(講演中は名指しされませんでしたがコナミ)ではアーケードゲーム開発に携わっていたと切り出しました。任天堂へ転身した理由は、出張でプレイした『ゼルダの伝説 時のオカリナ』。これほどの作品がどのような開発体制で生まれるのかと興味が湧いたから、とのことです。
最初にアサインされたのは『マリオストーリー』のドット絵で、思い出のキャラはピーチ姫。その後、ローンチタイトルである『ルイージマンション』のアシスタントディレクターを務めたのち、『Nintendogs』などでディレクターとして活躍します。その後、『Wiiスポーツ』製作中、たまたま『Wiiショッピングチャンネル』の開発に苦戦していたためサポートとして参画。これが切欠でネットワークサービスの分野へ足を踏み入れることになりました。
水木氏の経歴において特徴的なのは、アーケードゲーム、コンソールゲーム、携帯機、ネットワークと様々なフィールドに関わってきた点。これがMiiverseの特色にひもづけられています。つまり、Miiverseそのものが、いわゆるネットワーク屋ではなくゲーム開発者により創られたサービスだということです。
ここからMiiverseの解説へ。水木氏が指摘した点としては、たとえばバルーンファイトなどの古典的なゲームとMiiverseの相性が良いこと、黙々と一人で遊ぶゲームでも有効であることなど。また、ゲームセンターにしばしば設置されているノートでの見知らぬ人とのコミュニケーションとMiiverseの類似性について、前職でアーケード系タイトルに関わったからこそ感じるところがあるようでした。
Miiverseの活用事例などを交えつつ、MiiverseのAPIについても言及。とくにユーザーコミュニティについてフォーカスし、『Wii Fit U』で仲間と一緒にフィットネスするなどの手法を紹介しました。また、機能も現状のままに留まらず、Miiverse上でのソーシャルグラフ取得などを検討中であると述べました。
また、スマートフォン上で動作するMiiverseのリリース時期については4月末から5月あたりが目処とのこと。実際に、ウェブ版Miiverseが動作している動画が紹介されましたが、ほぼ完成状態にあるように見えました。
さらに、3DS版Miiverseの開発に着手していることも明らかにしました。全世界3,000万台の端末がMiiverseに対応することで、巨大なオンラインコミュニティが構築されるビジョンです。また、3DSタイトルでMiiverse対応ソフトが登場することへの期待も示しました。
最後に、Miiverseのノンバーバルでグローバルなコミュニケーション能力の素晴らしさに言及した上で、いわゆるソーシャルネットワークサービスになろうとは思っておらず、あくまでゲームとゲームプレイのためだけに存在しているのがMiiverseであるとしました。Miiverseのポテンシャルを強調し、講演を締めくくりました。
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