人生にゲームをプラスするメディア

【BitSummit】Q-Games吉田謙太郎氏基調講演「Q-Gamesの歴史」抜粋

ゲームビジネス 人材

【BitSummit】Q-Games吉田謙太郎氏基調講演「Q-Gamesの歴史」抜粋
  • 【BitSummit】Q-Games吉田謙太郎氏基調講演「Q-Gamesの歴史」抜粋
まずは本イベントの音頭を取ったJames Mielke氏が所属するQ-Gamesの歴史について、同社吉田謙太郎氏から解説がありました。

軽い前振りで飛び出た、「どういう趣旨か解らず来ていた方もいらっしゃったと思いますが」の一言へ、いるんですか!?と突っ込みを入れたのが会場に何人いたかはわかりませんが、いずれにせよ本当に何も知らない人がいきなり聞いても分かるように講演が配慮されていました。これは今後の開催を考えると適切なノウハウです。むしろ、「インディーズって何?東インド諸島のこと?」な方に広めることこそ今後の課題の1つです。

続いて、Q-Gamesの歴史について説明。興味深かった点をピックアップします。

「11年前に社長のDylan Cuthbertにより京都で創業した当社、この会場にいらっしゃっている方ならご存知のかもしれませんが社長のDylanは根っからのゲームプログラマー。学生時代からずっとプログラマーです。私もゲーム業界は長いですが、彼を見ているとインディペンデントな魂を持ったプログラマーだと思います。」

Dylan Cuthbert氏のプロフィールは、17歳にアルゴノートソフトウェア、その後任天堂、次にSCEA、SCEJときてQ-Games創設です。そんなパブリッシャーを転々としてきた中でもDylan Cuthbert氏は個性を持ち続けて作品を放ち続けてきたとのこと。まさに生ける独立精神と言えます。

手がけたものの例として紹介されたのは、PlayStation 3のXMD起動画面一部や、ミュージックビジュアライザーなど。グラフィックスプログラミングもQ-Gamesが行なっていると強調しました。

「『X』の続編である『X-RETURNS』を任天堂と協同で手がけた際、『X』への思い入れが強かったため、当初の予定を超えてボリュームがつきすぎたりもしました。当時『PixelJunk』の開発も進んでおり、そこから得たノウハウをDSiウェアの開発でも生かしていました。」

公式サイトを開いてど真ん中ストライクに感じた方はQ-Gamesのインディペンデント性に追いついています。ニンテンドーオンラインマガジンの記事も非常に興味深い内容です。「始まりは『パイロットウイングス』!?」のアオリは秀逸。

「Dylanが会社を創ったころから、独自のIPが必要だと考えていました。ちょうど私が5年前入社したころ、『PixelJunk』のアイデアが練られていて、当時出ていたPlayStation 3のハイクオリティなビジュアルを生かしつつ、ファミコンのような8bitのようなミニマルなゲームを提供するというコンセプトでした。」

自前のIPを持つという発想自体は自然ですが、そこから出てくるアイデアが「8bitでミニマルな最新映像」。『Journey』をはじめとし、敢えて抽象的で漠然としたグラフィックスに見せながら高度な映像を提供するのは今でこそよく知られた手法ですが、先見の明だったということかもしれません。

「『PixelJunk』は自前でパブリッシュしたのですが成功を納め、10作品を超えるシリーズとなっています。この成功はゲームクオリティが認められたというのもありますが、海外、アメリカと欧州についてはSCEサンタモニカスタジオと出会えたのが大きかったです。彼らのマーケティング力を生かして販売することができました。サンタモニカスタジオにはインディーゲームに理解があったからこそ、『PixelJunk』がスムーズに受け入れられました。」

最近、『Journey』の件でもソニーの協力が奏功したとの指摘がありました。双方ともに(専門的な映像に関する知見抜きには) PlayStation 3のグラフィックス能力を活かすタイトルとしては安易にバックアップされなさそうなタイトルです。

「『Pixel Junk』シリーズで一番売れたのはタワーディフェンスタイプの『PixelJunk MONSTERS』なのですが、その理由の1つは社長Dylan直々にプログラマーとして参加したこと。開発の後半で強力に参画し、そして完成し評価されました。」

「社長がプログラムするとゲームが面白くなる」。すさまじい話です。そういえば、奇しくも同じく京都に本拠を構える任天堂の岩田聡社長も数々の伝説を持っています。

他にも、日本と同時に海外でも展開できたこと、インディペンデントゲームフェスティバル(IGF)でノミネートされたことなど、いい流れに乗ってシリーズの知名度を上げることができたとしました。また、元々PS3タイトルとして作ってきた『PixelJunk』のPC版がリリースされたのはSteam(Valve)側からオファーがあったから。

動機(後のインタビューで解説)はともかく、Q-Gamesほど国内でインディーゲームの先陣を切るに相応しいデベロッパーはそうないのではないかと改めて思わせる内容でした。
《Game*Spark》

編集部おすすめの記事

ゲームビジネス アクセスランキング

  1. 『モンハン:ワールド』発売停止も影響か?テンセント株が大幅下落―時価総額は15億ドル減少

    『モンハン:ワールド』発売停止も影響か?テンセント株が大幅下落―時価総額は15億ドル減少

  2. 鎖に繋がれた美しき少女と共に世界に色と音を取り戻せ!VRステージクリア型謎解きゲーム『VoxEl』体験レポート

    鎖に繋がれた美しき少女と共に世界に色と音を取り戻せ!VRステージクリア型謎解きゲーム『VoxEl』体験レポート

  3. Unreal Engineのオンライン学習サイトが登場!誰でも無料で利用可能

    Unreal Engineのオンライン学習サイトが登場!誰でも無料で利用可能

  4. ゲーム実況者をプロデュースする「ワタナベアマダクション」設立、ドワンゴとワタナベエンターテインメントの合弁会社

  5. 【朝刊チェック】あの商品は今、セガの幼児向け電子知育玩具“ピコ”(3/10)

  6. 「2017年YouTuberタイアップ動画起用社数ランキング」が公開―業種内訳は「ゲーム」が最も多い結果に

  7. 2018年7月発売の新作ゲームは何を買う?―注目タイトルまとめ!

  8. 【レポート】未来のゲームクリエイターがApple Ginzaに大集合!Kids Developer Pitch Winter 2017

  9. コーエー30周年記念ロゴを制定、記念タイトルを順次

  10. 中国当局のゲーム販売認可機関が承認を凍結―日本のゲームメーカーにも影響

アクセスランキングをもっと見る